初心者にもおすすめ!熊川哲也さん率いるK-BALLET TOKYOの日髙世菜さんが語る、バレエの代名詞「白鳥の湖」の楽しみ方

東京ウォーカー(全国版)

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世界的バレエダンサーとして知られる熊川哲也さんが主宰するバレエ団「K-BALLET TOKYO」。古典改訂からオリジナルにいたるまで、数々のグランドバレエを立て続けに世に送り出してきた。そんなK-BALLET TOKYOが、2025年春のツアーに選んだ演目は、誰もが知る名作「白鳥の湖」だ。2025年5月10日(土)の東京公演を皮切りに、富山、名古屋、再び東京、そして大阪という全15回の公演を予定している。

そこで今回は「白鳥の湖」で「オデット(白鳥)/オディール(黒鳥)」役を演じるキャストの1人、K-BALLET TOKYOのプリンシパル・日髙世菜さんにインタビューを実施。熊川版「白鳥の湖」のポイントや、日髙さんの役どころ、公演の楽しみ方など、たっぷりと話を伺った。

photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


バレエの代名詞であり、熊川バレエの原点でもある「白鳥の湖」

悠久の歴史を生き抜いてきた不朽の名作「白鳥の湖」。揺るぎなくも奥深い“バレエの代名詞”の魅力を余すところなく描き切り、また現代を生きる古典の新たな可能性をも提示した熊川版は、2003年の誕生以来、K-BALLET TOKYOの躍進と発展を象徴する代表レパートリーとして確たる評価を誇り、今なお進化を遂げ続けている。

そして、今回の公演でオデット/オディールの1人2役を演じるのが、日髙世菜さん。2021年、K-BALLET TOKYOにプリンシパルとして入団し、熊川版「白鳥の湖」でオデット/オディール役を演じるのは、今公演で3回目となる。

(C)Yumiko Inoue


―― 熊川版「白鳥の湖」の特徴を教えていただけますか?

【日髙さん】 「白鳥の湖」は多くのバレエ団が第1幕から開演するのですが、K-BALLET TOKYOでは、第1幕より前のプロローグから始まります。なので、「白鳥の湖」を詳しく知らない人でもストーリーに入り込みやすく、バレエ初心者の方にもおすすめできる公演です。

また、熊川ディレクターの演出では、白鳥のオデットと黒鳥のオディールのコントラストをハッキリと描いています。オデットのゆったりと、そして重みがある悲しそうな振付に対して、オディールは素早く、キレのある振付になっています。そういった違いも楽しんでいただきたいです。

photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


K-BALLET TOKYO伝統の演目「白鳥の湖」の見どころ

―― 今回の公演「白鳥の湖」で、特に注目してもらいたいポイントはどこですか?

【日髙さん】 「白鳥の湖」は、バレエに詳しくない人でも知っている、とても有名な作品だと思います。皆さんがパッと思い浮かべるのは、白鳥の群舞のシーンではないでしょうか?やはりこの演目は、この群舞の美しさが見どころの1つだと思います。

また、個人的には第2幕の、オデットと王子・ジークフリードが惹かれ合う場面が好きです。人間を怖がっているオデットの冷たい心を、ジークフリードが徐々に溶かしていく、その過程が丁寧に描かれているので、そこにも注目していただけたらうれしいです。

―― 日髙さん演じるオデット/オディールの見どころは?

【日髙さん】 オデットは最初、人間に対して心を閉ざしていますが、ジークフリードとの出会いをきっかけに、だんだんと人間に心を開いていきます。のちにジークフリードに裏切られて落胆しますが、最後はジークフリードと寄り添いながら天国で結ばれます。このオデットの心情の変化を踊りで表現するので、そのあたりもぜひ注目していただきたいです。

オディールは男性を誘惑するなど、強気なキャラクター。私は男性を誘惑するなんて絶対にできないのですが(笑)、そんな日常生活ではできないことを役の中で演じられるので、とても楽しいです。この1人2役のコントラストを、技術に頼るのではなく、自分自身も楽しんで魅せられたらと思っています。

photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


―― K-BALLET TOKYOの公演は、舞台セットや衣装も魅力ですよね。

【日髙さん】 そうですね。「白鳥の湖」の舞台セットも、まるで絵本を開いたような「わあ、きれい!」と感じていただけるものになっているかと思います。立体感があって、舞台に吸い込まれてしまいそうになるほどの美しさが魅力ですね。ただ観ているだけでも楽しいので、お子様にもおすすめできる公演です。私が子どものころに熊川ディレクターの舞台を観て感動したように、観たお子様にも憧れられるきっかけにしたいと思っています。

入団時から、プリンシパルであることが決まっていた

―― ところで日髙さんは、K-BALLET TOKYOに“プリンシパルとして”入団されたそうですね。プリンシパルと決まった状態での入団というのはほかにあまり例がない、いわゆる“飛び級”かと思います。そこにプレッシャーはありましたか?

