サックス奏者・小林香織が語る「歌のない音楽の素晴らしさ」
東京ウォーカー
フランス語圏と日本の音楽を通じた長期的な文化交流を促進することを目的に、双方のアーティストが双方の国で共演するプロジェクト“TANDEM”。
今回、ルクセンブルクのトリオ“Dock In Absolute”を迎えて共演する、サックス奏者の小林香織さんにお話を伺った。

――サックスを始めたきっかけは?
高校時代に進路を決める時、勉強せずに大人になる方法を一生懸命考えた末に突然サックスを始めました(笑)。「勉強は苦手でしたし、中学の部活でフルート吹いてたし、自分のキャラに一番合いそう」って(笑)。
――サックスって難しいですよね?
そう思われがちですよね。でも音を出すのは簡単なんです。以前テレビの企画でおぎやはぎの小木博明さんにサックスをお教えした時、1時間半くらいで、ある程度吹けるようになりましたよ。
だから「サックスやってみようかな」と思っていらっしゃる方!いきなりいい音が出なくても、すぐに諦めないでほしいですね。サックスはボーカルに限りなく近い、人間と楽器の中間みたいな不思議な存在です。
――今回の演奏で心がけることは?
実際に会って話してから生まれてくるひらめきや空気感を大切に、彼らの中でさらにいいバランスを取りたいです。私、天秤座なので(笑)。自分の音楽をジャズとは思いませんが、洋服に例えれば、制服という決め事の中でシャツや蝶タイでおしゃれしたりするような自由があるところはジャズ的でおもしろいですね。
彼らの音楽はスーツでキメてる感じのイメージですが、カジュアルもフォーマルも好きな私と、一曲くらいはジーンズとタンクトップみたいな音楽をやっても楽しいかな。普段と違う姿を見てドキっとすることありますよね?

――意外にもまだヨーロッパに行かれたことはないとか。
“TANDEM”は、お互いの国でライブをする企画ということで、私もルクセンブルクでライブをさせてもらえる。一度も行ったことがないのに、写真家の父や友人らを通じて行ったような気になっている私の初ヨーロッパ。(ルクセンブルクの隣国)ベルギーで生まれて米国で有名になったサックスを、小さいころからビートルズやカーペンターズなどの洋楽やユーミン、サザンを聴いて育った日本人の私が演奏する。そこがすでに「コラボ」だといつも思っています。音楽に限らず人間関係すべてが、アンサンブルだと思うんですよ。
――コンサートの聴きどころは?
デビューからずっと「インスト=歌がない音楽ってイイでしょ?退屈でも敷居高くもないでしょ?」って、伝えたいと思ってやってきました。私自身、そんなに敷居の高い生活はしていませんし(笑)。歌がない音楽の素晴らしさを「見に」というよりぜひ「体感」しに来てください!【取材・文=宮本端/撮影=島本絵梨佳】
編集部
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