自然に触れ、命を学ぶ!ちびっ子向け船上釣りスクールが話題
東京ウォーカー(全国版)
子どもたちが夏休みに入って間もない7月27日、神奈川県・金沢漁港近海を舞台に、釣り用品の「DAIWA」を中心とした総合スポーツメーカーであるグローブライドが主宰するDAIWA YOUNG FISHING CLUB(以下D.Y.F.C)「船釣りスクール in 神奈川県横浜市 金沢漁港」が開催された。

釣りを通して子ども達が自然の豊かさや命の大切さを体感することを目的とする同スクールは、北海道から沖縄まで全国各地で毎月のように実施。基本的な釣り道具は用意されるので、事前の準備はタオルやハサミ、釣った魚を入れるクーラーボックスなどさえそろえれば問題なしだ。
さらにこのスクールでは、プロアングラー(釣り師)やダイワスタッフがコーチとして参加し、初心者から経験者までレベルに応じて子ども達をサポート。そのテクニックを存分に伝授してくれる。
今回のスクールでのフィッシュターゲットはシロギス。春から夏にかけて旬を迎えるこの魚は、この時季、水深3~10mの浅い場所を群れを成して泳ぐため、比較的釣りやすく人気も高い。早朝からお昼にかけて行われた様子をレポート形式でお届けする。
開校式も終わり、いよいよ船で大海原へ

今回のスクールには、小学3年生から高校2年生までの137人が参加。受付開始の6時20分には、既に大勢の子ども達が今か今かと待ちわびていた。
コーチとの記念撮影を終えた後は、スクールの開校式会場へ移動。開校式では、4代目アングラーズアイドルに選ばれ、現在はDAIWA契約スタッフとしても活躍する晴山由梨さんの司会のもと、D.Y.F.Cアンバサダーを務める児島玲子さんや北本茂照氏、宮澤幸則氏をはじめとするプロコーチ陣の紹介、そして今回の釣りに対するワンポイントアドバイスが送られ、子ども達のテンションも次第に上がっていく。
また、釣りには危険も付き物。例えば、アカクラゲや毒を持つゴンズイ、ヒョウモンダコなどがかかった場合にとるべき行動、すぐさまコーチや周りに知らせるなど、注意喚起が徹底されていた。
その他、豪華賞品がもらえる“ビッグフィッシュ賞”や“Wチャンスジャンケン大会”などのおたのしみイベントも用意されていることを知った子ども達は、やる気もがぜん高まっているようだ。
開校式が終わり、全員で集合写真を撮影した後、あらかじめ振り分けられた船へと乗船していく──。

取材撮影陣が同乗した2号船には、小学3年生から中学1年生の男女11人が乗り込み、玉田、宮崎、沙魚川の3人のコーチが指導にあたった。
船は同漁協でシロギス専門船宿を運営する進丸。シロギスを知り尽くした、この道20年の船長川島 正(まさし)さんいわく「去年、一昨年はシロギスバブルと言えるほどたくさん釣れたんだけど、今年はちょっと少ないね。もしかしたら今年は時期がズレてるのかもしれない」と少々心配なコメント。まったく釣れず、子ども達の表情がこの日の天気のようにどんよりしなければいいのだが…。

その頃船上では、コーチが子ども達の竿に仕掛けをセッティング。初めて仕掛けを見る子どもも多いのだろうか?興味津々といった感じで、真剣に説明を聞きながら、その手つきに注目していた。

準備が整い、子ども達を乗せた12隻の船が金沢漁港から15分ほどの釣りポイントに移動開始。船上ではかなりの揺れを感じたのだが、川島 正船長によるとこれでも比較的穏やかだという。船酔いの心配をよそに子ども達は元気いっぱいだ。
開始5分でのファーストヒットに爆釣の予感!

海風が気持ち良いしばしの船旅を楽しみながら、ポイントへ到着。
子ども達は餌のアオイソメを針に付けると早速フィッシングスタート!アオイソメとはミミズと同じ環形(かんけい)動物に分類され、釣り餌の定番として用いられるが少々グロテスク。

なかなかの見てくれに、大人でもちょっと引いてしまいそうだが、子ども達にそんなそぶりは見られない。話を聞いて納得。これまで保護者と一緒に釣りに出かけて何度も目にしているため、抵抗がなかったのだ。“現代の子ども達も捨てたもんじゃない”、それが正直な感想といったところだろうか。
そして竿を投げ入れて約5分。事前の心配をよそに本日のファーストヒットが早速訪れた。


この日、最初に釣り上げたのは宮寺咲綺ちゃん。話を聞くとこのスクールには初参加ながら、普段はお母さんと一緒に進丸で釣りに出かける、れっきとした“釣りガール”。今回、進丸に乗船したのはたまたまだったそうだが、これには本人も船長もびっくりだったとか。そしてこの1匹がまるで合図かのように子ども達の竿に次々とヒットが!これは大漁の予感…。



