レストランにカフェ、マルシェ、大型キッズスペースも!下市町に誕生した廃校を活かした体験型複合施設「KIT0」の全貌を大紹介

関西ウォーカー

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土地の8割を山林が占め3つの川が流れる、自然豊かな奈良県下市町。そんな時間が止まったようなノスタルジックな町にある旧下市南小学校が、2024年7月5日に「KITO FOREST MARKET SHIMOICHI」に生まれ変わった。早くもSNSで話題となっている施設に編集部が潜入し、その魅力をレポート!

地元奈良県産の新鮮な野菜・珍しい物品がそろうマルシェ

「KITO」には“木と共に、きっと出会える”という意味が込められる

地域の人々や観光客などとの「縁」をつなぐ施設


施設を手掛けるのは3COINSなどを運営する株式会社パルグループホールディングス。下市町は同社創業者・井上英隆さん(現・取締役相談役)の出身地でもあるという。

「KITO FOREST MARKET SHIMOICHI」は、「もうひと手間を、あそぶ」をコンセプトに、瓦屋根の校舎がかわいい小学校をリノベートした施設。4階建ての施設内には、下市町の魅力を堪能できるさまざまなコンテンツがあり、レストランやカフェ、マルシェ、醸造所をはじめ、コンセプトショップ、吉野の木に「触れて遊ぶ」キッズスペースも!

小学校の見た目はそのままに、すべり台やブランコなどの遊具が整備された校庭は開放されているので、平日は地域の子どもたちが自由に遊びに訪れる。地域内外を問わず、多様な人々がつながる拠点を目指す「KITO FOREST MARKET SHIMOICHI」の姿に、なんだか心がほっこりする。

校舎1階にはマルシェやショップ、レストラン、カフェスタンドが並ぶ。元学校の雰囲気も残しつつ、吉野杉の端材を使ったアートなどで彩られているので、廊下を歩くだけでもワクワクするような空間造りが魅力的。

天井には割り箸を連ねたオブジェが吊り下がる


木材をストックする、「材木倉庫」をイメージした内装の地元食材や加工品を扱うマルシェエリア。下市町や近郊で採れた新鮮な野菜やフルーツ、加工品などを販売し、地域に根付いた商品をそろえる。道の駅のような楽しさに、什器やデザインで統一感と遊び心を掛け合わせ、新しい気づきと出会いのあるマルシェを展開。

KITO オリジナルディップホップ350ミリリットル(右・825円)、KITOオリジナルクラシックブリューレモングラス330ミリリットル(中・990円)、KITO オリジナル苺スムージービール330ミリリットル(左・1320円)

KITOオリジナルの濃厚たまごプリン(各432円)


特におすすめはKITOのオリジナルアイテム。下市の薬草やハーブをふんだんに使ったクラフトビールはさまざまな種類があり、KITO オリジナルディップホップ350ミリリットル(825円)はさわやかでフローラル、そして豊潤な香りが絶品。KITOオリジナルクラシックブリューレモングラス330ミリリットル(990円)は下市町産のレモングラスを原料としたスッキリとした味わいが特徴だ。

KITOオリジナルの濃厚たまごプリン(各432円)は、通常に加え、ほうじ茶、山椒のフレーバーが用意され、ほか季節の素材を活かしたフレーバーが登場することも。奈良県五條市「さかもと養鶏」のコクと甘味がたっぷりの「白鳳卵」をすべてのフレーバーに使用し、とろけるような食感と甘さが格別だ。

生産者・商品の情報が事細かく紹介されている


また、東側の壁には「下市町と周辺地域の生産者を繋ぐMAP」という、主な商品の生産地と生産者情報を示した黒板も。紹介する商品を毎月変更していく予定なので、ぜひチェックしてほしい。

オリジナルブレンドコーヒーやクラフトビールでひと息

校庭から直接入店することもできる

テイクアウトでも楽しめるスイーツやドリンクを販売するカフェ「KITOスタンド」。奈良のスペシャリティーコーヒーの名店「ROKUMEI COFFEE」が手がけた、フルーティーなKITOオリジナルブレンドコーヒーをはじめ、ハーブコーヒーなど地域ならではのコーヒーが楽しめる。

ジェラートはシングル495円、ダブル660円

「ROKUMEI COFFEE」のオリジナルブレンド豆を使用するカフェラテ(550円※イートイン税込価格)


シーズンごとに入れ替わる奈良県内のフルーツや特産品を使ったジェラートも格別! 下市町「中辻農園」のいちごソルベ、吉野町「美吉野醸造」の酒粕甘酒ミルク、奈良県産のすももヨーグルトなど約6種のフレーバーがそろう。シングル495円、ダブル660円と気軽に購入しやすい料金もうれしい。

スタンディングで気軽に利用できる吉野杉のテーブル

イエローカラーのソファが目を惹く


タップから注いでくれる作りたてのクラフトビールも770円〜用意されている。吉野杉を活かしたテーブル、フルーツが描かれた大きなタペストリーを見ながら休憩できるテーブル席などで、ゆっくりと過ごすこともできる。

