全盛期より98%も利用率が減った「公衆電話」。それでも生き残り続ける理由とは?

東京ウォーカー(全国版)

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「国民全員が持っている」と言っても過言ではない、携帯電話やスマートフォン。総務省の調査によると、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末の世帯保有率は9割を超えているという。いつでもどこでも電話ができ、インターネットに繋いで検索をしたり動画を見たりすることができる、今の時代には欠かせないアイテムだ。

一方、携帯電話の普及率が100%に近づくなかで、減少しつつあるのが「公衆電話」だ。携帯電話が広まる以前の世代にとって、外出先で電話をするために並んだり、長時間話すために電話の前に10円玉を積んだり、ポケベルの返信をするために近くの公衆電話に走ったりなど、特別な思い入れのある人も多いのではないだろうか。

令和の時代、絶滅の危機に瀕しながらも街中で密かに佇んでいる公衆電話は、現在はどのような役割を果たしているのだろうか。今回は、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)広報室の引地優里さんに、公衆電話の現状について話を聞いた。

いざとなった時に役に立つ公衆電話


利用率は98%減少…公衆電話は今どうなっている?

公衆電話が日本で初めて街頭に設置されたのは1900年。上野・新橋の両駅構内の2カ所に設けられたのが最初だ。そこから時代を重ねるごとに設置数は伸びていき、1985年には設置台数が93.5万台と全盛期を迎えた。だが、現在ではその数は減少しているという。

「やはり携帯電話やスマートフォンの普及によって需要が下がり、設置台数を徐々に減らすことになりました。2022年3月時点では全盛期より79.7万台減少し、全国で13.8万台が稼働しています。公衆電話の利用率は20年間で98%減少しました」

緊急通報ボタン(赤いボタン)がある公衆電話


現在、市街地では概ね1キロメートル四方、その他の区域では概ね2キロメートル四方を対象エリアとして、法令に基づいた基準で設置されていることが多いそうだ。そして主要な公共施設や駅前、バス停付近、大規模病院の施設内、商業施設など、各地域の実態に応じて設置が行われている。

ちなみに、今見かけるのは緑色の公衆電話ばかりだが、1982年にテレホンカードが利用できる公衆電話を導入した際にそれまでに普及していた赤色や青色、黄色のコイン式公衆電話に対して、“カードが利用できる電話”であることを容易に識別できるようにするために緑色になったという。

現在の設置理由は「外出時などの“最低限の通信手段”を確保するため」

携帯電話やスマートフォンが普及しているなか、どうして今も公衆電話は設置されているのだろうか。その理由は、「外出時等での最低限の通信手段」を提供するためだという。地震や交通事故など、携帯電話が使えなくなる不慮の事態が起こった際に、連絡手段としての使用が想定されている。

「特に2011年3月11日に起きた東日本大震災以降、災害時における公衆電話の役割が見直されてきています。これを受けてNTT東日本では、災害時の早期通信手段の確保に向け、自治体が指定する避難所を中心に、災害時用公衆電話の事前設置を推進しています」

緊急通報ボタン(赤いボタン)がない公衆電話


日本は地震大国である以上、いつ携帯電話が使用できなくなるかが予想できない。NTT東日本は公式サイトで「はじめての公衆電話キッズページ」という子供向けのページを掲載し、公衆電話の使い方や探し方などを発信している。生まれた頃から携帯電話やスマートフォンが一般的な世代にとって公衆電話は馴染みのないものだが、いざというときのために使い方を知っておくことも重要だ。

今後はさらに削減を予定。でも使い方は覚えておくべし!

現在、公衆電話は緊急時を想定して設置されているが、時代の潮流から需要が激減しているのも事実。さらに、公衆電話の設置基準が緩和されたことにより、NTT東西は公衆電話の削減を決定した。最終的な設置台数を全国で13.8万台から3万台にするそうだ。その理由については、「維持のための費用が必要な一方、携帯電話の普及といった社会環境の変化に伴う効率化のため」と引地さんは話す。

「当社としては災害や故障、道路工事等の外生的な要因による撤去も不可避的に発生することから、そのような場合でも設置基準を下回らないような台数を残ししつ、向こう5年間で予定している全削減台数のうち、約6割を削減するよう計画しています」

グレーのものはデジタル公衆電話になっている


今後さらに削減されるかもしれない公衆電話。昭和や平成の時代に公衆電話に慣れ親しんだ人にとっては、少し寂しいことかもしれない。今だからこそ、公衆電話のボタンを押して懐かしい気分に浸ってみたり、使い方を確認してみてはいかがだろうか。

取材・文=福井求(にげば企画)

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