FP横山光昭の“お金の悩みがなくなる資産形成プラン”。「今度こそお金を貯めたい」人が取り組むべき、最初の5ステップ

東京ウォーカー(全国版)

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これまでに何度も何度もお金を貯めようとしながらも、いつも失敗してきたという人はいないだろうか。「家計再生コンサルタント」として2万件を超える家庭の赤字家計を再生してきたファイナンシャルプランナーの横山光昭さんによれば、「今から自分は変わるんだ!」「これからは月収の2割を貯金する!」というふうに意気込んだ結果、短期間で挫折するケースがよく見られるという。「今度こそお金を貯めたい」人は、お金を貯めるためのステップを無理せず順を追って踏んでいくべきだと語る。

家計再生コンサルタント/株式会社マイエフピー代表取締役・横山光昭さん【撮影=藤巻祐介】


自分の性格とお金グセを振り返り、改善のヒントを得る

最初のステップは「自分のクセや性格を把握して改善のヒントを得るための振り返り」【撮影=藤巻祐介】


お金を貯められるようになるには、最初から無理をするのはNGです。それこそ、「これまでにも貯金をしようと考えたけれど、結局失敗した」という人なら、お金の使い方のどこかに問題があるのですから、それを洗い出すのが先決課題だからです。そうするための方法が、以下の5つのステップです。

【お金を貯めるための最初の5ステップ】<br />①自分の性格とお金グセを知る<br />②無理なくできるお金習慣を考える<br />③今の固定費を疑ってみる<br />④貯金目標とお金以外の行動目標を持つ<br />⑤今、お金を貯められる環境なのか判断する

最初のステップは、「自分の性格とお金グセを知る」です。お金の使い方に限った話ではありませんが、人のクセや性格といったものはよほど意識的に変えようとしなければ簡単に変わるものではありません。

しかも、そういった傾向の多くは、子どものころにはすでに見られるものです。そこで、お小遣いやお年玉、バイト代、給料などをどのように使ったり貯めたりしてきたのか、子どものころから振り返ってみましょう。

ただし、これは自分を責めるためにやるのではありません。「あればあるだけ使ってしまっていたなあ」「大雑把な性格で一度も家計簿をつけたことがない」「完璧主義なところがあって、決めた金額を貯金できないと挫折していた」というふうに、あくまでも自分のクセや性格を把握して改善のヒントを得るための振り返りです。

もちろん、そこから自分を責めるまでいかないにしても、反省をするのはいいでしょう。でも、「今度こそお金を貯めよう!」と考えている時点で少なからずこれまでの自分について反省しているのですから、その気持ちがあれば十分です。

「自分にとって」をキーワードに節約法を考える

「自分にとって無理なくできる習慣」が継続のカギ【撮影=藤巻祐介】


2つ目のステップは、「無理なくできるお金習慣を考える」です。冒頭からお伝えしているように、無理は禁物。人生が続く限りお金とは長くつき合っていくのですから、お金を貯める方法も長く続けられるものでなければ意味がありません。

ですから、ここでのキーワードは、「自分にとって」となります。ステップ①「自分の性格とお金グセを知る」で知った自分の性格やお金グセを考慮しつつ、お金を貯めるために「自分にとって無理なくできる習慣」を考えてみましょう。

私自身もわりと大雑把な人間なので、例えば「1日3食のうち1食は100円以下の節約メニューにする」とか「夜間に稼働していない家電のコンセントは寝る前に抜く」といったことは、「自分にとって無理なくできる習慣」ではありません。そういうことをするくらいなら、もっと大胆な部分での支出カットを考えます。

でも、料理好きな人であれば、100円の節約メニューを作ることや、これまで外食にしていたランチを手作りの弁当にすることだって無理なく実践できるかもしれません。いずれにせよ、お金を貯めるために「これなら続けられる」という自分に合う習慣を見つけていきましょう。

3つ目のステップは、「今の固定費を疑ってみる」です。一般的に変動費と比べて総支出のなかで大きな割合を占める固定費を見直すことは、節約の基本中の基本ともいえます。ただ、ここでも先に解説した「自分にとって」という視点は必要です。

