小豆の風味が丸ごと入った赤あん!「御座候」ロングヒットの秘密
関西ウォーカー
客への感謝と職人の誇りをその名に託して、創業以来手焼きを貫く姫路の名菓「御座候」。人気の秘密と知られざる製造工程をご紹介!<※情報は関西ウォーカー(2017年3月21日発売号)より>

「御座候 赤あん」(1個85円)。銅盤で香ばしく焼き上げた生地の中に、あんがぎっしり。小豆の風味を生かしたまろやかな甘さがクセになる。インゲン豆の一種、絹てぼうを使った白あんもあり。
姫路から全国へ
銅盤に流した生地にたっぷりのあん。焼き上がると共に漂う甘い香りに、思わず店先に吸い寄せられる。姫路名物として全国に知られる「御座候」は1950年に創業。初代は佐賀県で回転焼きの製造を始め、5年後に地元に本店を開業した。まだ国産原料が貴重だった当時、北海道産小豆と上白糖をふんだんに使った“本物の味”は、たちまち行列ができる人気に。いつしか客が回転焼きを「御座候」と呼ぶようになったことが、いかにこの味が特別だったかを物語っている。

「御座候」の名は、「お買い上げ賜り、ありがたく御座候」との感謝の意と、「私共が焼いた回転焼きで御座います」という誇りを込めたもの。ホカホカの生地の中には、この一品にかける職人の心意気が詰まっている。
知られざる製造工程を紹介!
味のかなめとなるあんは、契約栽培されるえりすぐりの十勝産小豆を使用し、空調と連動したクリーンルーム内での製あんを実現した工場をはじめ、徹底した品質管理を追求。今も直営での実演販売を貫き、変わらぬ味を守り続けている。

<1>大量のあんを入れる容器を洗浄する。各店にあんを運ぶステンレス製の容器を90℃の熱湯で洗浄したあと、110℃の熱風で乾燥させる。ふたも65℃の熱湯で洗浄。

<2>製あんはコンピュータで火加減を徹底管理。釜に小豆60kgを投入したあと、約1時間半をかけてあんになる。豆を煮る、あんを練る時に最も大切な火加減をコンピュータで管理。

<3>あんの取り扱いは人の手で!あんの粒をつぶさないよう、ポンプは使わず台車で運び自然落下で容器に充填。その後、すぐに粗熱を取り、冷却して店舗へ出荷。

<4>生地は乳製品や卵を使わず、焼き色を付けるための水アメと膨張剤を配合。職人が実演であんを生地に焼き込め、焼きたてを提供。
「御座候」ヒットの裏側
国産原料が貴重だった1955(昭和30)年の開業時の価格は他店の倍の「10円」。全国76店舗で1日に販売されるピーク時の個数「約25万個」は圧巻だ!

小豆を煮る時に煮汁を入れ替える渋切りをせず、素材の風味を丸ごと生かすのがあんの風味の決め手!

練り上げたあんは、余熱で砂糖が焼ける「あん焼け」を防ぐため、プールで粗熱を取ってから冷却する。
「“おいしくて廉い”をモットーに創業以来、実演販売の“魅せる店舗”にこだわり、職人の社内競技会を開催するなど、手焼きの技を磨いています」と、代表取締役専務の山田宗平さん。
■株式会社御座候<住所:兵庫県姫路市阿保甲611-1 電話:079-282-2311 創業:1950年 社長:山田 実 事業内容:御座候(回転焼)の製造・販売など 従業員数:320名(2017年現在)>【関西ウォーカー編集部】
編集部
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