地産地消の食材を使ったメニュー充実のレストラン&カフェ

奈良県産の食材を使用したピザをはじめ、カジュアルなメニューがそろう

壁の押し花アートの薬草はすべて下市町産


週末になると長蛇の列ができるレストラン「WOOD FIRE DINING」へ。吉野杉の木材だけをふんだんに使用した店内は、薪窯をメインに、杉目が美しい下市町内の木工作家が手掛けた椅子が印象的。さらに下市町を拠点に活動する赤膚焼の作家の焼き物を装飾したカウンターテーブルや、初めましての人とも会話が生まれそうな杉のビッグテーブルがあり、空間全体で奈良・吉野を体感できるようになっている。決して都市部のレストランでは味わえない贅沢で心地いい空間に癒やされながら食事を楽しんで。

カウンター席からは目の前でピザが焼かれるライブ感も

濃厚卵のビスマルク(2000円)


こちらでぜひ堪能したいのが薪窯ピザ。食材のみならず、薪も下市地域で出た杉やヒノキの間伐材を使用するというこだわりぶり。写真の濃厚卵のビスマルク(2000円)は、「さかもと養鶏」の卵が分厚いベーコンに絡むイチオシメニュー。モッチモチの生地とも相性がよく、小麦の香りと味が噛むほどに口の中に広がる。1人でも食べきれるサイズなのもうれしいポイント。

大和肉鶏と下市ハーブのジェノベーゼ(1600円)


モチモチのパスタも人気メニュー。大和肉鶏と下市ハーブのジェノベーゼ(1600円)は、バジルに下市町産の大和当帰を加えたソースで一般的なジェノベーゼよりもパンチの効いた仕上がりに。スーッと鼻を抜けるようなさわやかなハーブと、大和肉鶏のコクと甘味、肉汁が絡み合い、ここでしか味わえないひと皿になっている。

季節のフルーツとイタリア産ブッラータと生ハム(1800円)


季節のフルーツとイタリア産ブッラータと生ハム(1800円)。かわいらしい巾着型のブッラータに、生ハム、フルーツが彩りを添える。下市町産の旬のフルーツなど一つひとつもおいしいが、3つを絡めて食べると旨味が倍増!「WOOD FIRE DINING」でもクラフトビールを生で楽しめるので、ぜひとも合わせてみてほしい。

下市町や近郊で採れた旬の食材を使用するためメニュー内容はシーズン替わり。何度訪れても新しい味が楽しめるのも魅力。

雨の日でも無料で遊べるキッズスペース

広大な体育館を見事に生かした子どもたちのためのプレイルーム

鬼ごっこに大人気という割箸の端材迷路


元体育館も、木を体感できる遊び場「WOOD PARK」に生まれ変わった。段のどこでも読書が楽しめる「本棚遊具」には、絵本や漫画、地域の方々や地元事業者から寄贈された本、百科事典などジャンルレスに本が並び、子どもから大人まで読書が楽しめる。また、割箸を作る際に出る端材を活用した大きな迷路は子どもたちに大人気!

壁際にはベンチも設けられ、「KITO STAND」で購入したドリンクが持ち込みも可能。大人も休みつつ子どもを見守ることができる。

また、開業前の5月5日のこどもの日にアーティストを招き、体育館の前面にこの小学校に通っていた子どもを中心とした小学生たちとコラボしたアートペイントも施されている。

使用される家具が購入できる2階のギャラリー

2階には教室を活かしたギャラリーが並ぶ

レストランなどで実際に使用されている作品もあり


2階には教室を利用したギャラリーが。下市町を中心に吉野地域で活動する職人や作家の作品が展示されていて、吉野杉皮を使った家具や吉野杉の面皮を使ったオブジェ、三宝づくりに用いられる挽き曲げの技術を活かした吉野桧の雑貨など、職人や作家たちが吉野杉や吉野桧に惚れ込んでいるからこそ生まれる作品ばかり。これらは購入できる作品もあるので、お気に入りを探してみるのも楽しい。

また、理科室を使った体験スペースでは、小学校ならではの設備や家具を活かし、果実、薬草、木材といったKITOのメインコンテンツを体感する場所として活用を予定する。ものづくりを通して地元の人々との心を繋ぐ場所にしたいと言う。

ほかにも3階はシェアオフィスとレンタルスペース、4階はパルのオフィスとスタジオ、フリースペースがある。

地産地消にカジュアルに触れられる施設

KITOは「地産地消」に取り組む施設で、レストラン、カフェスタンドでは古市町や奈良県の食材をできる限り使用している。また、木工品づくりが盛んな地域のため、吉野杉を中心に施設に数多く使用し、入口にある施設名のハンギングサインなどはすべて木で、マルシェのレジカウンターや棚、割り箸のオブジェ、カフェ「KITO STAND」のメニュー表やカウンターなども木でできている。

施設のどこをとっても語るべきストーリーがある「KITO forestmarket shimoichi」。子どもも大人も楽しめる施設なので、天川村や黒滝村に行く前に立ち寄るのもいいが、KITOを“目的”に訪れてみるのはいかがだろうか。

取材・文=日高ケータ
撮影=兄弟エレキ 福羅広幸

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