怪談師・夜馬裕、伊山亮吉が“情報セキュリティ”にまつわる恐怖を語る…異色のイベント「情シスだけが怖い話」潜入リポート
東京ウォーカー(全国版)
企業向けのクラウドセキュリティサービスを開発・販売するHENNGEは、情報セキュリティにまつわるインシデント(事故につながりかねない事態)を“怪談”として披露するイベント「情シスだけが怖い話」を開催。企業の情報システム管理者を対象に、“実話をもとにした4つのケーススタディ怪談”が披露された。
2024年9月12日に神田明神ホール(東京都千代田区)で行われた同イベントでは、ランサムウェア攻撃などの重大なインシデントや、PC紛失、メール誤送信といった身近なヒヤリハットへの啓蒙として、プロの怪談師・夜馬裕さんと伊山亮吉さんが実話をもとにした怪談を披露。
単純なケーススタディではなく、怪談として“恐怖”を追体験することで情シス管理者の危機意識を高め、社内でも共有してもらうことが目的だという。
担当者によると「さまざまなインシデントやヒヤリハットの恐ろしさを痛感した情シスは、他の社員よりもそうしたリスクに敏感になり、発生する前から察知できるようになることが、多くのお話を聞くなかでわかってきました。本イベントでは、こうしたある種の超能力者的なインシデントを霊視できる情シスを“霊シス”と定義。参加した情シスの皆様が“霊シス”になれるよう、“霊シス力”を高めるためのコンテンツを用意しました」とのことで、夜馬裕さんと伊山さんは、それぞれ2本ずつケーススタディ怪談を披露した。
ちなみに夜馬裕さんは、ランサムウェアがテーマの「女幽霊は危機を囁く」と、ディープフェイクを扱った「冥界からの贈り物」という怪談を、伊山さんは地方営業所のセキュリティチェックが題材の「定期調査」と、内部情報漏洩を扱った「疑心暗鬼」という怪談を語り、今回の手応えについては以下のように話してくれた。
【夜馬裕】
怪談で語られる恐怖とは、“未知なるモノ”が理不尽に襲いくる怖さです。それが避け難く、逃れ難いモノであるほど恐ろしい。情報システムの仕事で日々感じる恐怖もまた、怪談と根源は同じ。二つが融合した“霊シス怪談”こそ、最先端の恐怖かもしれません。
【伊山亮吉】
"怖いこと"と一口にいっても、その様相は「根源的に変わらないもの」や「時代とともに形を変えるもの」など、さまざまだと思います。このイベントはまさに100年前には存在し得なかった恐怖の事象を語るものであり、その機会をいただけたことを現代の怪談師としてたいへん光栄に思います。
またイベントの後半では、HENNGEが手掛ける新サービス「Tadrill(タドリル)」の紹介コーナーも展開。こちらは、標的型攻撃メールに対する社内訓練が簡単にできるだけでなく、それによる報告フローの定着化で組織のセキュリティレベルを向上させ、ひいては企業の情報漏洩のリスクを下げる……というところまでを目的に開発されたサービス。
ケーススタディ怪談を聞いた直後ということもあってか、大勢の参加者が「Tadrill」の詳細について熱心に聞き入る姿が印象的だった。
他にも会場では、“みんなで封印する「情シスだけが怖い話(番外編)」”として、壇上では語られなかった珠玉のケーススタディ怪談をいたるところに掲示。参加者には特に怖かったエピソードにお札を貼って封印してもらうという試みで、イベント終了後にはおびただしい量のお札が貼られたボードがずらりと並ぶ、異様な光景も目にすることができた。
さらに参加者全員プレゼントとして「標的型電子郵便対策札」の配布や、危機意識が高まった霊シス同士で語り合う懇親会なども実施され、イベントは大盛況のうちに終了した。
取材・文=ソムタム田井
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