転校生の“メデューサ”、最初の友達は“二口女”…人外たちの穏やかな高校生活に「ずっと読みたくなる漫画」【作者に聞く】

――大人しいメデューサ「メディ」と社交的な二口女の「告」、二人のキャラクターはどんなところから生まれたのでしょうか?

「お話を作るうえで、対照的な部分が多いキャラクター二人というのはやはりかなり動かしやすい形です。そこで、クールっぽいけどどこか抜けているメディと、明るくて人当たりのいい告というキャラクターが生まれました。

二口女については、この作品より前に『学校で妖怪たちが談笑している』一枚絵を描いていて、その中で描いた二口女を気に入ったので、主人公の一人に選んだ経緯があります。メデューサは、たまたま見かけた別の漫画からインスピレーションを得た感じですね」

――メディと告だけでなく、さまざまな異種族が登場しますが、人外の特徴を活かしつつ、その世界の普通の人々と感じさせるデザインが魅力的です。

「人間離れした容姿を持つ妖怪たちは元の特徴を残しつつ程よく擬人化する、といった風に考えてます。もともと人型の妖怪が意外と多いので、デザインにそこまで苦戦することはありません」

「転校生メデューサと二口女」転校初日編(12)画像提供:牧瀬初雲(@makkyisu1)


――また、異種族が当たり前に混在して日常を送る世界観は一つの核になる部分だと感じます。描くうえで意識している点はありますか?

「こういった作品でテーマとされるのが多いことに『異種族ゆえの身体的特徴の差異』があると思うのですが、あまりそこを描きすぎると結構シビアな方向に話を持っていかれやすいので、僕の描く世界は『みんながお互いの違い』を受け入れているといったような描き方をしています。この作品ではあんまり暗い話は描きたくないので、違うことが当たり前で、体の特徴に触れることはあってもそれがネガティブな話にはいかないようにしています」

――牧瀬さんが本作で特に楽しんで描いているところを教えてください。

「画面作りやキャラを描くというより、キャラクター同士の掛け合いが描いていて楽しいですね」

――2020年から続く同シリーズですが、牧瀬さんは2022年から商業作品『スティアの魔女』の連載もされています。制作上の変化があれば教えてください。

「連載に制作時間を割く分、個人での作品を書く時間がどうしてもより減ってきたのは悩ましいですね。それでも、いくつも連載を持ちながら自分の趣味の作品も描いている人はたくさんいるので、自分も早くそっち側になりたいです。

また、担当編集から受けたアドバイスをはじめ連載の中での学びは、個人の制作にも活かせるので、そうしたつながりができるのはいい収穫です」

取材協力:牧瀬初雲(@makkyisu1)

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