【累計100万部が証明】本屋大賞『汝、星のごとく』がWebtoonで鮮烈デビュー！作者が明かす「描きたかったシーン」とは

2025年6月24日

東京ウォーカー（全国版）

2023年本屋大賞を受賞し、累計100万部を突破した凪良ゆうさんの傑作『汝、星のごとく』。心を揺さぶる繊細な心理描写と、切実な恋を描いた本作が、6月9日よりWebtoonとして配信開始された。

Webtoon版を手がけたのは、ヤングジャンプ「アート・オン・リンク(作画/紫彗冷泉先生)」「悪魔が死んだ日」、STUDIO ZOON「暴君の妃に転職しました」などで知られる松岡佳由さん。作画とネーム構成を担当し、縦読み形式ならではの表現で新たな『汝、星のごとく』の魅力を紡ぎ出している。

本記事では、STUDIO ZOON制作のWebtoon版『汝、星のごとく』の配信開始を記念し、松岡さんにインタビューを実施。作画で力を入れた場面や、物語のなかで印象に残っているシーンなどを聞いた。

――『汝、星のごとく』は美麗な作画が特徴的ですが、作画において最も力を入れた部分、特に描き込んだキャラクターや背景について教えてください。

【松岡佳由】登場キャラの眉から瞳、あと髪の毛です。色が入るので、描き込んだというより、映えるように意識していました。背景に関しては着彩スタッフさんの力です。空や海の色味など指定はさせていただきましたが、人物含め毎回予想以上のきれいな仕上がりに感動していました。ぜひ見てもらいたいです。

――物語のなかで印象に残っているシーンや描きたかったシーンはありますか？

【松岡佳由】たくさんありますが、11話の瞳子さんと暁海のシーンです。その時の暁海は、もちろん櫂に助けられている部分は多くあったのですが、瞳子さんとの会話で心情が変わった部分もたくさんあったのかなと。瞳子さんとのシーンは、読んでいて暁海の内面がほんのり明るく灯っていくように感じたので。11話に限らず、瞳子さんのセリフは終始ズンと響きますね。

櫂、尚人、植木さんとのシーンはもう少し描きたかったです。Webtoon版は暁海と櫂2人を中心に描いていますが、櫂の作家としての才能のあり方などもう少し描きたかったなとは思います。

――Webtoon化にあたり、縦スクロールでの進行やページの切り替えにおいて意識したことはありましたか？

【松岡佳由】進行やページの切り替えはほとんど感覚です。1話ごとのコマ数に規定があるので、暁海と櫂に関わるシーンやセリフを優先に構成していました。レイアウトに関しては、目を飽きさせないよう常に意識していました。小さいコマを2つ以上並べない、ロング→アップ→バストアップ→ロング、といった感じで絵が前コマとかぶらないように、など。細かいところですが。

――登場キャラクターたちの感情や表情を描くときに特に重視しているポイントはありますか？

【松岡佳由】セリフに押されすぎないようにしているのと、ひと目で伝わりやすく、です。

――これからのWebtoon業界で注目されるべき要素やトレンドは何だと思いますか？

【松岡佳由】キャラの確立、キャラの背景や関係性の深掘り、ネームのうまさ、です。引き続きバトルファンタジーはトレンドだと思います。新しい見せ方などまだまだ出てきそうだなと思いますし、個人的にはがっつり学園ものやブロマンスが増えたらうれしいです。