インドアの趣味を持っていて休日も在宅時間が長く、家が大好きという人が家賃を下げて今より狭くて不便も多い住宅に引っ越すとなったら、大きなストレスを感じるでしょう。健全とはいえません。こういう人なら、家賃とは別の部分で支出を抑えることを考えるべきです。

もちろん、その「別の部分」が固定費であれば、より効果的です。今後も定期的に一定額を支払い続けるのが固定費なのですから、月に1000円でも2000円でも削ることができれば、「ちりも積もれば山となる」で大きな節約につながるからです。

そして、その見直しのときには、「疑う」という意識を持ってほしいと思います。高い固定費を払い続けている人には、「携帯代はこれくらいかかるものだ」といった、「これがふつうだ、あたりまえだ」という意識があります。

でも、本当にそうでしょうか?携帯代の場合、かつてであれば3大キャリアに高額の利用料を払うことがまさにふつうであたりまえでした。でも、今はちがいますよね?自分のなかにある「ふつう、あたりまえ」を疑い、固定費を見直してみましょう。

実際にお金を払い、お金の使い方に関する価値観を磨く

「行動目標こそが、貯金に対する強い原動力になってくれる」【撮影=藤巻祐介】


4つ目のステップは、「貯金目標とお金以外の行動目標を持つ」というものです。お金を貯めたい人の多くは、「いくら貯めたい」という具体的な数値目標を持ちます。でも、金額の目標だけを持つことはおすすめしません。なぜなら、「○円貯まったらこうしたい」という行動目標こそが、貯金に対する強い原動力になってくれるからです。

そして、目標金額に達したら、やりたいことを積極的に実践してほしいのです。そうすることで、お金の使い方に対する自分なりの価値観を磨くことになるからです。例えば、自分でお金を払って高級フレンチを食べてみる。そうして、「接客も料理も最高だ」「落ち着いた雰囲気のなかで同行者といい話もできた」というふうに感じられたら、「たまにはこういうお金の使い方をするのもいいな」と、貯金に対してさらに前向きになれるでしょう。

あるいは逆のケースで、「思ったほどいい経験じゃなかった」と感じれば、「こういうお金の使い方は自分には合わないな」と、自分のお金の使い方を見直すことにもなります。自分でお金を使って体験してみないとわからないこともあるのです。

お金を貯めるための最後のステップは、「今、お金を貯められる環境なのか判断する」です。「お金を貯めたい」という人の多くは、「今、お金を貯められていない」ということに焦りを感じています。でも、場合によっては仕方ないというケースもあるのです。

とはいえ、自分を甘やかしていいといいたいわけではありません。クレジットカードで毎月のように支払い能力を超えるような買い物をしているといった状況は、「仕方ない状況」などではありません。こういうケースなら、今すぐにお金の使い方を改善しない限り、今後もお金が貯まることはありません。

一方、まさに仕方ないという状況もあります。子どもが受験を控えていてたくさんの教育費がかかっている、自営業なのに体調を崩してしまって満足に働くことができない――。そのような、お金を貯めたいけれどどうしても貯められないという時期は、長い人生のなかで訪れるものです。そういうときに、「貯めたいのに貯められない」「自分は駄目な人間だ……」なんて自分を責めてしまうと、最悪の場合、心を病んでしまうことにもなりかねません。

そうではなく、冷静に状況を俯瞰してみましょう。その結果、まさに貯めたいけれどどうしても貯められない時期にあたるのであれば、「今はこういう時期だから仕方ない」と現状を受け止めたうえで、「でも、そのなかでも大きな赤字は出さないようにしよう」「子どもの受験が終わったら本格的に貯金を始めよう」というふうに、「今できること」や「これからできること」を考えてほしいと思います。

この記事のひときわ#やくにたつ<br />・自分の性格やお金グセを考慮し、お金を貯めるために「自分にとって無理なくできる習慣」を考える<br />・「○円貯まったらこうしたい」という行動目標こそが、貯金に対する強い原動力になる

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=藤巻祐介

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