「女性」「マニア」「オトナ」CD不況を乗り切る取扱店の斬新ターゲティング

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

音楽配信の普及によって、消費者のレコード離れ、CDの販売不振が続いている。そんな中、音楽ソフト取り扱い店各社はターゲットを絞った販促で市場拡大を狙う。具体的には、どのような層をターゲットにし、どんな切り口でアイテムを提案しているのだろうか?

“タワレコ”の略称で知られる、アメリカ発祥のCD販売店「タワーレコード」は、3月26日(金)、「ららぽーとTOKYO-BAY」(千葉県・船橋)に、“女性向け”を意識した「タワーレコードららぽーとTOKYO-BAY店」をオープンする。コンパクトな店舗には、20〜30代の女性をターゲットにした、ジャニーズ作品やK-POPなどのアジアンミュージックを多くそろえ、内装は、開放感を感じるようガラスの入口やフローリングの床を採用。落ち着いた雰囲気で、女性に入りやすさを感じさせる店舗設計になっている。

広報担当者は、「“タワレコ”といえば、元気いっぱいなイメージが強いと思いますが、ここは落ち着きのある雰囲気。“女性”を意識したのは、『ららぽーとTOKYO-BAY』のメインの客層が、20〜30代の女性だということもあります」と話す。女性客のライフスタイルをより良くするために、“音楽選び”を手伝いたい、というのも企画の経緯だそう。

また、関東を中心に展開するレコードチェーン「ディスクユニオン」では、ターゲットを細分化して小規模な“専門館”を多数出店。「お茶の水ハードロック/ヘヴィメタル館」(東京・千代田)や「お茶の水クラシック館」、「新宿ジャズ館」(東京・新宿)など、音楽のジャンルごとに店舗やフロアを分け、それぞれを独立。客の趣味に合わせた構成で、音楽CD・レコードを販売しているのだ。こうした販促方法は1997年から実施され、現在都内には28の専門館が。「音楽というのは趣味・嗜好も異なるので、好きなジャンルを、よりマニアックに掘り下げていただくためにも“専門館”を出店しています」と、同社販売促進担当は話す。

一方、音楽・映像ソフトや書籍などを複合的に扱う「TSUTAYA(ツタヤ)」は、東京ミッドタウン(港区・赤坂)内の「TSUTAYA MUSIC STORE(ツタヤ ミュージック ストア)」を、昨年12月に「TSUTAYA Lifestyle CONCIERGE(ツタヤ ライフスタイル コンシェルジュ)」としてリニューアルオープン。同ショップは“オトナのためのTSUTAYA”をコンセプトに、TSUTAYA独自の切り口を付けて、取り扱いアイテムをセレクト・提案している。

LifestyleConciergeとショップの名前を冠したエリアでは、ソフトは問わず、CD・DVD・書籍・雑貨をミックスすることで新たな発見があるように売場を作ってオススメのものを提案。また、100年経っても色あせない名作を集結させた“100選100年”ゾーンでは、音楽や本から名作100作品そろえる。

“オトナ”をターゲットにした理由について、同ショップの広報担当者は、「20代後半〜50代で、忙しく過ごしている人にこそ、若い頃に聴いていた音楽や映画・小説の感動を再発見してもらいたいと考え、オープンしました」とコメント。「TSUTAYA」は“若者向け”と思われがちな中で、幅広い世代の“オトナ”が満足できる提案を多角的に行うことで顧客満足度を上げる狙いだ。

“女性”を意識した「タワーレコード」や、“趣味ごと”に専門館を作る「ディスクユニオン」、“オトナ”をターゲットにした「TSUTAYA」のように、場所や世相を反映させた店舗作りは、今後さらなる広がりを見せていきそうだ。斬新なターゲティングが、不況を切り抜けるキーワードなのかもしれない。【東京ウォーカー】

この記事の画像一覧(全7枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る