脱マスクで後悔しない肌ケア術!紫外線対策で注目される“細胞(セル)活”って!?

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

強い紫外線を浴びる季節は、肌ケアが重要。特に今年はマスクをとって顔の肌を露出することが増え、今までのスキンケアだけでは十分といえないことも。そこで注目されているのが、細胞(セル)活だ。セル活とは細胞を元気にする活動のことで、肌のお手入れをはじめ美容・健康の分野で注目されている。「人間の体は細胞という小さな粒が集まったもの、37兆個もの細胞でできているといわれています。その一つひとつの細胞を元気にしていかないと、お肌のお手入れを行っても効果が現れにくくなります」と、医師の石原新菜(いしはら にいな) 先生は話す。自身もセル活に取り組む石原先生に、そのメカニズムを聞いた。

新発見!セル活が肌のターンオーバーを整え、 潤いを高めることが明らかに

「医療の現場では、すでに投薬などを細胞レベルで考えています。また、基礎研究の分野では、細胞の中で何が行われているのか、続々と解明されています。基礎研究や臨床研究で得られた知見をもとにして、セル活を行うことが肌ケアにおいても注目されています。肌の不調を感じている健康な女性を対象にした研究(※)では、還元型コエンザイムQ10を経口摂取すると、肌のターンオーバーに作用して、角質層の水分量が増えることがわかりました。還元型コエンザイムQ10は、エネルギー産生を助け細胞を元気にすることがわかっている物質です」(石原先生)
※)守川ら. Jpn Pharmacol Ther (薬理と治療). 51(4):551-62. 2023

還元型コエンザイムQ10を1日100mg摂取した結果



細胞を元気にすれば、皮膚細胞は生まれ変われる!

肌のターンオーバーが整うカギは、表皮の基底層にあるという。「表皮の細胞は基底層で新しく生まれます。その後、下の層から上へ押し上がり、表面の角質層から剥がれ落ちていきます。この周期は個人差があり、一般的には28~56日とされています。基底層において細胞分裂が正常に行われていれば、肌のターンオーバーの乱れは少なくなり、肌の潤いも保たれます。細胞が新しく生まれるにはエネルギーが必要です。エネルギーに満ちあふれた元気な細胞にすることが、紫外線や加齢などにより乱れたターンオーバーを整え、肌の潤いを高めるポイントになります」(石原先生)

皮膚の構造


人間の細胞は日々生まれ変わっている。見た目は変わっていないように見えても、表面にいる皮膚細胞は昨日とは違う。年を経るごとに見た目が変わるのは、その小さな変化の繰り返しから。老けるか、若々しいか、セル活がその分かれ道となりそうだ。

ターンオーバーの乱れ、肌あれ、シミ、しわの原因

肌のターンオーバーの乱れは、さまざまな肌トラブルの原因になる。「ターンオーバーの乱れによって肌のバリア機能が低下し、肌あれを引き起こします。また、メラニン色素の排出が遅れるため、シミの原因になります。さらに、角質層の水分量が低下し、小じわが作られます」(石原先生)

一度作られたシミ、しわを化粧品で改善することは難しい。 インナーケアの主流となるセル活で皮膚の細胞を元気にし、ターンオーバーを整え、肌トラブルを起こさないようにすることが重要なようだ。

加齢とともにターンオーバーは遅くなる。若くても油断禁物!

ターンオーバーは残念ながら加齢とともに遅くなるという。「老年期は、若年期の1.5~2倍ほど遅くなるといわれています。しかし、何歳になっても、細胞を元気にすることで肌のターンオーバーを整えることは可能です。年齢を重ねた人ほど、セル活を行って肌のターンオーバーを整えることが重要になってきます」(石原先生)

また、若年層でも油断は禁物だ。 ターンオーバーの乱れの原因は、細胞のエネルギー不足と酸化ストレス(活性酸素の増加) によることが多いという。紫外線、睡眠不足、疲労の蓄積、不規則な生活などは、細胞のエネルギー不足と酸化ストレスの増加を引き起こし、ターンオーバーを乱す。「若くても肌があれ、シミや小じわが多い人がいます。私のクリニックにも、肌の悩みを抱えて来院する若年層は少なくありません」(石原先生)

