「大阪は地元みたいな感じに」松坂桃李「ユリゴコロ」大阪舞台挨拶
関西ウォーカー
沼田まほかるのベストセラー・ミステリー小説「ユリゴコロ」を吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチを主演に迎え、熊澤尚人監督が映画化。9月23日(土・祝)より公開している。
その公開二日目舞台挨拶が、9月24日(日)大阪・梅田のブルク7にて行われ、上映後に松坂桃李、熊澤尚人監督が登壇した。
上映後の、張り詰めた雰囲気の中、迎えられた2人。松坂は、「舞台挨拶をやることは多いんですけど」と切り出し、「この何とも言えない空気感を味わえるのは、『ユリゴコロ』ならではだなって思う」と第一声。続けて、「大阪での舞台挨拶は、今となってはある種ちょっと地元みたいな感じになりつつある」と述べ、大阪で本作の舞台挨拶ができることの幸福感を味わっていた。
過去パート、現代パートに分かれる本作。松坂は、現代パートを演じたが、あえて過去パートについては観ずに撮影に臨んだという。作品について「どういう内容になっているか、すごく気になっていた」と明かし、「いざ観たら、吉高さんの静かな狂気、松山さんの静かな優しさ、そういったお二人の織りなすコントラストみたいなものが、変な言い方ですが、すごくはかなく、美しく流れていた。それがまた現代パートとつながった時に、静と動というバランスで上手く重なっていたので、すごいなと思った。とても去年撮って、今年撮った感じとは思えないような一本の作品につながっていた」と驚きを隠せない様子。
役作りについては、上映後ということもあり少々のネタバレも可能だということで、「みなさん、もしかするとお気づきかもしれませんが」と前置きした上で、「僕と(過去パートを演じた)松山さんは実は同じような癖をやっているんです」と告白するも、会場からの反応はいまいち。「わからなかった方は、もう一回観ていただければ、『あーっ!もうここから、なるほど!』みたいな発見がある」と述べた。また、過去パートを演じた吉高由里子、現代パートを演じた松坂と木村多江の3人については、全員左利きだといい、そういう部分についても、別々に撮ってはいるものの、「すごくつながりを感じた瞬間というのが、細かく、さり気なく、監督の演出で描かれている。二回目観る時は、そういったところも注目して観ると、より面白いと思う」とアピールした。
演出面について熊澤監督は「一回観て、全部わかった上で頭から観ると、『こんなところでつながっていたんだ』というのがすごくわかる」と述べ、「二回観ると『あっ、この辺からわかってきちゃうんだ、つながってくるんだ』という仕掛けをなるべく沢山作った」と、こだわって作りこんだことを明かした。
舞台挨拶の冒頭で、大阪に地元感が出てきたと述べた松坂。大阪に対する想いを問われると「今まではお邪魔する感覚というか、『宜しくお願いします』という気持ちだったのですが、最近ずっと大阪にいる機会が多く、大阪の方達の空気感をすごく体で感じつつあり、すごくウェルカム感というか、温かく優しい感じを受ける」と述べた。一方熊澤監督は、「すごく親しみがあるし、元気が出る。街を歩いている人を見てもそうだし、どんどん新しくビルが変わっていっているし、すごい勢いで、パワフルだなと思います」と好印象を持っていることを明らかにした。
最後に観客へのメッセージとして、熊澤監督は、「この映画は持ち帰る映画だと思っている」と述べた上で、「観たお友達と話し合ったり、『あの時の桃李君の気持ちはどうだったんだろうね』、『最後の桃李君はどう思っているんだろうね』みたいに話し合ったり、また思っていることを正直に話してもらえるのが、この映画にとって素晴らしいことなんじゃないかなと思っています。是非そんな感じで、楽しんでもらえると嬉しいなと思う」と監督の想いを語った。
そして松坂は、「この作品は観るのもきっとエネルギーをとても使う作品だと思うし、その分終わったあとの余韻も楽しむことができて、それぞれの登場人物の涙の訳だったり、分けられない痛みだったり、そういうことを自分の中で置き換えて考えてみて、自分の『ユリゴコロ』というか、拠り所は何かなとか、自分は拠り所にされている人がいるのかなとか…そういうことに改めて向き合うのもいいかと思う。是非そういうことを考え、触れてみて欲しい」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
【関西ウォーカー編集部/ライター南 華凛】
南 華凛
この記事の画像一覧(全5枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介