【ホラー】日常に潜む“人ならざる者”…開けてしまった禁断の箱が招く、予測不能な怪異→結末にゾク…【作者に聞く】

2025年6月8日

東京ウォーカー（全国版）

子どもの頃から絵を描くことに情熱を注いできた漫画家の紫咲甘藍さん(@hitsuji_kanran)は、Xを中心に作品を発表している。2024年1月には短編ホラー『怪逅』を投稿し、大きな話題を呼んだ。この作品では、女子生徒が語る3つの恐ろしい話が登場し、どれも想定外の展開と異質な妖怪の登場で読者をゾッとさせる。今回は、この作品が誕生した理由や制作の裏側について、紫咲甘藍さんに話を聞いた。

【漫画】本編を読む

「もしかしたら自分の周りにも…」身近な恐怖を追求

『怪逅』の誕生について、紫咲さんは「とにかく自分の好きなようにホラー漫画を描こう！というところから始まった」と語る。心霊スポットや降霊術といった特別な体験ではなく、「ごく普通の生活を送る中で出合ってしまう『身近な恐怖』が好きなホラーテーマの一つだった」と明かす。そのため、「読んでくれた読者が『もしかしたら自分の周りにもいるかもしれない…』って思ってもらえるような雰囲気や世界観を出そうと思って制作した」という。

「箱」の怪談話では、持ち主の身体にも箱の中身が入ったような描写があるが、その後の展開を尋ねると、紫咲さんは「おそらく“箱の中身”はまた箱の中に戻っていると思う。あれは家に憑く類のものなので、きっと今もあの家に居座り続けていると思う。中身に入られた人たちがどうなったかはわからない」と、読者の想像を掻き立てる回答をした。

紫咲さん自身の怖い体験については、「私自身は霊感がまったくないので、残念ながら体験したことはないです」とのこと。しかし、通っていた高校がそうした噂のある学校だったため、「夜の見回り中に調理室のドアがひとりでに開いた」とか、「放課後の補習中に、その場にいた生徒ではない誰かの『…先生』と呼ぶ声が聞こえた」といった、先生たちの体験談を聞いたことがあるそうだ。「そんな体験してみたかった…」と、ホラー作家らしい興味を示した。

最後に読者へのメッセージとして、「私の漫画を読んでくれた方、知ってくれた方、“人ではないナニカ”って意外と身近にいるもので、例えば古いトンネルの先とか、例えば昔よく遊んでいた公園とか、例えば…これを読んでるあなたの隣とか…そんな風に思っていただけたらうれしいです。またどこかで漫画や名前をお見かけしましたら、よろしくお願いします！」と、自身の作品のテーマである“身近な恐怖”を読者に問いかけた。

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