【北海道ゆるっと鉄道旅~札沼線4】旅のシメは温もり溢れる源泉かけ流しの駅前温泉へ
北海道ウォーカー
街歩きや博物館見学など歩き疲れた身体を癒しに温泉はいかがですか?駅から歩いてすぐ行くことができる温泉って、北海道各地にありそうで意外と少ないのです。でも、札沼線にはあります!
今回訪れるのは、石狩月形駅から石狩当別駅行列車に乗り5駅目、石狩金沢駅から歩いて5分の金の沢天然温泉「開拓ふくろふ乃湯」。人の温もりと自然の温もりを感じる小さな温泉、源泉かけ流しの湯に浸かり、列車の旅のシメを楽しみましょう。

昔の車掌車を再利用した駅舎が可愛らしい、石狩金沢駅

石狩金沢駅に列車が到着しました。ドアの開閉音と乗降案内の自動アナウンスが流れると、ほどなくして大きなエンジン音をたてて出発。列車が去ると聞こえてくるのは、近隣の国道を行き交う乗用車やトラックの音だけ。周囲には民家が数軒あるほかはのどかな田園風景が広がります。
駅舎は、かつて貨物列車の最後尾に連結されていた車掌車を改造して再利用したもの。左右が通路で中央が待合室になっている四角い建物(車両!?)で、北海道内のローカル駅で時折見かけるタイプです。
駅を背にすると正面にまっすぐ続く道があり、この道の突き当りが温泉の入口。念のため駅で帰りの列車の時間を確認したら、湯あみへと向かいましょう。

庭園風景と美肌の湯を楽しめる「開拓ふくろふ乃湯」

綺麗に整えられた木々に囲まれた「開拓ふくろふ乃湯」には、立派なサウナやジャグジー、豪華なレストランなどはありません。ここにあるのは、小ぶりな湯船に注がれる源泉かけ流しの湯と、露天風呂から眺める池や滝と、桜や紅葉など木々の彩りが見事な庭園風景。
源泉温度が低いため加温こそしていますが、加水や循環など一切せず自然の恵みそのまんま。塩分とモール泉の成分を含むため、とろりとした湯ざわりで、湯上りはポカポカ感が長持ちするとともに、パックをしたかのごとくしっとりとしたお肌に。
茶褐色の湯に浸かり疲れた身体を癒すとともに、美肌になれるかも!?旅の終わりは身体にちょっぴりうれしいご褒美を。

人と人の縁で守られている小さな秘湯

湯上りは館内に2カ所ある休憩所でクールダウン。
ここの開湯は2009年。造園業の社長が約10年がかりで庭園や湯船などを作り上げたものの、わずか3年ほどで社長が病に倒れ休業の危機に。
「これだけ素晴らしい湯が絶えるのはもったいない」
開湯当初から常連客だった現在の当主、高野さんはそう思い、社長家族に直談判し経営を引き継いだそうです。湯守はもちろん、来館者の受付や経理、清掃や整備もすべて一人でこなしています。
「お客さんと一緒に温泉文化を楽しみながら“いい湯”を残していきたい」
そう語る高野さん。同じ想いの客が時折手をさしのべ、山の中の秘湯を一緒に守ってくれるのだとか。
人の縁と温もりを感じる小さな温泉。心も身体も“ほっこり”しながら駅へと向かい、帰路につきました。

開拓ふくろふ乃湯 ■住所:当別町金沢157-7 ■電話:050-3556-0296 ■時間:12:00(土日祝は11:00)~21:00(最終入館20:30) ■料金:大人600円、小人250円 ■休み:月曜、第4火曜(祝日の場合は翌日)、12月~4月中旬
※列車の本数や時刻をはじめ、各所記載内容は2017年10月現在の情報です。
【北海道ウォーカー編集部】
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