「退職代行」を使わないとしても『最悪この手がある』と知るだけで、今つらい人の支えになるかもしれない【作者に聞いた】
東京ウォーカー(全国版)

広告代理店の営業部に所属する2年目の幸田は、営業成績が振るわず、契約を一度も取ったことがない。成績不振から本来の業務とは無関係な雑用を任され、パワハラ上司のもとで消耗する日々。限界を感じて退職届を提出するも受理されず、さらには社員の前で晒し者にされた。
漫画家・古河コビー(@furuCoby)さんの『退職代行切金さん〜社畜の非常口はこちらです〜』は、そんな"辞められない"現実に苦しむ人たちに向けて描かれた。作中では、主人公・幸田が絶望の中で出会った"退職代行を請け負う弁護士・切金"が、法の力で現状を切り拓いていく。



企画のきっかけは、古河さんが別作品でなかなか連載が通らないなか、マンガボックスの編集者から声がかかったこと。「法律知識もなく、会社員時代のつらかった記憶もよみがえって、当初は気が進まなかった」と明かす。しかし、主人公・切金のキャラクターが固まってからは、制作が一気に前向きになったという。
退職代行業者と弁護士の違いにも取材を重ね、最終的に"弁護士"を主人公に設定。「難しい案件を一人で完結できる」「敵と直接対峙できる」などの理由で、よりリアルなスカッと展開を可能にした。実際、作中では労働トラブルに対し、法律の専門家ならではの解決が描かれており、監修も弁護士が担当している。
制作時にこだわったのは「辞めたくても辞められない理由を共感できる形で描くこと」。世間から弱いと誤解されがちな退職代行利用者だが、実際には「真面目で逃げられない人が多い」と伝えたいという。キャラの性格が一目で伝わるよう、デザインにも細やかな配慮がなされている。
「どれだけ重い悩みを抱えていても、切金さんなら『絶対大丈夫』と明るく言ってくれる。そんな存在に出会えることで、心が少しでも軽くなってくれたら」と古河さんは語る。「退職代行を使わないとしても、『最悪この手がある』と知るだけで、今つらい人の支えになるかもしれない」と、作品に込めた想いを明かした。
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取材協力:古河コビー(@furuCoby)
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