湯船で仕事の予習、メイクで考える将来。社会人の日常をユーモア交えた漫画でドラマチックに【作者に聞く】
社会人として働きながら、イラストレーターとしても活動しているアサヒカネコ(
@okenok_333
)さん。日常のふとした瞬間を描いた漫画や、「今日の服の話」と題したコーディネートの記録をSNSに投稿している。アサヒさんに漫画の発想の原点や、服を選ぶときのこだわりなどを聞いてみた。


漫画を描く作業は「生活の中のひとかけらをラッピングして置いておく」みたいなもの
休日に、次の日の仕事の段取りを無意識に考えていることに気付いたとき、気の抜けたおならをしてしまった自分を一考するとき。何気ない日常の一コマを切り取って描き、静かな語り口と、そこにちょっぴりの遊び心が加わった作品が魅力のアサヒさんの漫画。内容はどのように考えているのだろうか。

「自分の経験や、日常の中で考えたことを膨らませて描くことが多いです。社会人1年目のときに、ふと同期の1人から『アサヒは仕事中にあった嫌なことを持って帰って、きれいにラッピングして部屋に置いてそう』と言われたことがありました。知り合って1年も経っていないのに、そんな確度の高い悪口を言われることがあるのかと驚いたんですが、嫌なことに限らず、生活の中のひとかけらを持ち帰りラッピングして置いておくというのは、私が漫画を描く作業とかなり近い気がします」

漫画やイラストの投稿の他にも、その月に読んだ本や聞いた音楽なども投稿しているアサヒさん。創作活動の際にそれらから着想を得たり、刺激を受けたりすることはあるのだろうか。
「イラストを描くときは音楽や小説、映画から直接インスピレーションを受けることも多いです。最近、浴槽でヘッドホンをしてゲームする人のイラストを描いたんですが、これはオリヴィア・ロドリゴの『good 4 u』という曲を聞いたことがきっかけでした。漫画ではそういったことは少ない気がしますが、あとから見返したときに『これはこの前読んだ小説や見た映画の考え方に影響を受けているな』と思うことがあります。描くときには、それがどんな内容だとしても、どこかしらユーモアを入れられるように気を付けています」



