初心者でもこれだけは押さえたい。「高配当株投資」で儲けるための投資指標入門
東京ウォーカー(全国版)
「投資をするからにはしっかり利益を挙げたい」。個人投資家であれば誰もが思うことであるが、そのために不可欠なものが勉強だと多くの専門家が口をそろえる。YouTubeチャンネル「【投資家バク】高配当・増配株で目指せFIRE」などで投資情報を発信し、主に「高配当株投資」という手法で資産を築いている「投資家バク」さんも、勉強の重要性を説く専門家のひとりだ。ここでは、投資家バクさんが、「高配当株投資をするうえで絶対に押さえておくべき」だという「投資指標」を解説してもらった。

「EPS」が伸びている企業の株価や配当金は上がっていく
私が実践しているのは、「高配当株投資」というもので、企業が分配する配当金で利益を出す投資手法ですから、そこで重要となるのは投資をする企業の選定です。安定して配当金を出してくれる投資先を見抜けなければ、この投資手法で大きな利益を挙げることは難しくなります。
そんな目を磨くためには、もちろん一定の知識や勉強が必要になります。そうした必要な知識として、ここではいくつかの投資指標について解説しましょう。
高配当株投資で儲けるために押さえておくべき投資指標はいくつかありますが、そのなかでもとくに重要で必ず知っておかなければならないのは、以下の3つです。
【必ず知っておくべき投資指標】<br />①EPS<br />②配当利回り<br />③配当性向
まず押さえておきたいのは、「EPS」です。これは、「Earnings Per Share」の頭文字をとったもので、日本語では「1株あたりの純利益」と訳されます。「1株に対して企業がどれくらいの利益を生み出しているか」を示す指標です。
もっとわかりやすくいえば、「株価や配当金の元になる数字」となるでしょうか。ですから極論をいってしまうと、このEPSが伸びている企業の株価や配当金は、今後上がっていく可能性が高いといえるのです。
「配当利回り」が高ければ高いほど、配当金が多い
続いて紹介するのは、「配当利回り」。計算式は、「配当利回り(%)=1株あたりの年間配当額÷1株購入価格×100」となります。
たとえば、年間の1株あたりの配当金が50円の企業の株式を、株価が1000円のときに購入したとしましょう。そうすると、「50÷1000×100=5」となり、配当利回りは5%です。
この配当利回りは、「購入した株価に対して年間でどれだけの配当を受け取れるか」を示す数値です。配当利回りが5%であれば、100万円を投資すれば5万円の配当金を受け取れるということであり、配当利回りが高ければ高いほど配当金が多いと判断できます。そのため、投資先を選定する際には配当利回りをチェックすることが欠かせません。
しかし、配当利回りの高さだけにつられてしまうのは危険です。いくら配当利回りが高くても、配当金を出してくれなくなれば元も子もありません。そんな企業に投資してしまわないためには、「どれだけの配当金を出せる可能性があるか」ということを押さえる必要があります。
今後の成長を判断するためにも有効な「配当性向」
そこで重要となるのが、3つ目の指標である「配当性向」です。配当性向とは、「企業が、当期純利益のうちどれだけを株主に配当金としたか」を表す指標です。計算式は、「配当性向(%)=1株あたりの配当金÷1株あたりの純利益(EPS)×100」になります。
1株あたりの配当金が50円でEPSが100円だとしたら、「50÷100×100=50」で配当性向は50%。この数字が意味しているのは、企業が挙げた利益のうち50%を株主に配当金として還元するということで、残りの50%は企業の手元に残ります。
しかし、配当性向は高ければ高いほどいいというわけではありません。たとえば配当性向が80%だったとしたら、その企業は利益の実に8割を配当金として株主に還元していることになります。株主としてはありがたいことですが、そこには危険性も潜んでいるのです。
配当性向が80%の場合、利益のうち企業が事業投資や内部留保にまわせるのは残りの20%のみ。その企業の財務に余裕があれば大きな問題にはならないかもしれませんが、株式を買ってもらうために無理な配当をしている可能性もあり、その場合は将来的に減配、あるいは配当金を出さない無配となってしまう可能性もあるのです。
ひとつの目安とすべき数字は、30%というところでしょうか。30%を株主に還元し、残りの70%を使って事業の拡大を図るということであり、今後もまだまだ発展していく見込みがあると推測することができます。あるいは、まだ70%も配当金にまわせる余力があると考えることもできますよね。そうであれば、配当金をすぐに減らしたりなくしたりする企業ではなく、長期的に安定して配当金を出してくれると判断できます。
こうした投資指標を学ぶことのメリットは、「再現性を得られる」ことにあります。SNSの情報などどこかの誰かの勧めに従った結果、たまたま儲けられることはあるかもしれません。でも、「なぜ儲けられたのか」ということがわからなければ、今後も同じように利益を挙げられる可能性は低いでしょう。
「こういった投資指標の企業に投資をしたら、これだけの利益を挙げられた」ということが見えてくれば、同じような投資を続けることでその先も利益を挙げ続けられる可能性が大きく高まるのです。

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹
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