【連載/ウワサの映画 Vol.1】ストレスMAXで働いた、先輩ワーキングウーマンの実話
東海ウォーカー
年間200本以上の映画を鑑賞するライターが、これから公開になる作品をひと足先にレビュー! ジャンルを問わず鑑賞し、これはオススメ!というものを毎週アップしていきます。記念すべき1本目は、逆境にくじけることなく働く女性たちの作品です。
今年のアカデミー賞で作品賞や助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー)にノミネートされ、公開が待ち遠しかった「Hidden Figures」(原題)。なのに、紆余曲折あって落ち付いた邦題が「ドリーム」ですか…。“Figures”には”数字”と”黒人女性たち”の2つの意味が託され、それが”Hidden”=隠れてた・歴史に埋もれてた、っていう原題ですよ!?もう「ラ・ラ・ランド」も「ビリギャル」も「『ドリーム』で」ってなりそうで、なんだかもったいないんだよなー。

まぁ、肝心なのは本編ですからね。ってことで「ドリーム」、人種や性の差別問題を扱いながらも晴れ晴れしい秀作!ユーモアも効いて史実の暗い側面は過剰に重くならず、NASAでの宇宙開発っていう仕事のスペシャル感とのコントラストが冴えるお仕事&歴史エンターテインメントです。

アメリカ初の有人宇宙飛行となった”マーキュリー計画”を陰で支えた、黒人の女性数学者チームの活躍を描く本作。彼女たちが同国の宇宙開発史に大きく貢献したことは、ほとんど知られていません。
1957年のソ連のスプートニク衛星打ち上げにより、核戦争の脅威を背景にした米ソのスペースレースが白熱。ソ連に先を越され続け焦るアメリカは、NASAにこの上ない圧力をかけていきます。
舞台となるのは1960年初頭のヴァージニア州、NASA・ラングレー研究所。”コンピュータ”という言葉が、ロケットの軌跡や再突入の進路など高度な計算を行う主人公たちを指していた時代です(マシンはまだありません)。この州ではまだゴリゴリの人種差別が横行しており、3人のヒロインも逆境の中で働いています。のちにアポロ計画などでも功績を残す主人公キャサリンは数学の天才。黒人女性として初めて白人男性オンリーの花形部署”宇宙特別研究本部”に配属され、私生活ではシングルマザーとして3人の子育て&新たな恋に大忙し。

天下のNASAであろうとも、黒人女性計算グループの仕事環境は劣悪で、見てて辟易しちゃいます。白人上司のいる部屋からは遠く離され、食事をする場所も限られ、給料も白人より少ない。キャサリンが異動になったビルには有色人種用トイレもなく、違うビルまでけっこうな距離を走らされる。1秒も無駄にできないと仕事道具まで抱えてですよ。いくら仕事で貢献しても、黒人だから、女性だからと公然と差別を受ける…。そんな彼女たちが、偉業を成す過程で、自身の”スキル”が切り開く平等への手応えを掴んでいく姿は爽快!ったらありません。

そして、みんな超おしゃれなんです! 知的かつカラフルなファッションやメイクは、もはやヒロインたちの不屈のパワーの一部。「ムーンライト」が映像を特殊加工して伝えた黒人の美しさに、再び、圧倒されました。その「ムーン~」でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリ&恋人役だったジャネール・モネイが本作に揃って出ており、新たな魅力を発揮していますよ。【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作には辛口でクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします! 最近のお気に入りは9月23日公開「ユリゴコロ」の松山ケンイチ!!
おおまえ
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