【万博国際交流プログラムレポート/アフリカ編01】神奈川県横浜市、大阪府東大阪市、神奈川県大磯町とアフリカ各国の交流の様子
東京ウォーカー(全国版)
いよいよ2025年4月13日(日)に開幕が迫る「2025年日本国際博覧会」(通称:大阪・関西万博)。この大阪・関西万博の開催を前に、そこに参加する国や地域との相互理解や国際交流を通じて、地域の課題解決や活性化を図る取り組みを内閣官房が支援する「万博国際交流プログラム」が実施されている。
日本の参加自治体は、地域住民などと交流相手国の万博関係者や出身者との交流事業を通して、万博の理念や共通の課題等への理解を深めるための事前学習を行ってきた。そこで、この記事では「万博国際交流プログラム」を活用した自治体による、アフリカ各国との交流事業をレポート。今回は、神奈川県横浜市、大阪府東大阪市、神奈川県大磯町の取り組みを紹介する。
【神奈川県横浜市✕ガーナ共和国】アフリカと日本の子どもたちの相互交流
神奈川県横浜市では、2024年11月14日~18日にかけて来日した、ガーナ共和国・アチモタ高校の生徒らを「横浜市立南高等学校」に招待。日本の生徒と一緒に、書道の体験や地理の授業参加など、一日学校体験を実施した。


昼食は、横浜で始まったばかりの中学給食「ハマ弁」を体験。午後は、英語授業の中で小グループ2クラスに分かれてグループディスカッションを実施した。自己紹介や趣味、互いの学校生活についてなど軽い話題から、社会問題や環境課題、青年の役割、政治、宗教にいたるまで幅広いテーマで話し合った。また、全校歓迎式典も行われ、南高校の生徒がガーナの生徒を温かく歓迎した。一方、交流に深い感謝を表現するため、アチモタ高校による伝統音楽とダンスの披露も行われた。


2日目は、横浜市を代表する観光スポットや施設を南高校の生徒が案内。横浜が日本を代表する港として発展してきた歴史と港湾経済について学ぶため、「日本丸メモリアルパーク」を訪問した。そのほかにも、都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」に乗車し、空から横浜の中心地「みなとみらい」を眺望。前日に地理の授業で学んだ横浜市の都市計画について、実地で学習内容を確認した。加えて「横浜ワールドポーターズ」や、「カップヌードルミュージアム 横浜」にも訪問。横浜市ならではの観光スポットを、アチモタ高校の学生に紹介することができたようだ。
南高校の生徒にとって、アフリカの同世代と英語でコミュニケーションし、議論し、友人になれたことは大きな自信となっただろう。生徒同士でSNSアカウントの交換も行っていたようで、今後も継続して交流することが期待できそうだ。

南高校の生徒らは、アチモタ高校への往訪を望んでおり、それが実現可能であれば、より学習効果の高い交流にも期待できるはず。万博会場での交流については、在京ガーナ大使館、および同国パビリオン運営事業者と協議しながら内容を詰めているという。さらには万博閉会後も交流を続けていき、近い将来、日本とガーナ共和国の架け橋になりうる人材を輩出していきたいと考えているようだ。
【大阪府東大阪市✕ベナン共和国、タンザニア連合共和国、コートジボワール共和国、ボツワナ共和国】「大阪アフリカビジネスフォーラム2024」「Africa Expo」
大阪府東大阪市では、2024年10月25日に「大阪アフリカビジネスフォーラム2024」を、26日に「Africa Expo」を開催し、ベナン共和国との国際交流を行った。
「大阪アフリカビジネスフォーラム2024」
「大阪アフリカビジネスフォーラム2024」は、アフリカ地域との相互理解や国際交流を通じた地域の活性化、持続可能な共生社会の実現を目指すイベント。アフリカビジネスの現状や文化を紹介することで、東大阪市内の企業を含む関西エリアの企業のアフリカに対する理解を促進し、ビジネス展開の可能性を提示するものだ。

「東大阪市文化創造館」で行われたこのイベントには、市内企業の担当者など309人が参加。54のアフリカ各国国旗がステージを彩るアフリカンパレードに始まり、Nose Yukiyo中小機構中小企業アドバイザー、ウスビ・サコ日本国際博覧会協会副会長/ADNJ理事、諸田いずみUNDP TICADアドバイザーが、アフリカビジネスの魅力や、持続可能な社会を共創する事業の展開事例、国際機関や政府機関による日本企業への具体的なサポートなどについて講演した。

続いて、ブラモー・ネルソン駐日リベリア共和国大使、モーヴェン・M・ルスウェニョ駐日ナミビア共和国大使らによるパネルディスカッションも実施。アフリカを地域ごとに捉えたビジネスの展望、アフリカビジネスに関する日本や世界のサポートを紹介した。

「ADNJ AWARD2024」の授賞式も行われ、アフリカと日本との経済連携構築の促進に貢献された方々が受賞。また、アフリカ5つの地域別交流会と題し、地域ごとの特徴の紹介や、ビジネス展開の際に必要と思われる情報共有、人と人とが実際につながってビジネスへ発展することを促す意見交換会も開催。そのほか、アフリカ各国の大使館、自治体、パートナー機関、スポンサー企業が出展した、展示ブースも設けられた。

