トットちゃんの“スタイル”を探しに。横浜で開催中の「GLAM―黒柳徹子、時代を超えるスタイル―」が圧巻すぎた!
東京ウォーカー(全国版)
服の着こなし、暮らしのセンス、一つひとつのアイテムまで。すべてに“黒柳徹子らしさ”が宿る。そんなスタイルをまるごと味わえる展覧会「GLAM―黒柳徹子、時代を超えるスタイル―」が、そごう美術館(横浜駅東口・そごう横浜店6階)で2025年6月29日(日)まで開催中。

女優、司会者、ユニセフ親善大使、そして“トットちゃん”。 肩書きだけでは語りきれない黒柳徹子さんの魅力を、“スタイル”という切り口から立体的に感じられる構成となっている。9章にわたる構成を、テーマごとに見どころをピックアップして紹介していく。
ファッションは、人生そのもの
黒柳徹子のスタイルを語るうえで欠かせないのが、“装い”。

“誰かの喜ぶ顔が見たい”という思いから生まれた彼女のファッションは、テレビの中でも強く印象に残る。『徹子の部屋』『世界ふしぎ発見!』『ザ・ベストテン』『NHK紅白歌合戦』など、出演番組で実際に着用した衣装が一堂に集結。HANAE MORI、ISSEY MIYAKE、JUNKO KOSHINO、COMME des GARÇONS、DOLCE & GABBANAといった、自由な発想をもつデザイナーたちの手がけた服も並ぶ。彼女の装いが、今なお鮮烈に記憶に残る理由がそこにある。



なかでも印象深いのが、ニューヨーク時代に着ていたという赤い振袖。渡米前に母から「これを持っていきなさい」と手渡された一着で、フォーマルな場ではいつもこれを選んでいたという。着物姿が珍しかった当時の5番街では、写真を撮られたり、「帯は枕か?」と尋ねられたりしたというエピソードも微笑ましい。ヘアスタイルも「着物にもドレスにも合う髪型を」とオーダーして生まれたのが、あの“玉ねぎヘア”だった。

そして、徹子スタイルを象徴するもう一つの存在が「白いブラウス」。ニューヨークから帰国後に始まった「13時ショー」では、生放送用衣装をすべて自分で用意していたという。そんななかで活躍したのが、シンプルで映える白いブラウス。“白は一番使いやすく、テレビでもとても映えるの”という本人の言葉通り、数あるコレクションの中から選りすぐりのブラウスを展示。プロジェクションマッピングと組み合わせたインスタレーションとして、さまざまな“白”の魅力を間近で体感できる。


暮らしも、美も、全部“好き”でできている
その世界観は、ファッションにとどまらない。 日々の暮らしの中にも、彼女ならではの美意識と遊び心が息づいている。とくに印象的なのが、「リメイク」のコーナー。着終えた服に再び袖を通すその発想は、ただの再利用にとどまらない。たとえば裾に柄がある着物を上下逆さにして、ドレスとして仕立て直すことで、まったく新しい華やかさが生まれる。工夫とひらめきで生まれ変わった衣装からは、モノを大切にする気持ちと自由な創造力が感じられる。“直す”ことさえ、彼女にとっては創作の一部なのだ。

“綺麗な食器の上に、美味しい食べ物が載っている。そんな光景を目にするとき、当たり前のように美しいものに囲まれることの幸せを実感します”。そう語る黒柳さんは、「趣味はなんですか?」と尋ねられると「食器集めです」と即答するほど。テーブルウェアの展示には、テーブルウェア・フェスティバルにも出展されたコレクションやコーディネートが所狭しと展開されている。中でも本人が大倉陶園にオーダーしたポンパドールピンクの食器を使ったセッティングは圧巻。

さらに、京都の骨董店で出会った犬筥(いぬばこ)や、繊細なガラスのペーパーウェイトなど、彼女が愛してやまない“美しいもの”たちも数多く紹介されてる。どれも個性がきらりと光り、見ているだけで気持ちが華やぐ。エピソードや集めている理由もあわせて取り上げられているので、「こんなふうにして選んだんだ」と思いながら眺めると、より親しみが湧いてくる。

YouTubeの“あの世界”にも会える
2021年7月にスタートしたYouTubeチャンネル「徹子の気まぐれTV」。 本展では、視聴者から大きな反響を呼んだ回の映像とともに、実際に紹介されたアイテムを間近で見ることができる。

普段身につけているアクセサリーや、長年集めてきたお気に入りのアイテムも多く登場。たとえば、細かな文様がモザイクでできていることに驚いて集めるようになったと伝え聞くエピソードのあるモザイクのブローチ。アンティークの帽子や実際に使っていたバッグなども並び、“好き”という感性がそのまま空間を満たしている。

世界中から集めたパンダグッズ、キラキラのアクセサリー、ときめきをくれるデザインの鞄、靴や帽子といった“徹子の好き”が各所にちりばめられ、どの一角からもときめきがじんわり広がる。動画で見た“あのアイテム”に出会えるうれしさとともに、そのセンスに直に触れられるコーナーとなっている。


徹子スタイルを持ち帰る。感性で選ぶミュージアムグッズ
展示を見終えたあとは、ミュージアムショップへ。 第1章のポートレートを大胆にプリントしたTシャツは、モード感がありながら遊び心も効いた一枚。着るだけでコーディネートの主役になれる存在感だ。


本展のメインビジュアルをあしらったクリアファイルや、カラフルな缶に入ったキャンディー、彼女の感性が詰まったビジュアル大図鑑、アクリルスタンド、マグカップなど、眺めているだけで手に取りたくなるようなグッズがそろう。お気に入りを見つけて、自分のスタイルに“徹子エッセンス”をさらりと加えてみて。





“人に何かを伝えること”をテーマに、テレビの向こうから語りかけてきた黒柳徹子さん。この展覧会では、その“語り”を衣装やアイテム、そして空間全体を通して体感できる。“装う”という行為の魅力と奥行きを、じっくり味わえる貴重な機会。唯一無二のセンスと装いに触れた瞬間、きっと誰もが少しだけ、自分らしく“好き”を表現したくなる。その世界に触れるひとときを、横浜で見つけてみて。

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取材・文・撮影=北村康行
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