食べて笑ってお代は無料!目黒のさんま祭りで日本の魅力を再発見!
東京ウォーカー(全国版)

毎年恒例の「目黒のさんま祭り」が9月10日(日)、JR目黒駅前で開かれ、多くの人で賑わった。「目黒のさんま祭り」は古典落語の「目黒のさんま」にちなんで、地元の商店街が毎年この時期に開いており、およそ7000匹の焼きさんまが無料で振る舞われる。

その他、生サンマの無料配布、宮古水産高校のさんまのつみれ汁の無料配布などもあり、会場には長蛇の列ができていた。

近隣の品川区立上大崎特別養護老人ホームは無料寄席の会場となり、人気落語家や芸人が参加し、演目「目黒のさんま」など公演も行われた。

実行委員会によると、今年は毎年さんまを提供してくれる岩手県宮古市の水揚げが少なく、北海道で水揚げされたものを宮古市が確保し祭りに届けてくれたそうだ。オープニングセレモニーでは、実行委員長の中崎政和氏が「厳しい状況の中でも、祭りのために毎年さんまを届けてくれる宮古市に感謝の思いでいっぱい。多くの人においしい目黒のサンマを味わってほしい」とコメント。各地のゆるキャラも祭りに駆けつけ、会場を盛り上げた。


祭りの名物である焼きさんまに使われる材料は、各都道府県が自慢の特産品を提供している。岩手県宮古市より新鮮なさんま7000匹。焼きさんまに添えられるすだちは徳島県神山町より芳醇すだち10,000個が届けられた。また、大根おろしは栃木県那須塩原市の辛味大根を使用。

会場に香ばしい香りを漂わせる炭は和歌山県みなべ町の備長炭が使われた。会場を訪れると、各都道府県のブースや幟がたち、日本の魅力を再発見できる。各都道府県の協力があってこその「目黒のさんま祭り」と実感できるのだ。

焼きさんまと共に注目したのが、トレーの上に引かれた立派な熊笹。無料といえども、焼きさんまに四季の風情を添える盛り付けを行なっており、来客者からも高評価だった。
こちらの熊笹、今年で4回目の参加となる岡山県津山市で料理用つま物販売をおこなう「彩音の里」が提供している。1枚1枚丁寧に手洗いし、美しい緑色を損ねることなく新鮮な状態で8000枚の熊笹を届けたそうだ。

「熊笹の葉は、料理に彩りを添えるだけでなく、トレーの熱を防ぐ効果もあり使用されています」と代表を務める赤木力氏。焼きたてのサンマをそのままトレーに置くと熱くて持てないため、熊笹を置くことでさんまの香りを損ねることなく耐熱の効果を補っているそうだ。主役のさんまを支える細部まで、おもてなしの心を感じることができた。

また、すだちやおろし大根と共に盛り付けられる「東京すだち べったら漬」にも注目したい。こちら、東京名産「東京べったら漬」で全国に知られている株式会社東京にいたか屋が提供している。会場でも、威勢のよい掛け声で活気のある男性陣が一際目立っていた。
今年で「目黒のさんま祭り」に10回目の参加となるにいたか屋は、創業80年の老舗漬物店であり、べったら市でも有名だ。祭りでは、1万8000枚の風味豊かなべったら漬(半月切り)を配布した。

この「東京すだち べったら漬」、実は「目黒のさんま祭り」がきっかけで作られた商品だそうだ。隣ですだちを配布している徳島県神山町のすだちを甘いべったら漬に絞って食べたところ美味しく、すだち風味のべったら漬を考案。今では、祭りの名物となり、多くの人からどこで購入できるか質問も殺到しているのだとか。
今回は、駅前会場でブースを設け、試食・物販も行っていた。さんまに添えられたべったら漬は、ほんのり甘くサラダ感覚でさっぱりと食べられ、子供や女性に大人気だった。

今年も多くの人が集まり、都道府県のPR効果も期待できる「目黒のさんま祭り」。毎年、さんまの水揚げ量など不安な声もあるが、天候には恵まれ、各地の特産品の提供もあり無事に開催された。
さんまを通じて、日本各地の魅力を再発見できる祭りとして、これからも末永く続けていってほしい。【ウォーカープラス編集部/しおグル】
しおグル
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