【日髙さん】 もちろんありました。今もずっと心の片隅に、「自分はプリンシパルなんだ!」というプレッシャーはあります。小学生のころから熊川ディレクターのファンで、DVDも何本も持っているほどだったので、憧れのK-BALLET TOKYOにプリンシパルとして入団できたことは、大変光栄に思っています。

photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


―― 以前は海外で活動されていたそうですが、なぜK-BALLET TOKYOに入団することになったのでしょうか?

【日髙さん】 日本で活動したいという想いがもともとあったのですが、バレエ学校が海外だったので、最初はそのまま海外で活動するようになりました。ルーマニアやアメリカのバレエ団で活動したのですが、「いつかは日本でバレエがやりたい」と思っていました。コロナ禍のタイミングで、自分も30歳になるということで、「やるなら今だ!」と思って帰国しました。

日本で入団先を探しているときに、K-BALLET TOKYOのオーディションを受けられることになりました。そこで熊川ディレクターから直接「プリンシパルとして入団してほしい」と打診があったんです。聞いたときはすごくびっくりして、なんだか夢の中にいるような心地でしたね。

photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


公演ごとに異なるキャストも楽しみの1つ

―― 今回の「白鳥の湖」では、そんな日髙さんのほかにも主演を務める方がいらっしゃいます。同じ役を、公演によって異なるダンサーが演じることの魅力を教えていただけますか?

【日髙さん】 今回は、オデット/オディール役とジークフリード役が、それぞれ4人ずつキャスティングされています。熊川ディレクターの演出はベースの指導があったうえで、表現方法はダンサーに委ねられる部分が多いので、ダンサーによって違いはあると思います。ダンサーによって体型や体の使い方がそれぞれ違うので、その違いを楽しまれるのもいいのではないでしょうか。

たとえば、2公演ある名古屋公演のオデット/オディール役は、2025年5月17日(土)が私、18日(日)が飯島望未さんです。私は比較的長身ですが、飯島さんは小柄で可憐な方なので、私とはまた異なった魅力のあるオデットを演じられると思います。

photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


―― K-BALLET TOKYOの「白鳥の湖」名古屋公演は実に12年ぶりだそうですね。

【日髙さん】 そうですね。実は名古屋公演で私が主演を務めるのは、今回の「白鳥の湖」が初めてなんです。名古屋でのカーテンコールに立つのは初めてなので、今からもうワクワクしています!名古屋のお客様がどんな方々なのか、楽しみです。

―― 最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

【日髙さん】 「白鳥の湖」はバレエの王道ですから、観たことがある方も多いかと思います。今回は、「白鳥の湖」を知っている方にも、まだあまり知らない方にも、ぜひ観ていただきたい公演です。K-BALLET TOKYOの公演は、ストーリーの“わかりやすさ”と、作品の世界に一瞬で引き込まれる“没入感”が魅力ですので、バレエ初心者の方も気軽に観に来ていただきたいですね。

―― ありがとうございました!

「Daiwa House PRESENTS 熊川哲也 K-BALLET TOKYO Spring Tour 2025『白鳥の湖』」公演情報

(C)Yumiko Inoue

【東京公演(1回目)/3公演】

開催日:2025年5月10日(土)・11日(日)
会場:東京文化会館 大ホール(東京都台東区)
時間:5月10日(土)は12時30分〜、17時~、11日(日)は13時~(開場は各45分前)
料金:S席 1万7000円、A席 1万3000円、B席 9000円、C席 7000円、D席 5000円、A親子席 1万7000円、学生 4000円、Kプラチナシート 2万1000円

【富山公演/1公演】

開催日:2025年5月14日(水)
会場:オーバード・ホール 大ホール(富山県富山市)
時間:18時30分〜(開場は45分前)
料金:S席 1万5000円、A席 1万2000円、B席 9000円、C席 6000円、U-25 3000円

【名古屋公演/2公演】

開催日:2025年5月17日(土)・18日(日)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール(愛知県名古屋市)
時間:5月17日(土)は15時~、18日(日)は14時~(開場は各45分前)
料金:S席 1万7000円、A席 1万3000円、B席 9000円、C席 7000円、Kプラチナシート 2万1000円

【東京公演(2回目)/6公演】

開催日:2025年5月23日(金)~25日(日)、31日(土)・6月1日(日)
会場:Bunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区)
時間:5月23日(金)・24日(土)、31日(土)は18時30分〜、25日(日)は12時30分~、17時〜、6月1日(日)は13時〜(開場は各30分前)
料金:S席 1万7000円、A席 1万3000円、B席 9000円、C席 7000円、A親子席 1万7000円、学生 4000円、Kプラチナシート 2万1000円

【大阪公演/3公演】

開催日:2025年6月4日(水)・5日(木)
会場:フェスティバルホール(大阪府大阪市)
時間:6月4日(水)は18時30分〜、5日(木)は13時30分~、18時30分~(開場は各60分前)
料金:S席 1万7000円、A席 1万3000円、B席 9000円、C席 7000円、学生 5000円、BOX 2万2000円、バルコニーBOX 2万6000円、Kプラチナシート 2万1000円



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取材・文=民田瑞歩

※2025年2月28日現在の情報です。
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