遠足のお弁当にまつわる単行本未収録の話を公開!バッドボーイズ清人が描く家族の物語「おばあちゃんこ」【作者に聞いた】
東京ウォーカー(全国版)

お笑いコンビ・バッドボーイズのボケ担当でおなじみの清人さん。地元・福岡の海沿いの町で過ごした幼少期の日常と家族のことをテーマにした漫画「おばあちゃんこ」を描き始めた。かなり特殊な家庭環境にあって、さらに身体に障碍を抱えながら、幼い清人さんを育てる哲子ばあちゃんがこの物語の主人公。

連載第16回の今回は、前回に引き続き、単行本『おばあちゃんこ』の発売を記念して、本には収録しなかったエピソードを公開します。遠足のお弁当の圧倒的クオリティの低さに悲しい思いをしたというネガティブな過去をいかに乗り越えたか、おおみぞきよとさんに語ってもらいました。
友達と堂々とお弁当を食べられるというのがうれしくて

――もともと、おばあちゃんの作ってくれた遠足のお弁当が、友達のお弁当に比べて内容も見た目も格段に劣る、しかも混入物もあって、ついには友達の輪を離れて一人寂しく食べる、というみじめな思いをされたわけですけど、今回はきよとさん自身が弁当の改善に取り組んだというお話になりますね?
でも僕、結構へこたれてなかったんですよ。10回くらいばあちゃんが作った弁当で悲しい思いをしてからなんです。子どもだから早起きして弁当作りに介入して改善しようというアイデアが思いつかなかったんですよね。さんざんひどい目に遭ってからようやく重い腰を上げたんです。
――「弁当を作るの手伝うよ」っておばあちゃんに伝えたときはどんな反応でしたか?
普通に喜んでました。そこは僕も気を遣いながら伝えたんで。僕がへたに主導権を握ると「なにか文句あるのか!?」みたいな感じになるから。
――おばあちゃんからしたら、目が不自由ななか一生懸命弁当を作ってるのに、否定されたらちょっとイヤですよね。
一回、のり兄ちゃんが「弁当にゴミが入ってた!」って指摘したら、ばあちゃんがめちゃくちゃキレたのを見たことがあるんです。だからなおさら言い方を気をつけて。



――でも小学生の男の子がつまようじとかアルミホイルを駆使して、弁当の品質向上に取り組むってすごいですよね。
屈辱の歴史の中で友達の弁当を研究してきたんですよ。たとえば、キュウリをつまようじに刺しているのを見て、「このおしゃれなのはなんだ⁉」って衝撃を受けて、「円柱っぽいものはつまようじに刺せば見ばえよくなるんだ」ということを学習したり。でも、そういう技というか知恵みたいなものは、「世代間ギャップ」もあったんだと思います。友達の弁当は20代くらいのお母さんが作って、僕のは60くらいのばあちゃんが作っているわけで。ばあちゃんはすぐにサツマイモをご飯に乗っけるんですけど、そんな弁当は誰もいない(笑)。だから変な言い方になりますけど、お母さんでもお姉さんでもいいんですけど、若めの女性がいてくれたらと思ったこともありました。
――きよとさんが手伝ったお弁当が完成した時は達成感がすごかったんじゃないですか?
まず、友達と堂々とお弁当を食べられるというのがうれしくて。しかも「おいしそー!」って言ってもらえたりもしたのでその時は「これはやめられない!」と思いましたね。
――今でも料理はするんですか?
たまにしますが、やっぱり調理よりも盛り付けが好きなんですよね。あの頃ずいぶんお世話になったプチトマトはもちろん、好きでもないのにパプリカも多用して……。色味が全てなんです。ばあちゃんに植え付けられた茶色コンプレックスがいまだにあるんでしょうね(笑)。
遠足のお弁当に苦い思い出がある人は、実は結構いますよね。今回のお話の前日譚は単行本に収録されているので、よかったらぜひそちらもお読みください!

■おおみぞきよと
X(旧Twitter):https://twitter.com/kiyotomanga
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