「ジブリパーク」のある愛知県で、歴史を感じるモノづくり体験!家族みんなが楽しい《作る》体験プログラム3選
東京ウォーカー(全国版)
スタジオジブリ作品の世界を表現した公園施設「ジブリパーク」が「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内にオープンし、今まで以上に注目が集まる愛知県。せっかく愛知県へ観光に訪れるのなら、周辺の魅力的なスポットも巡ってみてはいかがだろうか。
そこで今回は、伝統と文化を感じる“モノづくり”を体験できるスポットをご紹介。昔から繊維業や製陶業などをはじめとするものづくり王国として栄えてきた愛知県。その歴史に触れ、受け継がれてきた貴重な体験を通して、愛知の旅をより思い出深いものにしよう!
《木玉毛織の工場見学&ガラ紡体験ツアー》(愛知県一宮市)
アクセス:ジブリパークより車で約45分

イギリスのハダースフィールド、イタリアのビエラと並ぶ、世界三大毛織物産地として知られる尾州(びしゅう)。「木玉毛織」はここ尾州で1895年に創業した。長年ウールの婦人服地に携わってきた繊維会社で、現在は毛織物事業から撤退し、ガラ紡糸の製造・販売を中心に行っている。ここでは明治時代から続く伝統的な糸紡ぎ「ガラ紡」の体験と工場見学ができるということで、モデルの高須みほさんが参加した様子をレポート!

まずは事務所で木玉毛織の紹介や、模型を使った工場内の説明を受ける。敷地内には編物工場、ガラ紡工場、織物工場と、3つの異なる生産工場があるほか、縫製会社やショップなど尾州織物に関わる多様なテナントが入っている。かつて倉庫だった空きスペースでは、コンサートやワークショップなどのイベントを行うこともあるそう。特徴的な「のこぎり屋根」の内部も見せてもらった。

三角形の屋根が連なり、のこぎりのように見えることから呼ばれる「のこぎり屋根」。北向きに大きな窓がついており、自然光で糸や生地の色を確認することに適しているのだとか。また、直射日光を抑えることで生地の退色防止にも一役買っていたのだそう。
次に案内されたのは、編物工場。コンピューター制御された円形機械で、糸と糸を編んでいく。従来のいわゆる“機織(はたお)り機”よりスピーディに製造でき、丈夫で伸縮性のある生地が編みあがる。

続いては本日のメイン「ガラ紡」の工場。「ガラ紡」とは明治時代初期に日本で発明された糸を紡ぐ機械の名前だ。そもそも糸がどうやって作られるかご存知だろうか?材料となるコットンやウールから一部を引き出し、撚(よ)りをかけながら引き伸ばすことで糸はできる。以前は糸車を使って1本ずつ手紡ぎするしか方法がなかったため、100本同時に作ろうとすれば100人集める必要があった。しかし、同時に何本も作れるガラ紡の登場によって、その生産スピードは飛躍的に上がった。

手紡ぎの原理をそのままに、独創的な方法で動力化したのが「ガラ紡」だ。綿(わた)を詰めた筒を回転させて、上に向かって引き伸ばしながら糸を巻き取っていく。当時の日本では画期的な発明だったが、大正時代には洋式の機械の台頭で徐々に衰退。現在でも生産を続けているガラ紡は片手で数えられる程度と、非常に希少価値の高い技術なのだ。

「ガラ紡」の仕組みがわかったところで、いよいよ体験スタート。まずはフワフワの円柱状になった綿(わた)の「撚子」を、筒にセットしていく作業からチャレンジしよう。

詰めた撚子の頭をつまんで、ドングリの帽子のような形にする。そこへあらかじめ巻いてある別の糸の先を引き出して撚子の頭にそっと置いてあげると、繊維同士が絡まって徐々に綿(わた)が糸になっていく。ゆっくりと巻き取られていく糸は、手紡ぎのように太さがまちまちで、味のある仕上がりになる。

木玉毛織では、ガラ紡で作られた糸を使った生地の生産も行っている。ガラ紡糸のような繊細な糸を最新の機械で織るとすぐに切れてしまうとのことで、機織り機を機械化したような昔ながらの織機で織るのが最適なのだとか。それでも標準より回転数を落として、丁寧に織るという。

2019年に、尾州の繊維産業に属する若手が集まり立ち上げたサークル「尾州のカレント」。木玉毛織の敷地内にはこのアンテナショップ「新見本工場」があり、オリジナル商品や尾州ブランドの商品を多数販売している。ツアーの最後に訪れることができ、買い物もOKだ。

工場見学後は、ガラ紡のハンカチを記念品として受け取れる。このガラ紡ハンカチ、ジブリキャラクターver.も製作しており、そちらはオリジナルグッズとしてジブリパーク限定で販売されている。事務所にはガラ紡糸を使った商品を扱うショップがあり、こちらでの買い物もOKだ。体験自体は簡単で、子供から大人まで年齢問わず楽しめること間違いなし!

