猛暑が予想される2024年の汗＆ニオイ事情は？近年の傾向と売れ筋の制汗剤について、皮膚科医やメーカー担当者に話を聞いた

2023年は記録的な暑さや、コロナ第5類に伴う「脱マスク」によって制汗剤の売れ行きが好調に。今年も2023年に匹敵するほどの猛暑が予想されることから、汗やニオイケアの対策は必須。そこで今回は、皮膚科医に汗やニオイのトラブルや対処法を、制汗剤メーカーの担当者に制汗剤使用のメリットなどについて話を聞いてみた。

汗やニオイのメカニズムについて皮膚科医に聞いた

近年の患者さんの来院理由や、汗やニオイのメカニズムなどについて、渋谷スクランブル皮膚科院長の下方征(しもかた ただし)先生に話を聞いた。

――患者さんが来院される理由について、近年の傾向を教えてください。
2023年は猛暑で汗をかく機会が増え、あせもやニオイなどのトラブルで来院される方が増えました。また気温が高くなり汗をかきやすくなると、汗の量やニオイが気になって来院される方が多いです。「脱マスク」後は、人と人の距離も近くなっているので、他人のニオイを感じやすい環境になっています。一度他人のニオイが気になりだすと『自分も同じようににおっているかも』と不安に思われる方もいます。

――気温の変化以外に、日常的に汗を気にしたほうがいい場面はありますか？
緊張、ストレスなどから汗をかく「精神性発汗」に気を付けたいです。精神性発汗は、ワキ、手のひら、足の裏など局所的に汗をかき、ワキに関してはニオイが強いのが特徴です。精神性発汗では汗をかいてしまっているとの焦りから、さらに発汗が生じてしまい自身ではコントロールはなかなか難しいです。前もって制汗剤を使用するなどの準備がおすすめです。

――簡単に汗を抑えるには？
自分で簡単に汗を抑えるには制汗剤の使用もおすすめです。制汗剤は細菌や雑菌の増殖を減らす働きがあるため、活用するとよいでしょう。また、ミョウバンには皮膚や血管を収縮させる働きもあるので、汗の量をセーブし、ニオイの根源である汗を抑えることにもつながります。そういった効果から選ぶのもいいと思います。

――なぜ、汗はにおうのでしょうか？
実は、汗自体はもともと無臭です。ところが、汗が汗腺から皮膚の表面に出てきた際、皮膚の表面や毛穴の中にいる雑菌と混じり合うことでニオイが発生します。体のなかでも特に足が匂いやすいのは、足に汗腺がたくさんあるうえに、靴の中は雑菌が発生しやすいためです。

制汗剤を活用するよさとは？

下方先生によると、汗を抑えるには制汗剤もおすすめとのこと。そこで、女性制汗剤の売り上げNo.1のブランド、“直(ジカ)ヌリ”のパイオニアである「デオナチュレ」を製造・販売している株式会社シービック UIマーケティング本部の山口絵里さんに、制汗剤について話を聞いた。
※インテージSRISRI＋直ヌリ制汗剤市場(形状：ロールオン・スティック・クリーム・ジェル・パウダー)2013年5月～2023年4月デオナチュレシリーズ累計販売金額

――「デオナチュレ」は女性制汗剤の売上No.1ブランドということですが、人気のヒミツを教えてください。
人気のポイントとしては、主に以下の2つが挙げられると思います。

1.微細化した焼ミョウバンが汗のニオイを防ぐ
デオナチュレシリーズに含まれる「焼ミョウバン」には、抗菌効果と汗を抑える効果があります。さらに独自技術により「微細化」に成功し、防臭効果が従来の2倍に。有効成分が均一に肌に塗布され、密着することでニオイの主要原因であるアンモニアを防臭してくれます。

2.朝1回で夜まで効果が続く
デオナチュレは「直(ジカ)ヌリ」タイプの制汗デオドラントです。直ヌリすることで有効成分が肌に密着し、汗とニオイを元から防ぎます。また朝1回塗るだけで効果が長時間持続するので、ぬり直す手間がいりません。

――なるほど、焼きミョウバンや効果が長時間持続するところがポイントなんですね。「デオナチュレ」は女性制汗剤カテゴリで10年連続売上1位を記録しているそうですが、そこまでユーザーに信頼を得ているのはなぜだと思われますか？
1つ目は「悩んでいる人にとにかく使って効果を体感してもらう！」ということだと思います。「デオナチュレ」はTVCMを打たず、クチコミを重要視しています。悩んでいる人にとにかく使用体験してもらうのが一番大事だという考えから、ミニサイズを無料でサンプリングし、商品の良さを知ってもらう機会を創出しています。お客様のクチコミに勝る方法はないと思います。悩んでいる人に、ミニサイズや現品を使ってよさを体験してもらい、安心して「デオナチュレ」を手にとってもらえることが大切です。また、メーカー目線の言葉でよさや効果を伝えるより、実際に使った人の声が持つパワーは圧倒的です。徹底してサンプリングすることが、クチコミ醸成の近道だと考えています。

2つ目は、いわゆる「TikTok売れ」です。たとえ小さな声でも一人ひとりのお客様の声に向き合い、その方の悩みを解消したいという思いから作られた製品もあります。それらを実際に使ってよさを実感くださった方の、“もっと早く出会いたかった”、“同じような悩みを持っている人の役に立ちたい”、という想いによる投稿も増えています。また、リアルでは言いづらい汗やニオイの悩みはネットで情報収集をする傾向にあり、匿名のSNSを利用して、X(旧Twitter)やTikTokで多くの投稿や拡散がされました。特に、デオナチュレの「さらさらデオドラントパウダー」は、Xの投稿をきっかけに直近4年間で306％と大幅に伸長。23年は、TikTokで、デオナチュレ「さらさらクリーム」が”1ミリも汗をかかない”と話題になり、157%に伸長しました。

3つ目は、制汗剤とわからない工夫をしたデザインだと考えています。汗・ニオイを抑える効果に加えて、制汗剤っぽくないデザインを評価してくださる声が意外にも多いのです。ニオイに深く悩む人が持っていて恥ずかしくないよう、製品もどこの国かもわからないような異国情緒がありつつ、コスメのような雰囲気もあり、かつイタリアの老舗の薬局で売っているような雰囲気のデザインにすることで、洗面台においても、化粧ポーチに入っていても、人に見られても恥ずかしくない、デオドラントっぽくないものを目指しています。