入っていいか悩む、札幌・ススキノにある怪しげな一軒家「36号線」とは?

北海道ウォーカー

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なかなかに独特な雰囲気がある外観。大正時代の銭湯を店舗にしています


長年、札幌に住んでいる人ならば、ススキノの繁華街からほど近い国道36号線沿いの一角に“ROUTE36”なる看板を掲げる、古い建造物の姿を目にしたことがあるでしょう。

独特なたたずまいは認識していても、その正体までは知らないという人のために紹介すると、こちらは「すすきのアンティークショップ36号線」という創業35年を迎える和骨董を扱うお店です。

天井に吊るされた電灯も商品。北海道農学校教授の住居で使用されていたそうで、開拓期の様子を今に照らす貴重な照明器具といえるでしょう


“アンティーク”という言葉が店名に付けられているだけに、店内には明治、大正、昭和初期など、時代を駆け抜けて来た品々が溢れており、店の中もレトロな雰囲気を漂わせています。それらの品々は興味のない人にとって、“ひと昔前の物”としか映らないものであっても、見る人が見たならば、いわば“宝物”。昨今では、SNSやネットの情報を頼りに、掘り出し物を発見すべく、北海道外からはるばる足を運ぶ人も少なくないそうです。

店内奥にいるのが、二代目の主・上田悟さん。この仕事の面白さに気づき、サラリーマンから転身


開店は1982年。そもそもは官公庁などで使用された古道具を払い下げる店というスタイルでスタートしています。2000年に先代の叔父から引き継ぐ格好で上田悟さんが二代目の主に治まり、現在では古道具に限らず、さまざまな骨董品、美術品も取り扱っています。

昭和の街の風景に彩りを与えた看板に懐かしさを覚える人も多いでしょう


社会の一線でバリバリと活躍していた鞄や制服、看板などの古道具も、かつては比較的容易に手に入ったそうですが、今日ではすっかり入手困難になってしまいました。そこで上田さんの代になってから、ジャンルを問わず、「古い物ものならば何でも扱う(売買する)」というスタンスに変更。そんなわけで、店内には明治、大正、昭和の古陶磁器、茶器、彫刻、ガラス器、掛軸、タンス、照明機器、古時計、鉄道部品(プレート・行先板)、ノベルティグッズなど、“何でもござれ”とばかりにバラエティに富んだ古道具が並んでいます。

一時、鉄瓶を求めていたのは海外からの観光客。「飛ぶように売れた」といいます


面白いことに、ひと昔前の物であっても、その中には少なからず流行があります。数年前、海外観光客の間で一躍人気となったのが鉄器で、鉄製のヤカンなどが飛ぶように右から左へ動いた時期があったそうです。

アイヌが生活の中で使用していた、独特な意匠が施されている道具(写真手前)。また、有名作家の「木彫り熊」作品は年々人気が高まり、入手も困難な状況に


一方、北海道という土地柄もあるのでしょうが、昨今この店で全国から注目されている物がアイヌに関わる古道具、そして、木彫りの熊です。木彫り熊の発祥として知られる八雲町の作家の作品も積極的に取り扱っています。

大正時代の銭湯をそのまま店舗に利用したというだけあって、そのたたずまい自体がまさしく骨董品。「故きを温ねて新しきを知る」との言葉にもあるように、もしかしたら、何かを新発見する場所なのかもしれません。

すすきのアンティークショップ36号線 ■住所:札幌市中央区南5東3-9 ■電話:011・521・5391 ■時間:11:00~19:00 ■休み:水曜 

<ライター/志田尚人>

【北海道ウォーカー編集部】

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