【体験したモデルの高須みほさんのコメント】
「綿(わた)が糸になることは知っていたけど、どうやって糸が作られるのかは知りませんでした。織機に糸を通していた、この道70年というおばあちゃんの技には感動!ガラガラと音を立てるガラ紡の動きはなんだか不思議で、ずっと見ていられました。ショッピングもできて大満足です!」
●《木玉毛織の工場見学&ガラ紡見学ツアー》/会場:木玉毛織/住所:愛知県一宮市西萩原上沼40/電話:0585-68-1131(平日10:00~16:00)/時間:14:00~15:00(集合は13:50)/休み:日曜・祝日、新見本工場は火曜/料金:見学+体験 大人1人2200円、中学生以下1人1100円 ※当日現金払いのみ/駐車場:4台(無料)/アクセス:東海北陸自動車道・一宮西ICより車で約7分/URL:
https://kitamakeori.co.jp/
《愛知県陶磁美術館 陶芸体験》(愛知県瀬戸市)
アクセス:ジブリパークより車で約10分、ジブリパークより電車(リニモ)で約15分
約1000年もの間、やきものの生産を絶えず続けてきた日本六古窯の1つ、瀬戸。今では配達物の割れ物注意のシールに「セトモノ」と書かれているほど、やきものの⼀般名称として、その名は人々の生活に浸透している。そんな“やきもののふるさと”瀬戸市の自然豊かな里山の中にあるのが「愛知県陶磁美術館」。日本有数の陶磁器専門美術館だ。

同館では、日本のみならず世界各国、いろいろな地域・時代の陶磁器8000点以上をコレクション。そのなかより、原始時代から現代に至るまでのやきものの名品を常設展として展示している。さらには敷地内で発掘された平安時代から鎌倉時代あたりまでの窯跡も見ることができ、古代から現代に伝わる技術や素材に触れ、その凄みを感じられる。

同施設内の陶芸館では、「作陶体験」または「絵付け体験」ができる。陶芸指導員のレクチャーを受けながら陶芸にチャレンジしよう。「作陶」は粘土を手回しロクロにセットして、瀬戸の土の感触を楽しみながら好きな形に成形していく。「絵付け」は素焼きの皿や湯呑に青色と茶色の絵の具でペイント。釉薬を選んだら、あとは焼きあがりを待つだけだ。体験から1、2カ月程度で完成する。料金は、作陶(粘土1キロ、120分の場合)が一般950円、中学生以下800円。絵付け(湯呑み1個、120分の場合)が一般840円、中学生以下690円。一見難しそうだが、やってみると案外簡単で、小さな子供から高齢者まで年齢問わずおすすめの体験だ。
●《愛知県陶磁美術館 陶芸体験》/会場:愛知県陶磁美術館 陶芸館/住所:愛知県瀬戸市南山口町234/電話:0561-84-7474(9:30~16:30)/時間:9:30~16:30(最終受付14:30、所要時間約120分)/休み:月曜(祝日の場合は開館、翌平日休館)/料金:作陶 一般1人950円〜、中学生以下1人800円〜、絵付 一般1人840円〜、中学生以下1人690円〜/駐車場:250台(無料)/アクセス:名古屋瀬戸道路・長久手ICより車で約7分、リニモ(愛知高速交通東部丘陵線)・陶磁資料館南駅より徒歩15分/URL:
https://www.pref.aichi.jp/touji/
《知多木綿のふる里を尋ねて》(愛知県知多市)
アクセス:ジブリパークより車で約45分
「知多木綿」の生産地として、江戸時代から1960年ごろまで栄えた知多市の岡田地区。知多木綿は「江戸送り日本一」と言われるほど評判を呼び、最盛期の昭和初期には全国から約3000人もの女性寄宿労働者が働きに来ていたという一大木綿生産地だった。当時の趣を感じられる蔵や黒板塀、郵便局などの歴史的建造物が並び、レトロな町並みが現存。最近では知多木綿のアンテナショップや古民家カフェがオープンするなど、新たなにぎわいを見せている。

かつては浴衣や手ぬぐいの生地として重宝された知多木綿だが、生活様式の変化や化学繊維の登場で織布工場の数は徐々に減少。しかしながら現在では、通帳や辞書の表紙、自動車のシート、スポーツ用のテーピングテープなどに知多木綿が使用されている場合もあり、実は気付かないうちに知多木綿を使っていることが少なくないのだとか。
そんな岡田の町で創業した「オカトク」。2023年に110周年を迎えるオカトクでは今も知多木綿の生産を続けており、岡田東工場にはガチャガチャと自動織機の音が響いている。

今回、オカトクの岡田東工場では、社長自らが工場内を案内するプログラムを実施。知多木綿の高い技術力を間近に体感できるほか、知多木綿オリジナルハンカチのプレゼントも付く。さらに特典として「手織りの里 木綿蔵・ちた」または「伝承知多木綿 つものき」での「知多木綿コースター作り体験」の割引チケットがもらえるので、先端技術を見学したあとは、昔ながらの機織りにも挑戦してみよう。
●《知多木綿のふる里を尋ねて》/会場:知多市観光協会/住所:愛知県知多市岡田段戸坊5/電話:0562-51-5637(火曜~日曜9:00~16:00)/開催日:毎月第1・4土曜/時間:10:00~12:00(集合は9:50)/休み:7月~9月/料金:ペアー券4000円、3名券6000円/駐車場:30台(岡田街並観光駐車場、無料)/アクセス:西知多産業道路・長浦ICより車で約6分/URL:
https://chita-kanko.com/
※感染症対策を行い、了承を得て撮影時のみマスクを外しています。
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※商品・サービスの内容は2023年2月28日時点のものであり、予告なく変更になる場合があります。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響で随時情報が変わる場合があります。ご利用の際はできるだけ事前確認をおすすめします。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
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