釣れる度、船上ではコーチを呼ぶ声がこだまする。釣れた魚の針をコーチに外してもらうためなのだが、最初は魚を触るのに怖々していた子ども達も時間が経つにつれて、自ら針を外していく。子どもの成長が感じられる瞬間だ。

入れパックン状態を楽しむ子ども達だったが、ここで“釣りあるある的な”小さなハプニング!…おまつりである。

自分の仕掛け(釣り糸含む)が他の人の仕掛けと絡まってしまうことで、船釣りのように限られたスペースで人が混み合うとたびたび起こる。こんな時もコーチの迅速な対応に事なきを得て、子ども達は次の一投を投げ入れていく。
また、“さすが”という場面にも出くわした。子どもが仕掛けを投げ入れたのだが、思っていたところと少し違ったところに行ってしまった。それを見た宮澤コーチが、「大丈夫。そこで釣れるよ」とのひと声。フォローも迅速と感心して見ていたところ、なんとものの1分ほどで見事にシロギスがフィッシュオン。
これには釣り上げた子どもも驚きを隠せない様子だった。「さすがですね」とコーチに声を掛けると「本当に釣れたの?」と意に介さない宮澤コーチ。またまた、そんなご謙遜を。
宮澤コーチのほんの一瞬の“ニヤリ”とした表情に仕事人の気質を感じずにはいられなかった。

開校式で危険生物として注意のあったアカクラゲ。実際には赤い糸のような触手の部分だったが、これが本当によく釣り糸にかかった。
そんな中、釣り糸についたアカクラゲが子どもの腕に触れてしまう。すぐに海水で患部を流して応急処置を施す沙魚川コーチ。一瞬、緊迫した空気が流れたが、すぐに処置を施したため事なきを得た。
楽しいだけではなく危険も隣り合わせであるということを、身を持って学んだ小暮海音ちゃんだったが、すぐに釣りを再開し、シロギスを釣り上げていた。

子ども達が続々と魚を釣り上げる中、中学1年生の水谷楓くんの竿を強烈なアタリが襲った。その激しい引き、大物の予感…。



釣り上げたのはイシモチという金沢八景周辺の近海で昔からよく釣り上げられる魚。本来、ターゲットとするシロギス(本命)以外の魚=外道(げどう)ということにはなるが、これは嬉しい外道。
サイズを測ってみると31cm。ビッグフィッシュ賞の期待もかかる大物だ。釣り上げた感想を聞くと、「引きが強くてどうしていいか分からずびっくり。ビッグフィッシュ賞が取れるか結果が楽しみ」と笑顔を見せてくれた。
そして時刻もあっという間に11時30分、ということで、実に4時間に及ぶ釣りもタイムアップ。まだまだ釣り飽きないという子ども達だったが、釣竿を収めて金沢漁港へと帰路に着いた。
参加者全員での閉校式、ビッグフィッシュ賞の行方は?
港に続々と釣り船が帰港し、黒山の人だかりに。今回は大きなトラブルもなく無事に釣り体験が終わったということもあり、保護者の方々の安堵感&子ども達の表情も晴れやかだった。
閉校式が始まり、コーチ陣の講評の後はいよいよビッグフィッシュ賞の発表だ。

今回のビッグフィッシュ賞は、7号船・久保弘丸の吉沢 葉くん(小学5年)が釣り上げたホウボウ約40cm。綺麗な背ビレが特徴の魚で、なんと高いものだと1尾5000円もする高級魚!今回釣り上げた約40cmであれば大型のサイズといえる。同じグループの井田倉 颯(はやて)くんと稲葉太羽(たう)くんの3人には、ダイワより豪華賞品が贈られていた。
続いて参加者全員にプレゼントが当たる大抽選会の後に、Wチャンスとなるジャンケン大会が行われた。豪華景品がもらえるジャンケン大会とあって会場のボルテージもヒートアップ!

最後に保護者によるジャンケン大会を行った後、「船釣りスクール in 神奈川県横浜市 金沢漁港」は閉校となった。

アンバサダーを務める児島玲子さんに、このスクールを通して子ども達に何を伝えていきたいのか、その思いを聞いてみた。
「ゴールデンエイジ(9~12歳頃にかけて子どもが急成長する時期)と呼ばれるこの時期に行った遊びは子ども達の心に一生残るそうなので、エサ・生き物とのふれあいや子ども達同士の交流など、釣りを通したさまざまな経験を積んでほしいですね」
確かに今回同船して、真剣に釣りに向き合う子ども達の表情はとても印象的だった。最初は触ることができなかった魚に触れるようになる、子ども達が協力し合いながら釣りに挑む姿など、確かな成長も感じられた。
普段の生活の中では体験できない環境下での作業や遊びなどを通じて、子ども達の感性が磨かれていく。アウトドア派はもちろん、インドア派の家庭にもオススメしたいスクールだ。【ウォーカープラス編集部】
安藤康之
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