祖母の介護→「漏らした床を拭く毎日」ヤングケアラーが直面した現実…躁うつ病と闘う半生とは【作者に聞く】

書評ライターで連句人の高松霞さん(@kasumi_tkmt)は、「中学校2年生から高校1年生までのはっきりした記憶がない」と語る。家族の不幸に追い詰められ、躁うつ病を発症した日々を、心情に寄り添う俳句とともに漫画化。作画は、柔らかなタッチが魅力の漫画家・桜田洋さん(@sakurada_you)が担当している。

今回は、高松さんを取り巻く過酷な家族の状況と、躁うつ病発覚当時のエピソードを届ける。

「これが普通」…ヤングケアラーの経験と作者の思い

高松さんが本作で最も伝えたいのは、「私の生まれ育ちを書こう」という気持ちだという。在宅介護やヤングケアラーとして、「これが普通の生活だ」「泣き言を言ってはダメだ」と信じて生きてきたが、主治医に「それは違う」と諭され初めて真実を知ったと明かす。「みんなそれぞれの地獄で生きているよね、ということが言いたかったのかもしれない」と語る。

漫画化されたことについては、「綺麗！なるほど！すごい！」と喜び、桜田洋さんの作画が「想像以上の作品」に昇華させたと感謝した。「私の生きてきた道が肯定されるような感覚があった」という。

挿入俳句は友人たちが候補を挙げ、高松さんが選んだものだ。「人間を……」の句は特に印象的で、その選定の経緯も明かしている。

霊感はないが、ホラーが好きで描いているという高松さん。作品の注目ポイントは、「各話がどう繋がっているのか想像すると楽しい」点だ。人とは異なる視点で眺めた世界と、心に染み入る俳句が織りなす情景を味わってほしい。

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