【実話】ある日突然、愛する夫を亡くした妻!?難病に苦しむ夫が自ら選んだ衝撃的な結末【著者インタビュー】
東京ウォーカー(全国版)

家事しないと死ぬ旦那(
@100dannashinu
)さんは、2025年5月にX(旧Twitter)で『2024年12月6日夫が亡くなっているのを見つけました』という作品を投稿。2,500を超えるいいねの反響があり、注目を集めている。国指定の難病だった夫を突然亡くしてしまい、妻の心情などがリアルに描かれた作品だ。本作を描いたきっかけや生前の夫などについて、著者・家事しないと死ぬ旦那さんにインタビューした。
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。

――本作を描こうと思われたきっかけについて、お聞かせいただけますか?
きっかけと言いますか、そもそもの話として最初に自分が漫画をネットに投稿しようと思ったきっかけをお話しします。漫画を描き始めたのは、夫を面白がらせるためでした。その後、夫が自分の描いたものを相当気に入ってくれて、「せっかく漫画を描いたのなら、万人に見せた方がいいんじゃないか?」と言われました。それに対して、最初は「どうかな?」と思いながらも、投稿し始めたのがきっかけです。
最初は夫のために漫画を描いていましたが、だんだん漫画を見てくれるフォロワーの方が増え、漫画の投稿が楽しくなってきましたが、その最中、夫が難病にかかりさらには夫がいなくなってしまったことで、もう漫画を描く意味がないと思い、筆を折るつもりでした。しかしながら、夫が亡くなって投稿しなくなったあとも心配してくださっていたフォロワーの方がいたので、その経緯を伝えなければならないと思いました。

――本作を描く上で、苦労された点があればお聞かせください。
実はさほど描くのに苦労してないです。この漫画は自分が見た情景そのまま描いてます。脳みそに焼きついた情景をそのまま漫画に落とし込んでるので特に苦労はしてないです。ただ、しいて言うなら夫が亡くなったときに最初に救急車でなく消防車が来たのですが、資料なしだと流石に記憶を頼りに消防車を描こうにも細い部分を描けず、だからと言って資料を見てしまうと記憶の中の消防車が消えてしまうのであえて記憶が曖昧になっている自分の認識そのままに消防車を描いたという点ですかね…。

――夫は難病を患う前は、どんなお人柄の方でしたか?
自分より20歳ほど年上の人だったこともあり、ぶっちゃけおじさんだったので、話が噛み合わないことが多く、世代間ギャップや感性、人生の目標や考え方、常識などまるで凸凹のように考え方が違っていました。けれど、夫がその凸凹が上手く合わさって一つの形にまとまるように、心地よい関係を作り上げてくれる人でした。最初は気が合うと感じていましたが、それは夫がただ自分に合わせてくれていただけだったことに気づいたのは、夫が亡くなってしばらく経ってからです。今は、夫の存在の大きさに日々実感する毎日です。

――家事しないと死ぬ旦那さんにとって、心に残っている夫との思い出話などがあれば教えてください。
たくさんありますが、やはりはじめて夫と出会ったと言いますか。話すようになったきっかけですかね。元々、夫は一度結婚して離婚を経験しているのですが、その前の奥さんとの結婚指輪を長年指にはめていたため、取れなくなっていたそうです。離婚後もそのまま指にはめていたので、私はてっきり夫(そのときはまだ夫ではありませんでした)が結婚していると思っていたら、「違う」と言われ、公衆の面前で赤っ恥をかいてしまいました。
紛らわしいと思ったのもあり、夫に「指輪が外れないと言うなら、リングカッターで切って取ればいいじゃないですか」と言ったら、そのときは「へ〜」くらいで、記憶にないくらい何の変哲もないリアクションをしていたのですが、そのひと月後くらいに、夫が私に「指輪取ったよ」と笑顔で話しかけてきました。一回り上の男性で、しかも自分よりも役職も上の立場なのに、「アドバイスしてくれてありがとう」とさわやかな笑顔で話しかけてきたので、思わずドキドキしたのを今でも覚えています。その日から、ずっと心を奪われてしまったように思います。

――難病の家族や知人がいる読者の方にメッセージをお願いします。
自分の夫は国指定の難病である特発性肺線維症でした。これは死亡診断書をお医者様からもらってはじめて判明したのですが、癌の症状もいくつかあり、夫の死もしょうがないと今は受け入れています。
夫の意思だった。だから今は夫の選択を肯定しています。だからこそ、難病にかかってつらい人に安易に「頑張れ」とは言えませんし、「死んだら楽になる」と言ってその選択を押し付けることもできません。
難病を抱えている当人こそ一番つらい思いをしているので、その当人の意思を肯定してあげることが一番大事だと思います。それがポジティブな感情でもネガティブな感情でも、やはりそばにいる家族から否定されるのが一番つらいのだと思うので、難病疾患を抱えているご家族や知人がいらっしゃったら、ネガティブな感情を吐露されても真っ向から否定するのでなく、寄り添ってあげることができたらよかったのかなと、今はそう考えています。
本作は著者が、突然夫を亡くした壮絶な経験がリアルに描かれている。家事しないと死ぬ旦那さんはほかにも数多くの作品を描いているので、興味があればぜひ読んでほしい。
取材協力:家事しないと死ぬ旦那(@100dannashinu)
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