「森永ラムネ」が“大人の必需品”になったのはなぜ?「ぶどう糖」の思わぬ効果をきっかけに戦略を変えて大成功!

東京ウォーカー(全国版)

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森永製菓株式会社が販売している、飲むラムネを模ったボトルが特徴的な「森永ラムネ」。森永ラムネは2023年で誕生50周年を迎え、現在はおなじみのボトルタイプだけでなく、小袋タイプの商品も発売されている。

かつてはコンビニやスーパーの駄菓子コーナーにある、子供がおやつに食べるもの…というイメージだったが、昨今では受験生や社会人から愛されている印象が強い。突如として“大人のマストアイテム”となった森永ラムネだが、一体何がきっかけなのだろうか。

今回は、森永製菓株式会社(以下、森永)菓子マーケティング部の中原仁さんに、森永ラムネの誕生秘話やブランド戦略の転換理由について聞いた。

「森永ラムネ」。誰もが一度は見たことがある“子供の定番おやつ”だったが…


子供に人気の理由はパッケージデザイン!森永ラムネの誕生秘話

森永ラムネが発売されたのは1973年のこと。それまでは主に砂糖を固めた錠菓は発売されていたが、「ぶどう糖」を主原料にしたのが森永ラムネの特長だという。そして「食べるラムネ」をコンセプトに開発していたことから、パッと見て「飲むラムネ」をイメージできるように、ラムネの瓶を模したパッケージデザインを採用したそうだ。

「飲むラムネの清涼感や甘さを錠菓で再現しようとした結果、ぶどう糖に行き着きました。味わいに関しては、口溶けの良さ、食べる前の程良い硬さ、口に入れたときにシュワッとする食感、粉っぽさがない後味を目指しましたね。“いかにして口に入れた瞬間に溶けないように固めるか”が課題でした」

発売当初の「森永ラムネ」。現在のデザインより「飲むラムネ」に近い雰囲気だ


また、「コーラ」や「ストロベリー」など別のフレーバーを展開する際には、味のイメージに近づけるためボトルの色を変更したが、基本的な形を変えることはなかった。次第に“子供のおやつの定番”として広く浸透していったが、それはパッケージのデザイン性によるところが大きかったようだ。

「ボトルに興味を持つお子様が多く、実は“食べる”以外にも多彩な方法で楽しまれています。例えば、いくつか食べるとラムネが容器に当たってカラカラと音が鳴るのですが、食べた数によって音が変わるので、最後まで飽きることなく食べ切ることができます。食べ終わった容器に別のものを入れて、楽器のように遊ぶお子様もいるようです。さらに、森永ラムネはぶどう糖を90%(含水結晶ぶどう糖として)配合しているので、親御さんからは『安心して購入できる』といったお声をいただくなど、評判が良かったです」

「森永ラムネ ストロベリー」。味の違いがわかるようにパッケージの色を変更している


注目のきっかけは「二日酔い」!大人に愛される理由

森永ラムネの誕生からしばらくは子供向けの商品として人気を得ていたが、転機が訪れたのは2013年頃。「お酒を飲むときにぶどう糖を摂ると良い」という情報がSNSを中心に広がり、多くの社会人がぶどう糖に注目し始めた。こうした背景を踏まえ、森永も“二日酔い対策”を訴求した商品開発をスタートしたが、当初はなかなかうまくいかなかったのだとか。

「ラムネにウコンを配合した『ラムネのチカラ』を2015年に発売しました。大人向けということであえて従来のロゴを使わず、森永ラムネのイメージと切り離して発売しましたが、その結果、商品の特徴が伝わらず売場のなかで埋もれてしまいました」

2015年に発売された「ラムネのチカラ」。新たな顧客層を獲得するべく、パッケージデザインを一新したが…。※現在は終売


2015年には「集中したい時にいい」「脳のエネルギー」と、ぶどう糖のさまざまな効能がメディアで取り上げられるようになり、“仕事や勉強のお供にはラムネ”の認識が広がっていった。「2017年にも、大人の女性に向けた『スパークリングラムネ』を発売しましたが、ラムネの力と同様の理由で売上は芳しくなかったです」と話す中原さん。しかし、2018年3月に発売した“大粒ラムネ”によってその状況は一変した。

「大粒ラムネではこれまでの反省を生かして、パッケージにラムネボトルのイラストを差し込み、ブランドロゴを大きく見せ、さらに形を1.5倍に大きくして食べ応えをプラスしました。すると2018年3月の発売後、1カ月足らずで当初の年間販売計画数量を完売して休売に。再販までに半年かかりました。ありがたいことに、森永ラムネは多くの方が認知してくださっているので、ブランドロゴを前に出すことでお客様が安心して購入されることがわかりましたね」

「大粒ラムネ」の発売で、ブランドイメージは大きく変化。通常の森永ラムネより粒が1.5倍大きいので食べ応えがある


また、ボトルタイプから小袋タイプに変更したことでより購入しやすくなったようで、「オフィスにも気軽に置ける」といった声が寄せられた。こうして試行錯誤を経て、昔からなじみあるブランドロゴをあしらうという、ある種の原点回帰で大ヒットに至った。

2017年に発売された「スパークリングラムネ」。女性向けに華やかなパッケージデザインに。※現在は終売


「『集中したい時にはラムネ!』を根付かせたい」

コロナ禍による外出規制でストレスが溜まりやすい状況において、グミやキャンディーといった“食感”が特徴の食べ物が好まれるようになったという。より集中力が問われるリモートワークの普及で森永ラムネは以前にも増して重宝されるようになり、噛み砕くことでリフレッシュできる新商品「バリボリラムネ」が発売されるなど、需要はさらに拡大しているそうだ。

「これまでの商品ではカバーできなかったニーズを獲得するべく、ぶどう糖が入っている強みを生かしながらも商品のバリエーションを増やしました。現在は『集中したい時にはラムネ!』というイメージを強化するために、受験生やビジネスパーソンをはじめ、ここぞの時に集中力を求める人たちに向けた『機能性表示食品』の開発も進めています。今後も多くの人々にとって、集中したいときにラムネが“第1の選択肢”になるように努めてまいります」

「バリボリラムネ グレープ味」。コロナ禍以降、食感を重視した商品が好まれるようになったそうだ


一方で、2022年12月からは「受験生応援キャンペーン」と題して、期間限定で内容量を10%増量するなど、受験生にターゲットを絞ったブランド展開も行っている。そして2023年には、勉強時に使用する「赤シート」をモチーフにした仕掛けを施している。

「赤シート越しに商品パッケージの下部にある文字列を見ると、『きみならできる』『ゆめはかなうよ』などの応援メッセージが浮かび上がります。また、20年ぶりに打ったCMでは、勉強の妨げになるゲームや漫画を赤色で表現していて、主人公がラムネを食べると消えるという演出で“ラムネのベネフィット”をを訴求しています。集中して受験勉強に取り組む学生の皆さんをサポートしていきたいです」

20年ぶりにCMを展開した森永。「2023年は転換の年になりそう」とのこと


ぶどう糖入りラムネのパイオニアとして、小さな子供たちだけでなく、今では現代社会を生きる大人たちまで支えている森永ラムネ。大切な会議がある日や今日は飲むぞ!という日など、「ここぞ!」というときに食べてみては?

取材=福井求(にげば企画)
文=西脇章太(にげば企画)

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