2024年の流行語は「多賀城創建1300年」!?“東北限定”流行語大賞を“勝手に始めた”ワケとは

東京ウォーカー(全国版)

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「TAXIめし」「5月の相馬野馬追」「WUG10周年」「白川湖の水没林」、これらの言葉に共通点が見出せるだろうか?答えは2024年の流行語。といっても日本全国のではなく、“東北地方限定”の流行語だ。

Webメディア「TOHOKU360」が主催する東北流行語大賞画像出典:TOHOKU360


Webメディア 「TOHOKU360」 が2018年から主催する、東北地方の一年の流行語を決める「東北流行語大賞」。2024年はX(旧Twitter)上で候補となる語を募集し、その中から編集部が選出した「スーパーカップずんだ味」「ヨーカドー撤退」など全18語がノミネートされた。2024年12月16日、Web投票の結果、「多賀城創建1300年」が東北流行語大賞2024に選ばれた。

撮影当時は復元工事中だった多賀城の「南門」。今年11月、復元が完了した南門が初公開された画像出典: フロッグマン / PIXTA(ピクスタ)


「多賀城創建1300年」は、東北の歴史や文化の中で大きな意味を持つ「多賀城」(現在の宮城県多賀城市に位置)が今年で創建から1300年を迎え、「多賀城創建1300年記念事業」が展開されたことからノミネートされた語。これ以外の語も東北にゆかりのある人ならピンとくる、そうでない人も「この言葉の意味は?ノミネートの理由は?」と気になるものばかりだ。そんな、東北地方限定のユニークな流行語大賞が生まれたワケを、TOHOKU360編集長の安藤歩美さんに訊いた。

「局地的な流行語でも」独自性やおもしろさも選出基準


――はじめに、「東北流行語大賞」を主催する「TOHOKU360」について教えてください。

【安藤歩美】TOHOKU360は、東北6県の住民が自ら“通信員”となって取材・執筆する住民参加型のニュースサイトです。東北にはおもしろい話題や掘り下げるべき課題がたくさんあるのに、それが十分発信されていない。「ならば、住んでいる人自身がニュースを発掘して広く発信できるしくみが作れないか?」というコンセプトから、2016年に始まりました。

【画像】参加型ニュースサイト「TOHOKU360」。東北6県の各地に住む住民の「通信員」と「編集者」が東北の今を発信する画像出典:TOHOKU360


――そのTOHOKU360が「東北流行語大賞」を始めたきっかけは?

【安藤歩美】2017年11月にTOHOKU360が主体となり、仙台のメディアやクリエイターら発信者たちを集めたお祭り「仙台メディアフェスティバル」を開催しました。その中の来場者参加型イベントとして、その年に仙台で流行した言葉を勝手に決める企画「勝手に!仙台流行語大賞2017」を行ったのが始まりです。

イベントがかなり盛り上がって「せっかくなのでWeb上でも参加できる企画に」という声があがり、Webでの投票を呼びかける企画になりました。もともとTOHOKU360は東北のニュースサイトなので、翌年からはWeb中心の企画として東北全域に広げた形で開催することになりました。

前身となった「勝手に!仙台流行語大賞2017」では「おい宮さん」が大賞に画像出典:TOHOKU360


――東北流行語の候補はどうやって選ばれるのですか?

【安藤歩美】最初はイベントの中で候補語を挙げてもらいました。翌年以降はSNS上での募集ですが、「東北メディアフェスティバル」のイベントを開催した年などは、会場の来場者やYouTubeライブ参加者からもノミネート語を募っています。

――ノミネートは募集した語の中から編集部が選定するそうですが、どんな基準で行われるのですか?

【安藤歩美】基本的には地域に対する影響力の大きさや話題性です。局地的な流行語であったとしても、その県の独自性やおもしろさが光る話題、地域を盛り上げるような注目の取り組みはノミネート傾向にあります。難しさとしては、読者のみなさんからの投稿の中から選定しているので、そもそも応募がなかった言葉についてはノミネートすることができません。県によって応募数にばらつきがあり、それがノミネート語の数のばらつきにもつながってしまうのが課題です。

「東北流行語大賞2024」ノミネートワードは18語画像出典:TOHOKU360


――2024年は過去最多の18語がノミネートされました。今年のノミネートを見て感じたことがあれば教えてください。

【安藤歩美】特定のワードの投票数がものすごく伸びて一位を独走する年もあるのですが、今年は複数のワードが競り、最後まで結果がわかりませんでした。人気者のスーパースターがひとりいるというより、地域の景色を誇りに思う気持ちや独創性あふれるエピソードなど、日々の生活に近い言葉が多い年だったかもしれません。

――本賞の今後の展望について教えてください。

【安藤歩美】東北流行語大賞はTOHOKU360の有志ボランティアによる運営で成り立っていて大変ではあるのですが、毎年ノミネート募集の発表をするとSNSで「今年もこの季節がやってきたか」「待ってました」などの声があり、楽しみにしてくださっている方が年々増えてきているのを実感します。運営メンバーにとってはそれがうれしいことです。

最近はSNSで自分の興味のある話題しか流れてこない「フィルターバブル」も問題視されていますが、個人のアルゴリズムや住んでいる地域を超えて「こんなことあったね」とみんなで共有したり笑い合ったりできる、そんな繋がりやきっかけを提供できればうれしいです。

東北流行語大賞2024 読者投票順位

大賞:多賀城創建1300年
2位:スーパーカップずんだ味
3位:ヨーカドー撤退

4位:50-50
5位:TAXIめし
6位:WUG10周年
7位:センダイヘンジ
8位:最後の蘇民祭
9位:5月の相馬野馬追
10位:室井慎次
11位:岩手山と岩木山
12位:尊富士
13位:八戸市美術館の「美」
14位:囲碁世界一
15位:アオモリックキューブ
16位タイ:monaka開業
16位タイ:白川湖の水没林
18位:双子果

TOHOKU360では、ノミネート語の解説やこれまでの東北流行語大賞の振り返り記事も掲載している。東北の“今”を垣間見るはじめの一歩としても興味深い企画だ。

(取材・文:国分洋平)

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