【体験レポート】知らなかった「ムーミン」の世界を垣間見ることができる!「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」は夏休みのおでかけにもおすすめ
東京ウォーカー(全国版)
「ムーミン」小説の出版から80周年という記念イヤーの今年。2025年7月16日~9月17日(水)まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで、「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」が開催中だ。「ムーミン」シリーズの魅力とともに、ムーミンの作者として知られるトーベ・ヤンソンの創作の世界に迫った展覧会となっている。

作家、画家、イラスト、舞台演出など多方面で活躍したトーベ

日本でトーベ・ヤンソンと言えばムーミンの作者として知られているが、実は作家、画家、イラスト、舞台演出など多彩に活躍したアーティストで、フィンランドでは知らない人はいないほど。彫刻家の父と挿絵画家だった母の間に生まれたトーベは、常に身近に芸術があり、子どものころから画家を目指していた。そんなトーベの挿絵が政治風刺雑誌『ガルム』に掲載されたのは15歳のとき。


ちなみに、トーベは1940年代初め、『ガルム』の絵の中に後のムーミントロールになるであろうキャラクター“スノーク”を登場させている。トーベは『ガルム』の廃刊までの20年以上、500以上の作品を手掛け、同誌を代表する画家として活躍した。会場には、風刺の才能や反戦への思いがうかがえる数々の表紙絵が展示されている。

また、フィンランド各地の公共施設のためのアートも手掛けているトーベ。1955年にはヘルシンキ市のアウロラ病院小児病棟の壁画コンペティションにおいて、トーベの作品が受賞。病気の子どもたちのストレスを和らげたいという思いからムーミンと仲間たちを描いた。アウロラ病院の壁画は埼玉・飯能にある「ムーミンバレーパーク」の展示施設「コケムス」でも再現されているので見覚えのある人もいるかもしれない。

ほかにもトーベの学生時代のトーベの作品のスケッチ(複製)や、日本語翻訳を手掛けた冨原眞弓さんに向けたトーベの手紙、「ムーミン」の舞台でのスケッチなど、トーベ・ヤンソンを知ることができる貴重な作品や資料が多数展示されているので、じっくり見ておきたい。
やっぱりみんな大好き!かわいいムーミンと仲間たち

数々のトーベの作品の中でやはり欠かせないのは「ムーミン」。第1章のトーベの油彩画や『ガルム』、公共施設のためのアートなどを見たあとは、「ムーミン」小説の世界を体感できる「挿絵没入映像エリア」へ。モノクロで描く挿絵の世界を楽しめる。


そして、ムーミンやしきの扉へと続く。そこには「The door is always open.(扉はいつでも開いている)」の文字。これは「ムーミン」の小説出版80周年のテーマで、ムーミンやしきはドアに鍵をかけておらず、それは、いつでも、誰でも、どんな生き物でも受け入れてくれ、帰る場所や居場所の大切さを物語の中で見つけてほしいという思いから。会場に訪れたすべての人を開かれた扉の中へと誘う。


本展覧会では小説やコミックス、絵本『ムーミン谷へのふしぎな旅』、キャラクターのスケッチなど、ムーミントロールや、ムーミンパパ、ムーミンママ、スノークのおじょうさん、リトルミイ、スナフキンといった、日本でも愛されているキャラクターを中心に多くのキャラクターが登場。250点以上の作品を見ることができる。


トーベが残した数々の作品を通してムーミンたちがさまざまな表情を見せてくれる。何度も書き直されたスケッチや、小説やコミックスで見たムーミンたちの姿とともに、壁に書かれたムーミンと仲間たちの言葉も心に響く。「ムーミン」の物語を知らないという人でも、その世界を知ることができる。

今回の展覧会では、俳優の杏さんが音声ガイドナビゲーターを務めている。音声ガイドと一緒に回ると、「ムーミン」やトーベ・ヤンソンのことを知らない人はもちろん、ファンの人たちも新たな発見があるはず。ぜひ、ガイドを聞きながら館内を巡ってみよう。途中でクイズが出題されるのも楽しい。
観覧後もまだまだ楽しい!オリジナルグッズやフードもチェック



じっくり観覧したあとは特設ショップへ。今回の展覧会に関連した限定アイテムが多数並ぶ。展覧会の公式図録はもちろん、展示されているトーベの絵がモチーフになったバッグなど、ここでしか手に入らないものがいろいろ。ムーミンや仲間たちのアイテムも、ここだけの限定モノがある。

展覧会キービジュアルの
「ムーミントロールのぬいぐるみ」(送料込み4520円)
は8月下旬からの販売。それまでに来館した場合は予約販売となり、9月下旬以降、申し込み順に宅配便で自宅に届く。展覧会のあとに楽しみがあるのもうれしい。

ムーミンのトートバッグは通常のショップでも人気商品だが、本展覧会では大きめの
「ムーミンママ オペラトート」(3960円)
が登場。ムーミンママのハンドバッグをイメージした台形がポイント。モノクロで使いやすそうなデザインはメインバッグとしてもサブバッグとしても活躍してくれそう。


夏休み期間ということもあり、ここでお土産を買うのもあり。会場のある六本木からも近い麻布十番に本店を持つ「麻布野菜菓子」とコラボした
「野菜チップス」
や
「果物チップス」(各1296円)
や、限定缶に入った焼き菓子やチョコクランチ、フレーバーティーの茶葉やコーヒーなど、お土産にぴったりのアイテムもそろう。

この展覧会を機に、これまで「ムーミン」の物語に触れていなかった人や、あらためて「ムーミン」の物語に触れてみたい人には、絵本や小説、コミックスなどの販売もある。これだけの種類が一堂にそろっているのはなかなかないので、気になる1冊を選んでみよう。

また、会場のある52階にある「THE SUN & THE MOON(cafe)」では、期間中、展覧会とコラボレーションした「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~カフェ」がオープン。

「ムーミン」の物語に登場するキャラクターをモチーフにしたスイーツやドリンクなど11品が登場する。トーベ・ヤンソンが育った北欧でおなじみのサーモンクリームスープやミートボールなどを盛り合わせた
「小さな島のワンプレート」(1750円)
や、「ムーミン」80周年を記念したドリンク
「80th Anniversary ムーミンやしき」(980円)
など、見ているだけでワクワクするメニューがそろう。

暑い日にぴったりの
「ムーミンとリトルミイ、ミムラねえさんのかき氷」(1780円)
は、ムーミンやリトルミイ、ミムラねえさんが卵にペイントしている絵をイメージ。トーベが残したイースターのアートワークを思い出させる。

ほかにも、ニョロニョロたちの旅をイメージした
「ユラユラニョロニョロホワイトウォーター」(1250円)
、スナフキンをイメージした
「フィッシュフライのオープンサンド~スナフキン~」(1850円)
や
「旅人の休息グリーンソーダ」(980円)
、ムーミンママをイメージした
「ムーミンママの手料理」(1620円)
、
「わた雲パフェ~リトルミイ~」(1580円)
など、どれにするか迷ってしまうラインナップ。好きなキャラクターで選ぶか、味や料理で選ぶか、それもまた悩ましい。

「ムーミン」の作者として知られるトーベ・ヤンソンの知らなかった一面を見たり、「ムーミン」の世界を感じたり、新しい魅力と発見がいっぱいの「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」。ぜひ足を運んでその世界観を楽しもう。
(C)Moomin Characters(TM) (C)Tove Jansson Estate
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