赤い女に気をつけろ!?彼女は、犯人の彼氏を探していて…ターゲットに選ばれた大学生は?怪談ツイキャス「禍話」がコミカライズ【インタビュー】

東京ウォーカー(全国版)

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大学生の住むマンションの集合ポストに奇妙なビラが入っていた。それは、手書きで書かれた便箋で「赤い女に気をつけてください」という気味の悪いビラだった。本作は、毎週土曜日23時から配信中の怪談ツイキャス「 禍話 」で語られた「赤い女のビラ」を大家(@ksyjkysk)さんがコミカライズした作品である。


ある日、日本語がおかしい気持ち悪いビラが投函されていた!?

赤い女のビラ1画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

赤い女のビラ2画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

大学生の主人公は、バイトに明け暮れていた。バイト帰りに集合ポストから郵便物を取り出すと、一枚のビラが目についた。そこには「赤い女に気をつけてください。インターホンを執拗に押してきたり、ノックを執拗にしてくる全身真っ赤な女性には注意してください」などと書かれている。便箋は手書きで書かれており、漢字やカタカナが混ざっていて、日本語が怪しい。注意喚起にしては気持ちが悪いビラだった。

赤い女のビラ3画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

赤い女のビラ4画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

ビラが投函されていたことを管理人に話すと、集合ポストの近くに「投函禁止」のポスターを貼ってくれたが、それも剥がされ、赤い女に気を付けろというビラは、時折主人公のポストに届いた。

赤い女のビラ5画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

ある日、バイト仲間に気持ち悪いビラの話をすると「マンションを見たい!」と言い出し、ノリで主人公のマンションへ向かうことになった。主人公が自分の住むフロアを指して「あの部屋が俺の部屋で」と下から見上げると、赤い服を着た女が右往左往している。バイトの男性が「ビラの犯人じゃないですか!」と、マンションに向かって走り出した。

赤い女のビラ6画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

慌てて走ったが、フロアにはすでに誰もいなかった。エレベーターは動いていないし、階段を駆け上ってきたので、誰ともすれ違わなかった。そんな奇妙な体験をした。

赤い女のビラ8画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

それからとくに変なことも起きず、バイトが多忙を極めた。ある夜、深夜に帰宅すると隣の玄関に人影を見つける。切れかけた電灯がチカチカと発光する薄暗い暗闇の中から、少しずつこちらに近づいてくるのは、赤い女だった。

赤い女のビラ9画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

それに気づいた主人公は、焦って部屋に入る。すると、すぐさまドンドンドン!とドアを叩く音が。さらに、ピンポンを執拗に連打され、ドアの向こうから「赤い女に気をつけてください。インターホンを執拗に押してきたり、ノックを執拗にしてくる全身真っ赤な女性には注意してください」と、ビラに書かれていたセリフを大きな声で叫んでくる。ビラの続きには「ドアを開けると隠し持っていたナイフで殺されます。どうにかするにはーー」と書かれてあり、それを叫んでいる声を聞いて、主人公は恐れおののく。

禍話ファンのなかでも人気の高い話を凝縮させた一冊

SNSで伝播する令和怪談「禍話」画像提供:(C)原作 かぁなっき・作画 大家/KADOKAWA

オカルト・怪談界隈で大人気の怪談ツイキャス「禍話」は、原作かぁなっきさんの絶妙な語り口で綴られる怖い話。禍話で語られた400以上の怪談のなかから、禍話ファンのなかでも人気の高い「赤い女のビラ」「で、どうする?」「9人いるぅ…!」など11話を「禍話 SNSで伝播する令和怪談」としてコミカライズ化した。今回は、原作者のかぁなっきさんと作画の大家さんに制作のこだわりについて伺った。

ーーコミカライズが決まったときの気持ちをお聞かせください。

かぁなっきさん:とても嬉しかったのですが、同時に「こりゃ生半可なものは作れないな。キッチリしたものを作らないと、今まで話してきたお化けの皆さんに申し訳ないな」と思いました。最初は複数の作家さんで…というアイデアもあったのですが、私から、単独の著者で、出来れば大家さんでやってほしいと無茶なお願いをしました。すでに大家さんが独自に描いてネットで公開していた「アイスの森」「扇風機の家」が素晴らしい出来だったので……了承して頂けて良かったです。

ーー出来上がった漫画を読んで、いかがでしたか?

かぁなっきさん:期待通りというか、それ以上でした。毎回、下書きを読ませて頂いたのですが、そのたびに圧倒されていましたね。とくに「で、どうする?」という話は、禍話には珍しい因果応報の話なのですが、大家さんの表現力で元の話に忠実な流れでありつつも、正直、元より怖い話になったんじゃないでしょうか。「お化けになった友人との距離感」がこんなに自然に表現できるなんて、「とんでもない人だなぁ」と思いました。

ーー本作の見どころをお願いします。

かぁなっきさん:大家さんのスゴイところは、日常→お化けが出現して大変→また日常に戻る、という流れが無理なくスムーズになっているんですよね。この人って、「実話ベースのホラー漫画を描くために生まれた人なんじゃないか」と思っちゃうくらいです(嘘です 笑)。また、各話の登場人物がどこにでもいるような親近感が湧く人物として描かれているんですが、これが絶妙な塩梅なんですよね。クドくもないし淡白でもない、本当に自然な話運びというか…。そういった日常パートは元の話にはなくて、大家さんが作ったものですからね。…大家さん、禍話で商業デビューして良かったんですかね(笑)?

大家さん:「赤い女のビラ」については、本作のキーワードである「赤い女」を特徴的な見た目にせず、あえてどこにでもいるような風貌にしました。「もしかすると自分の近くにも…」と思ってもらえたらいいなと考えました。

ーー注目ポイントを教えてください。

かぁなっきさん:各話のお化けは、大家さんの希望により、ツイキャスで放送した時よりも細かい部分の見た目をお伝えして描いて貰っています。つまり、この漫画版を読んだ方は、体験者と同じ感覚でお化けと遭遇できるわけです!いやぁ、よかったですね、みなさん!

大家さん:読んでいる読者の方に怪異を身近に感じていただけるように、怪異を体験する主人公側の日常風景が伝わるよう描きました。


ネットラジオで語られた話は二次創作OKで、禍話リメイクを制作するファンも多い。今回は、リスナーが想像していた話が具現化され、怖さがよりリアルに体感できる、2人のこだわりが詰め込まれた一冊になっている。

取材協力:かぁなっき(@magabanasi)・大家(@ksyjkysk)

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