旭山動物園・「森の人」を意味するあの動物の身体能力がすごすぎる!
北海道ウォーカー
旭山動物園といえば、動物が本来持つ能力を生かした「行動展示」で有名ですが、オランウータンが暮らす施設の特徴は「高さ」! マレー語で「森の人」を意味するオランウータンは、その名の通り、一生のほとんどを木の上で過ごす動物。
2001年8月にオープンした「空中放飼場」は、高さ17メートルもの塔とジャングルジムのような遊具が配置され、長い腕や強い握力など、樹上の生活に適した彼らの能力を生かせる作りになっているんです。

この鉄塔にかけられたロープを渡るようすは「空中散歩」と呼ばれ、1日に二度行われる「もぐもぐタイム」(飼育スタッフによる動物ガイド)のときに見られるようになっています。

この「空中放飼場」がオープンした時、舎にいたのはメスの「リアン」のみ。翌年の2002年にオスの「ジャック」が来園し、2007年7月に「モリト(オス)」、2015年2月には「モカ(メス)」が生まれ、2017年現在4頭が飼育されています。展示は、「ジャック」、「リアン&モカ」、「モリト」に分かれているので、「オランウータン舎」のそばにあるお知らせ掲示板でチェックしましょう。

ちなみに、オランウータンはメスだけで育児を行うんですが、育児期間は人を除く霊長類で最長! 子供が3歳頃までに離乳し、6歳~9歳頃まで母親と行動をともにするんです。これは群れを作らず、単独性が強いことによるそう。
さて、今年2017年7/30で10歳を迎えるオスの「モリト」。親離れし、成長を続けていますが、お父さんのジャックと比べるとやっぱりまだ子供。

オスの特徴は顔の両ほほにある「フランジ」というでっぱりで、強いオスほど立派な「フランジ」を持ちます。弱いオスは「フランジ」が小さいのですが、強いオスがいなくなると急激に発達することもあるのだとか。お父さんの「ジャック」にも立派な「フランジ」があるので、ぜひ「モリト」と見比べてみてください。「フランジ」はもちろん、体や手の大きさなど、大人のオスの迫力を感じられますよ!


この「モリト」ですが、「空中放飼場」を渡る際、ちょっと変わった行動をとるそう。基本的に、みんなロープにぶら下がって渡るんですが、「モリト」はロープを使わず、鉄柱の上を歩くように移動することがあるんです。毎回ではないんですが、見られたらラッキーかも!?
この「モリト」の妹、「モカ」は現在2歳。ただ、2歳といってもやはり「森の人」! 「空中放飼場」のロープを手で握って足で握って、まるで側転をするような格好で一人遊びを満喫しています。「本当に大丈夫!?」と見ているこっちがドキドキしてしまいますが、大丈夫なんですよねぇ。


ただ、オランウータンは寒さに弱いので、冬になると屋内放飼場のみでの展示になります。とはいえ、屋内施設も高さが7メートルあり、いたるところにロープやハンモックが吊るされているので、屋外同様、身軽にロープを伝って移動するようすを観察できますよ。


人間からしてみると信じられない高さをひょいひょいと移動するオランウータン。その身体能力の凄さを目の前で確かめてみては? 頭上を渡る姿は、圧巻です!
※写真提供:旭川市旭山動物園
【北海道ウォーカー/出村聖子】
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