【母の最期】話すことも指を動かすこともできなくなった「大好き」と言うと、まばたきひとつ「私の声が届いてる?」共感の4.5万いいね【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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亡くなった母親との思い出をInstagramに投稿している、イラストレーターの枇杷かな子(@kanakobiwa)さん。最後に言っておきたい言葉は「大好き」だった。ただ、言葉にするととめどなく泣いてしまいそうでなかなか言えなかった。そんなお母さんとのかけがえのないエピソードを詰め込んだシリーズより『だいすき』を紹介するとともに話を聞く。


「大好きだよ、お母さん」言葉にしたら涙が止まらなくなってしまう気がした

だいすき01画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

だいすき02画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

だいすき03画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

だいすき04画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

だいすき05画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

緩和病棟に入院したかな子さんのお母さん。時が過ぎ、言葉を話すことも指を動かすこともできなくなった。声をかけると、まぶたがパチン。まばたきをした。「応えてくれてるのかな」と、話しかけてはまばたきを見て喜んだ。

かな子さんとよくいっしょに訪れるのは、お母さんの妹。叔母は、「いっしょにいるからね」「姉ちゃんが大事だよ」と声をかけた。かな子さんも「大好きだよ、お母さん」と、伝えたい気持ちはあった。しかし、言葉にすると泣いてしまいそうで言えなかった。

だいすき06画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

だいすき07画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

だいすき08画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

だいすき09画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

そんなある日、お母さんの乾いた唇に保湿をした。「自慢の唇をもっときれいにしますよー」と言いながらお母さんを見ていると、思いが溢れて「お母さん、大好きだよ」と思わずぽろり。大好きを口にすると鼻がツンとして、ポロポロ涙が溢れた。泣きながら「だいすきだよ」を何度も伝えた。すると、お母さんのまぶたがパチン。まばたきをした。

母を思い出しては、泣きながら描く…。そうして、少しずつ心の整理をしている状態


母が亡くなった日02画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

――本作を描こうと思ったきっかけを教えてください。

両親の介護中さまざまな葛藤があったり、母との時間はあと少しなのだな…と思うと、かけがえのない時間を残したい気持ちがあって、描くことにしました。

母が亡くなった日03画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

――お母さんはどのような存在でしたか?

友人が多く、わがままなところもありますが、漫画が大好きなチャーミングな人です。

母が亡くなった日04画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

――枇杷さんの描くお母さんシリーズは多くの人が自分と重ねていろいろな想いをはせるきっかけになっていると思います。多くの感想が届いていますが、いかがでしょうか。

正直こんなにたくさんの方に読んでいただけると思っておらず、驚きました。同じ境遇の方やご家族を改めて大事にしたくなった方など、みなさんの心のこもった感想が読めてとてもありがたいです。

母が亡くなった日08画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

――とくに「だいすき」は今まで言葉にできなかった気持ちを伝えた回で、4.5万いいねが届いています。毎回描くエピソードは、どのように決めているのでしょうか?

はじめは流れに沿って描きだめして投稿していたのですが、「あのことも描いておきたいな」など気持ちのままに描くこともあります。

母が亡くなった日09画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

――お母さんのシリーズを描いたことで、何か気持ちの変化はありましたか?

今も寂しさが強く、介護中の後悔もたくさん残っています。ただ、母との話は思い出しては泣きながら描いていて、少し心の整理もしているのだなと感じます。

母が亡くなった日10画像提供:枇杷かな子(@kanakobiwa)

――そのほかにどのような漫画を描いていますか?

介護中に描いておりました、新刊『余命300日の毒親』が発売中です。こちらは、主人公ヒトミが関わりたくない父親の介護に直面する物語で、「少しでも介護による孤独がなくなってほしい」そんな気持ちをこめて描きました。そして、主人公ヒトミのお話とは別に、この本だからこそ描いた私の介護エッセイも載せています。ぜひ読んでいただけたらうれしいです。


シリーズでは、母との最後の旅行や母との思い出を振り返りながら描かれる。「今、認知症の両親の介護を一人でしていて、時々自分でもいっぱいいっぱいになりますが、心が洗われました」「母がこれまでにくれた言葉を胸に抱えて1日1日必死に生きています」などの共感のコメントが数多く届く。

取材協力:枇杷かな子(@kanakobiwa)

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