「コミュニケーションは鳴き声に近い?」言語学者・金田一先生がN/S高生にアドバイス!豪華講師陣による特別授業スタート
東京ウォーカー(全国版)
「『世の中のリアル』を伝える」をメインテーマに、学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校・S高等学校の生徒達に向けた「学園生のための特別授業」がスタートした。第1回目は、言語学者の金田一秀穂先生を招き、「日本語大好き!金田一秀穂先生とこれからのコミュニケーションを考えよう」と題して実施。Zoom画面参加者からは熱い質問や相談が飛び交い、大きな盛り上がりを見せた。

僕は恐ろしくダメな高校生だった
金田一先生は、冒頭にて「僕自身は、恐ろしくダメな高校生でした!」と高校時代の体験談を披露。高校では、朝の出席確認のあと、授業をさぼって喫茶店で本を読み、最後のホームルームに間に合うように教室に戻るという毎日を繰り返していたという。また、「努力は報われません!」と宣言。「イチローも大谷翔平も藤井聡太も努力はしていません。一生懸命やりたくておもしろくてやっているんです。もしやりたくないなあと思ったら、やめたほうがいいんです。受験勉強も好きな人がやったらいいんです」と持論を展開した。

コミュニケーションは言葉ではなく、鳴き声に近い
今回の特別授業を行う前に、N/S高生に向けてアンケートを実施すると「語彙力のなさで人とうまく話せない」、「自分の伝えたいことを的確に言葉にできない」など、多数のコミュニケーションの悩みが寄せられた。そんな悩みに対しても、言語学者としての観点からアドバイスする。
「もともとアフリカでは、記号言語が生まれる前は、鳴き声でコミュニケーションをしていました。今でも、通じない言語でコミュニケーションをしている状況をみても、それが恋人同士なのか、もめてるのか、うまくいってるのか、ベテラン夫婦なのかなど、鳴き声のやり取りで関係がわかります。それがコミュニケーションで大切なことです。言葉は大切ですが、皆さんは言葉が通じる通じないで、そんなに悩まなくてもいいのです」
また、進化していく外国語翻訳機のことや知ったかぶりをするAIのこと、生徒が先生や試験の出題者の意図を忖度してしまうような日本の教育の良くない風潮などを、自身の体験などを交えながら、生徒たちに語った。そして最後に、次のようなメッセージで約90分にわたる授業を締めくくった。
「若いときは、ニセモノが魅力的に見えてしまったりもするのです。それを防ぐためにはホンモノを見るようにしてください。ホンモノの文章をよく読むことです。そして、自分に正直な言葉を使えるようになることです」

特別授業後の受講生によるアンケートでは、「人生で1、2位を争うほどおもしろく、タメになりました」、「綺麗事ではなく先生のお言葉で話されていたからか、胸に響きました」と多くのコメントが寄せられた。
特別授業の第2弾は、7月に古谷徹(声優・ナレーター)を招いて実施する。また9月以降も、富野由悠季(アニメーション映画監督)、宮部みゆき(作家)×京極夏彦(作家)、中野信子(脳科学者)など、各分野にわたる豪華講師陣がラインナップ。今後は、学園生向けだけでなく、一般に向けての授業公開も検討中だという。

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