アイス『爽』のパッケージが“四角い”理由とは?発売当時は「豆腐に見える」という酷評も
東京ウォーカー(全国版)
1999年にロッテから発売された、カップアイス『爽』。他メーカーのアイスと一線を画すようなキレのある味わいが特徴で、アイス本来のなめらかさを十分感じさせながらも、『爽』独自の微細氷によってシャリシャリとした食感を感じることができる。
ほかのカップアイスとは似て非なる唯一無二さで、子供から大人まで広い世代が好む商品だが、何気なく食べているなかでふとした疑問も浮かぶ。『爽』のあの、四角いパッケージである。大半のカップアイスは丸型のカップで商品展開をしているわけだが、どうして『爽』は四角いパッケージを採用したのだろうか?
今回はこの疑問を解消すべく、株式会社ロッテ アイス企画課の渡辺和哉さんに話を聞いた。
「豆腐を販売しているみたい」と酷評もあったパッケージ
まず、前述した疑問について単刀直入に聞いてみた。
「『爽』の微細氷が織りなす口どけの良いアイスは、当時の市場には類似商品がなく、“新感覚の食感”と言えるものでした。これだけ優れた『爽』の味を、どうにかして多くの方々に知っていただきたいと考え、丸いカップアイスが主流のなかであえて四角いパッケージを採用しました。さらに、スーパーなどの店頭の冷蔵庫で『四角いときっちり並べることができるため、見つけやすい』という利点もあると考えたんです。ただ、発売当初の意見は甘くなかったんです。特に取引先の小売店での評価には『豆腐を販売しているみたいに見える』や、微細氷に対して『再凍結したアイスを食べているみたいだ』という厳しい声もありました。しかし、発売から時間が経過するにつれ『爽』の支持が少しずつ高まっていき、『今までにない食感でおいしい』『後味がスッキリしていて口に残らないのが良い』といった前向きな声が増えていき、絶大なご支持をいただくようになっていきました」
今では当たり前のように手に取っている四角いパッケージに、最初は厳しい声もあったという事実が発覚。一方で、発売時の『爽』は滝沢秀明さんを起用したテレビCMを展開し、店頭でも大々的なプロモーション活動を行った。このことでブランドの認知を獲得し、『爽』の味わいの素晴らしさを多くの人が知り、ファンを増やしていったという。
唯一無二の『爽』がヒットした理由とは?
ところで、『爽』のレギュラーフレーバーはバニラと練乳いちごだが、それだけでなく期間限定でさまざまなフレーバーを展開したことも、ブランド力をアップさせた要因だとも思われる。
これまでに40種以上のフレーバーを展開し、どんなフレーバーであっても『爽』本来が持つコク深さ、微細氷によるシャリシャリ感を実現させ、多くの人に“新しいアイスの味”を提供してきた。
白桃、マスカット、メロンなど、アイスとしては定番のフルーツ系フレーバーが多かったが、なかにはジンジャーエール、焼きりんご&バニラ、冷凍みかん、冷凍レモンといったややニッチにも感じるものも。このあたりの遊び心と味わいの表現は四角いパッケージ同様『爽』ならではのもので、“選ぶ楽しさ”も消費者の心を掴んで離さない。
ちなみに、2023年3月時点の期間限定フレーバーは「濃厚生キャラメルinバニラ」と「メロンソーダフロート」の2種。いずれもカップを開けた際の見た目にもこだわり、渦巻き模様になっている。食べる前からわくわくするような仕掛けも、ブランド力アップの要因の1つだろう。
誕生から24年。人々の生活に寄り添うアイスを目指す
1999年の誕生から24年が経過した『爽』。渡辺さんによれば、近年『爽』ブランドでは多くの人に“休暇”を呼びかけ、商品の味わいだけでなく多くの人々の生活により深く寄与していきたいという。
「コロナ禍以降、テレワークをはじめ多様で柔軟な働き方が広まり、昨今ではオン・オフの切り替えが困難になるという課題が表面化しています。そんななか『爽』ブランドでは2022年春より、新コミュニケーションとして『休憩しよう爽しよう♪』という歌と合わせて、世の中に“休憩”の呼びかけを始めました。今後もこれらの活動を広めていくと共に、心身の健康維持や生産性の効率化といった現代社会における課題の一助になれるブランドに成長させたいと思っています。ぜひ、これからの『爽』にもご注目いただき、親しんでいただければ幸いです」
取材・文=松田義人(deco)
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