「聞かなくていい悪口が届く世界」ネット上の"炎上"を現実に置き換えて描かれた奇妙な世界【作者インタビュー】
東京ウォーカー(全国版)

炎上狙いで記事を投稿する記者。その投稿が元凶で、今度は自分が過剰なバッシングを浴びることになる。軽い気持ちで書き込まれるSNS界隈の誹謗中傷。それがもしも現実化してみたら?という奇妙な世界を描いた創作漫画、森本大百科(
@mdaihyakka
)さんの「炎上」は、「可視化すると怖い」「誹謗中傷する人に読んで欲しい」などの声とともに3万いいねがつく。昨今のネットリテラシーを問いかける話題作について、本作を描くきっかけなどを森本大百科さんに伺った。
ネット記事に感じた違和感から生まれた作品「炎上」



森本大百科さんは、大阪よしもとに所属するピン芸人でありながら、漫画家としても異彩を放っている。かつては「カバチタレ!」で作画を担当した東風孝広先生のアシスタントを務め、漫画制作の基礎を培った。その経験を活かし、「世にも奇妙な物語×少年ジャンプ+ presents 『奇妙』漫画賞」に応募した作品「炎上」が、最終候補作に選ばれた。
本作「炎上」が生まれたきっかけは、あるネットニュースの記事だったと森本さんは語る。その記事は「人の悪口を聞いて腹が立った」という内容で、悪口を言った人物の名は伏せられていたが、標的にされた人物の名は明示されており、記事を読んだ森本さんは「聞かなくていい悪口が、本人に届いてしまうやんけ」と、その矛盾に違和感を覚え、このストーリーを構想したという。
物語のキャラクター設定について、森本さんは「普段ネット記事で人のことを悪く書いてる男が分かりやすくて、良いフリになるかな」と考え、記者を主人公にしたという。現代のネット社会における匿名性と集団心理の恐怖を、アナログなシーンで表現した点がこの作品の妙である。
現在、森本さんは、芸人として活動しつつ、身近に潜む不気味さをテーマにした漫画の構想を練っている。笑いと恐怖の間を巧みに行き来する、独自の視点が光る作家だ。
取材協力:森本大百科(@mdaihyakka)
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