【漫画で涼みたい】存在しない「6階」への配達が招いた惨劇…このホラー漫画に震える【作者に聞く】

2025年6月29日

東京ウォーカー（全国版）

5階建マンションの「6階」に配達した青年は、6階の実在を確かめるべく再び足を運ぶが…予測不能なホラー漫画に注目作：誰でもない(@daredemonaidare)

配達のアルバイトでマンションを訪れた青年が、その6階で異形の存在を目撃する。彼に悲劇をもたらしたのは怪異か、それとも人間の業なのか――？

「想定外」「予測不能」なショートホラー漫画をSNSで公開する、誰でもないさん(@daredemonaidare)。2023年に発表されたオリジナル作品『6階』は、事故の示談金のためにバイトを増やした青年が、とあるマンションで破滅へと向かうホラー短編だ。6階への配達中、一室で異様な影を目撃した青年はその顛末を友人に語る。しかし友人の話では、そのマンションには6階が存在しないという。事実を確かめるべく二人が件のマンションへ向かうと、配達した商品は「屋上」にあり、しかもそこでは住人が飛び降りようとしていて――、というストーリーだ。作者の誰でもないさんに、作品のアイデアやホラーを描く上での意識を聞いた。

『6階』のアイデアのきっかけについて、誰でもないさんは「マンションで何か不気味なことが起こる、というシチュエーションを描こうと思ったのがきっかけ」と語る。

作中で「人間じゃない住人」が描かれるのはわずか1コマだが、その印象は強烈だ。このシーンについてこだわったポイントを尋ねると、「人間ではないものを派手に怖く描かないことで、不気味さが際立てばいいなという思いがあった」と明かした。

また、本作で挑戦した点や、普段とは違う手法を用いた点については、「自分の作品は、ストレートに怖い話を描くとSNS上で伸びにくい傾向がある。だからこそ、むしろストレートに怖いものこそ挑戦する価値が高いと思い、『これから描いていこう』と描いたタイミングの作品だった」と、作風の幅を広げるためのチャレンジであったことを示唆した。

6階で見た存在や花の送り主など、語られない部分が想像を掻き立てる。ホラーを描く上で、情報を明かす・伏せるのバランスについて、誰でもないさんは「明らかに伏せたり描かないほうが面白いと思うものは、意図してそうする」と答える。しかし、「単に説明不足になっているだけということもあると思うので、そこは気をつけていきたい」と、今後の課題も示している。

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取材協力：誰でもない(@daredemonaidare)