「Africa Expo(アフリカをもっと知ろう!)」
2024年10月26日に開催された「Africa Expo」では、東大阪市内の事業者との連携や子ども向けのワークショップなどを通し、在日在外アフリカ関係者と市民、日本企業との直接的な交流の場を提供。相互の理解を図ることに加え、国際交流の推進において、東大阪市の課題である観光振興につなげること、さらにその目的である交流人口の増加と地域経済の活性化を図るために実施され、地域住民など約1万人が参加した。

会場である「花園中央公園」の噴水前広場に特設されたステージでは、アフリカンダンスやミュージックライブを開催。なかでも、日本とアフリカ、それぞれの伝統楽器が交わるコラボレーションライブは一層の盛り上がりを見せた。また、アフリカンファッションショーでは、東大阪市魅力PR大使を務めるタレントのゆうちゃみさん、ゆいちゃみさんが出演したほか、大阪・関西万博の公式キャラクター・ミャクミャクと、東大阪マスコットキャラクター・トライくんが共演。そのステージをランウェイに、アフリカンドレスを身にまとった出演者が闊歩した。

各国大使館による展示ブースでは、ワークショップが実施されたほか、アフリカンフードや雑貨が購入可能なブースも出展。また、子ども向けに、日本の文化体験ができる縁日エリアや、ベナンで人気のスポーツ「ペタンク」の体験ブースなども設けられた。


今回の東大阪市とベナン共和国、タンザニア連合共和国、コートジボワール共和国、ボツワナ共和国を中心とするアフリカ各国との交流においては、各事業を通して、アフリカの現状やビジネス文化について知る機会を創出、相互理解の促進、経済連携を目的としていた。「以前よりも、アフリカへのビジネス展開に熱量のある企業が増えたと感じる」という声も聞かれるなど、一定の成果があったようだ。そして、今回初めて実施されたアフリカ企業による来日視察では、ビジネス文化を実際に体験・体感しながら学び、具体的なマッチングの機会創出につながったことで、参加企業としても高い満足を得られたという。

東大阪市は万博開催期間中、万博会場にて大阪府・大阪市万博推進局が“祭”をテーマに開催する「大阪ウィーク」に自治体として参画予定。「大阪ウィーク」のうち「大阪の祭!~EXPO2025秋の陣~」において、「Africa Expo」で好評だったアフリカ音楽ライブや、アフリカンダンスと樟蔭高等学校ダンス部とのコラボステージなどを検討しているようだ。

【神奈川県大磯町✕ウガンダ共和国】「大磯こどもサミット」
2024年12月21日、神奈川県中郡大磯町にある「大磯プリンスホテル」で行われた「大磯こどもサミット」。ここでは、地域住民500人が参加し、「アフリカ・ウガンダ共和国を知る、触れる」、そして「子どもの権利」をおもなテーマに、基調講演、アフリカンファッションショー、ワークショップ、パネルディスカッション、キッズ&アフリカンダンスなどが行われた。


創作和太鼓集団の「打鼓音(だこおん)」による和太鼓の演舞で幕開けたステージでは、大磯町内のキッズダンススクール「ARTH DANCE COMPANY」「sakurayaキッズダンス」の子どもたちによるダンスパフォーマンスも行われ、会場内のウガンダの方々が歓声を上げながら観覧した。


また、パネルを用いたウガンダ共和国の紹介や、民芸品や加工品などの展示・販売も行われた。さらに、パレオやタンブラーを作るワークショップ、子どもたちが楽しみながらSDGsについて学習できるゲーム体験ブースなども出展された。


「国際交流」と「子どもの権利」を柱に実施された「大磯こどもサミット」には、大磯町内の子ども26人が参画。「大磯こどもサミット行動宣言」では、子どもたちが「自分たちに何ができるか」を主体的に考え、力強い宣言として練り上げた。イベント当日は、ウガンダ共和国大使が参加したことで、大磯町民のウガンダへの共感と、ウガンダ共和国の大磯町への親近感が高まったようだ。


今回参画した26人はもちろん、新たに子どもたちを募って、大阪・関西万博への訪問も計画中。万博閉幕後も、子どもたちが国際感覚に触れ、刺激を得る機会や場をさらに生み出すとともに、ウガンダ共和国との人的交流へとつながるような取り組みを継続する予定だ。
さまざまな国について、さらに知りたいと思ったら万博へ!
ここで紹介した以外にも、「万博国際交流プログラム」を活用して、アフリカ諸国を含むさまざまな国との国際交流を実施した自治体は多数あり、各地でさまざまなイベントが行われた。「大阪・関西万博」は、2025年4月13日(日)〜10月13日(祝)の184日間で開催される。各国の多様な文化に興味を持ったならぜひ万博に足を運んで、さらなる理解を深めてみてはいかがだろうか?
【ウォーカープラス/PR】
この記事の画像一覧(全26枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国1300カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介