吉沢亮・横浜流星が涙!『国宝』カンヌ国際映画祭で異例の6分間スタンディングオベーション
東京ウォーカー(全国版)
吉沢亮さんが主演を務め、横浜流星さんが共演する映画『国宝』が、カンヌ国際映画祭監督週間で公式上映され、6分間にわたる割れんばかりのスタンディングオベーションに包まれた。

『国宝』は、吉田修一さんが自身の歌舞伎黒衣としての経験を糧に書き上げた同名小説を、『怒り』の李相日監督が映像化したもの。任侠の世界から歌舞伎の道へと導かれた一人の男が、芸に人生を捧げた50年の軌跡を描く。吉沢亮さんと横浜流星さんが、1年半の歌舞伎稽古を経て臨んだ渾身の作品だ。

李相日監督が明かした、カンヌへの想い
カンヌの地へ到着した際、李相日監督は公式上映に向けての心境を語った。
「日本の伝統芸能を扱っている作品がカンヌに出品されることは、そう多くはない。今の映画界でトップを走っている俳優たちが勢ぞろいして、日本の伝統芸能を題材にした作品に取り組むという、エンターテインメント性と作品性の両方を持っている作品が選出されたのはすごいことだし、どう見られるかがとても気になる。公式上映は、作り手にとっては重圧で、なかなかタフな時間になる」(李相日監督)。
数々の国際映画祭を経験してきた監督だからこその、率直な想いがそこにあった。

820人の観客とともに迎えた公式上映
現地時間5月18日、カンヌの会場には820人の観客が詰めかけた。早朝上映分は発売後すぐに完売となり、本作への期待の高さを物語っていた。公式上映前の舞台挨拶では、吉沢亮さん、横浜流星さん、渡辺謙さん、李相日監督が登場。「監督週間」ディレクター・ジュリアン・レジさんは、本作を「最近ではなかなか見ないメロドラマで、半世紀に及ぶ日本人の歌舞伎役者の半生を描いた作品。歌舞伎役者ではなく、日本の映画界のスターが1年半かけて稽古をし、歌舞伎を再現しつつ、さまざまな人たちに歌舞伎を理解していただけるような映画になっている」と紹介した。



李監督は「歴史あるカンヌ国際映画祭に選ばれたことを、日本のスタッフも他の役者も全員が光栄に思っている。(吉沢さんたちを見ながら)彼らの献身と努力がなければ歌舞伎の映画に真実味を持たせることはできなかったので、彼らとこの場に立てることを非常にうれしく思っている」と喜びを語った。
吉沢さんは「僕と流星が1年半かけて歌舞伎というものと向き合って完成させた作品。皆さまがどのように観てくださるのか不安もあるが、すごく楽しみ」と語り、横浜さんも「日本の伝統芸能を題材にした人間ドラマが皆さまの心にどう届くのか楽しみ」と期待を込めた。渡辺さんは流暢な英語で「二人の才能ある俳優の努力のたまものであるこの映画は、成功を手に入れるはず。私は彼らの献身に心から敬意を払う」と後輩たちへのエールを送った。
その後、4人は会場内で観客と一緒に鑑賞。エンドロールが流れると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。「KIKUO!」という歌舞伎の大向こうさながらの声も上がり、約6分間という異例の長さのスタンディングオベーションが続いた。4人は互いに手を取り合い、高く上げ、満席の観客に感謝を表現した。

「あの光景はこれから先も忘れない」キャスト陣も感極まる

上映後、李相日監督は「最後の最後で、ものすごくちゃんと我々が込めたものがすべて届いている、伝わっているという感触がダイレクトにあって、震えが来る感じがした」と感動と興奮が入り混じる中、想いを述べた。
吉沢さんは「我々がこの作品に込めた熱量をしっかり受け取ってくださって、これだけの盛り上がりを見せてくださり、すごく胸に来るものがあった」、横浜さんも「観終わったあとの鳴りやまない拍手、あの光景はこれから先も忘れないと思う。本当に役者をやっていてよかったなと思える瞬間だった」と涙を滲ませながら語った。渡辺さんは「最後に喜久雄が観た風景を僕らみんなで観させてもらった、そんな気がした。ちょっとやっぱりここ(胸)が震えた」と、作品の世界観と現実が重なり合った特別な瞬間を表現した。4人がロビーを去る際にも、会場からは大きな拍手が起こった。
現地の観客が語った『国宝』の魅力とは?
上映を観た観客からは絶賛の声が相次いだ。「とても美しくて印象に残る映画だった。クライマックスのコントラストがとても美しく、もっと続きを観たいと感じた」、「監督の演出も素晴らしく、すべてが新しい世界だった。歌舞伎について知らなかったが、この映画は歌舞伎と日本文化に対してのいい発見になった」といった声が聞かれた。



ある観客は「映画のリズムのおかげで、私たちも歌舞伎役者になっているような気分で鑑賞でき、素晴らしい3時間の体験だった」と語り、別の観客は「(日本的な)伝統と規律は斬新だった。キャラクターたちの心情や歌舞伎という伝統に思いをはせることで、感情移入しながら観ることができた」とコメントした。


映画『国宝』は2025年6月6日(金)に全国公開される。そして今回、バリアフリー上映も決定。音声ガイド付き上映は「HELLO! MOVIE」アプリを使用すれば、すべての上映劇場で楽しめる。日本語字幕上映も専用機器を通じて対応し、一部劇場では専用メガネ機器の貸し出しも行われ、より多くの人々がこの作品に触れられる環境が整った。世界が認めた感動を、ぜひ劇場で体験してほしい。
映画『国宝』概要
監督:李相日
脚本:奥寺佐渡子
出演:吉沢亮
横浜流星/高畑充希、寺島しのぶ
森七菜、三浦貴大、見上愛、黒川想矢、越山敬達
永瀬正敏
嶋田久作、宮澤エマ、田中泯
渡辺謙
原作:『国宝』吉田修一著(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
配給:東宝
(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会
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