人間の細胞ってスゴイ!次々と構造や働きが解明

細胞は24時間働き続けている。皮膚、筋肉、脂肪、骨、内臓……体のパーツはすべて、細胞でできており、それぞれ種類が異なり、役割がある。細胞の中には、遺伝子を格納する核をはじめ、エネルギーを作り出すミトコンドリア、タンパク質の合成を行うリボソームなどといったさまざまな役割を果たす細胞小器官がいくつもある。「セル活」は、働き続ける細胞の手助けをして元気にし、肌のお手入れをはじめ美容・健康の分野で注目されている。

人間の細胞ってスゴイ


細胞を元気にするポイントは、「細胞エネルギー」と「抗酸化」

細胞は、スマホと同じようにエネルギーがないと動かない。ヒトはごはんやパン、肉、魚などを食事から摂り、糖質、脂質、タンパク質といったエネルギー源を獲得する。体内で消化されると、それらは最終的に細胞が使えるエネルギーに変換される。この過程で食事から摂った栄養源から、細胞内のミトコンドリアという小器官が細胞に使えるエネルギー「ATP」に変換している。この細胞エネルギーがセル活に大変重要だが、細胞エネルギーと一緒に活性酸素も発生。活性酸素は増えすぎると細胞にダメージを与えるため、活性酸素を消去してくれる抗酸化物質も必要だ。

「細胞エネルギー」と「抗酸化」に必要な栄養素

細胞を元気にするセル活だが、その基本はエネルギーを十分に獲得することだそう。エネルギーが少なければ、分裂することも物質のやりとりも遅くなってしまう。その細胞エネルギーづくりを助けるのが、還元型コエンザイムQ10だ。また、還元型コエンザイムQ10は抗酸化作用を持ち、活性酸素を直接消去する働きがある。さらに、抗酸化物質であるビタミンEを再生して、間接的にも抗酸化力を高めてくれる。抗酸化物質はたくさんあるが、還元型コエンザイムQ10は「細胞エネルギー」と「抗酸化」の両方をサポートできるのが特徴だ。

【図を見る】セル活を助ける「還元型コエンザイムQ10」とは


還元型コエンザイムQ10は、鳥ハツ、レバー、豚肩肉、牛肩肉、ハマチ、ピーナッツ、ピスタチオなどに多く含まれている。「必要量を食品から摂ることが理想ですが、食事からは1日5mg程しか摂取できないと言われています。食事から還元型コエンザイムQ10を1日で100mg摂取するのは難しいため、サプリメントも積極的に利用してほしいと思います。バランスのよい食事を摂ったうえで、上手にサプリメントで補っていただきたいですね。その他、ビタミンA、C、Eも細胞を元気にする助けとなり、ビタミンエース(ACE)とも言われます。Aはβ-カロテンから作られ、ニンジン、ホウレン草、カボチャなどの野菜、Cは新鮮な果物、Eはアーモンドに豊富に含まれています」(石原先生)

セル活には還元型コエンザイムQ10がおすすめ


細胞のエネルギー産生を高めたり、 抗酸化物質(ビタミンA、C、E、還元型コエンザイムQ10)を補充したら、応用編として、血流促進、細胞の掃除、細胞の保護についてもぜひ実践してみよう。

セル活の応用編


セル活は睡眠の質向上、ストレス・疲労感の軽減にも有効

セル活は美容のためだけではない。細胞のエネルギー不足の状態は、睡眠の質や疲労感にも関わるという。細胞のエネルギー産生に働く、還元型コエンザイムQ10は、睡眠の質の向上・ストレスの軽減・疲労感の軽減に役立つことが証明されている。「セル活はこれからの美容と健康の主流になります。早くから情報を集め、日課に取り入れていきましょう」(石原先生)

■石原新菜先生 プロフィール

石原新菜先生

医師 イシハラクリニック副医院長
ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。健康ソムリエ理事、ロングライフラボ理事。2006年帝京大学医学部卒業。現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員

この記事の画像一覧(全7枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る