転校生の“メデューサ”、最初の友達は“二口女”…人外たちの穏やかな高校生活に「ずっと読みたくなる漫画」【作者に聞く】
日本の高校に転校してきた女の子、怪物“メデューサ”。彼女が視線を集めたのは怪物だからではなく、「海外生まれ」だったから。人外の存在が当たり前に混ざりあって暮らす世界で、メデューサに話しかけてきたのは、前の席に座る妖怪“二口女”の少女で――。
牧瀬初雲(まきせしょうん)(
@makkyisu1
)さんの創作漫画「転校生メデューサと二口女」は、pixivで7000ブックマーク以上を数える人気作品。読者からは「平和じゃない容姿たちの平和な日常」「新感覚な話」「ずっと読みたくなる漫画」と好評を集めている。ウォーカープラスでは作者の牧瀬さんに、同シリーズの舞台裏をインタビューした。
人外なのは特別じゃない世界の、どこかほっとする青春模様
さまざまな妖怪や亜人種たちが、当たり前に暮らす世界の日本。その中でも、転校してきた“メデューサ”の少女「メディ・ゴルゴーン」はクラスで注目を集めていた。ギリシャ神話に登場する怪物であるメデューサは、日本の人外たちからすれば「外国人」に見えたからだ。

実際にギリシャ生まれなものの、日本での生活の方が長かったメディ。転校続きということもあり、周囲から物珍しく見られることを内心面倒がっていた。もともと人見知りなこともあり、「わざわざ友達作らなくてもいいよね」と思っていたメディ。そんな彼女に後ろの口で話しかけてきたのが、“妖怪二口女”の「二口告」だった。

授業中、後頭部の口で平然と早弁するような奔放な告に、第一印象では苦手なタイプと感じていたメディ。けれど、意外な気遣いや、自分と同じく転校を繰り返してきたという告の人となりを知っていくうちに、だんだんと心の壁がなくなっていく。

放課後、告から「一緒に帰ろ!」と誘われたメディは、迷うことなく「はい」と答え、転校初日にして友達同士になるのだった。
モンスターや妖怪それぞれの特徴を持ちながらも、“どこにでもいるような”高校生たちが織りなす日常を描く同シリーズ。徐々に告以外のクラスメートとも打ち解けていくメディの変化や、夏休みや体育祭といったイベントでの一幕など、人外たちの青春が穏やかな空気でつづられるのが作品の大きな魅力だ。

好きだった妖怪や人外を題材に生まれた個人制作シリーズ
作者の牧瀬初雲さんは、「WebComic アパンダ」および「コミックウォーカー」そして「ニコニコ漫画」上で漫画
『スティアの魔女』
を連載中の漫画家。
「転校生メデューサと二口女」は、同連載がはじまる以前から個人制作としてSNS上で発表し、修正を加えた
総集編
も個人で刊行しているシリーズだ。ウォーカープラスでは牧瀬さんに、本シリーズが生まれたきっかけや、個人制作ならではのポイントについて話を聞いた。

――「転校生メデューサと二口女」シリーズを描き始めたきっかけを教えてください。
「描き始めたのは3年ほど前の2020年ごろです。Twitterなどで定期的に漫画を更新できればいいなと思い、描き始めたのがこのシリーズでした。もともと妖怪や人外などが好きだったので、それらを題材にした作品を描きました」