「生き残った証を隠さないで」戦争のなかで芽生えた恋とすれ違い——抗えない時代に咲いた愛の物語【作者に訊く】

東京ウォーカー(全国版)

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「切なに刹那く」

太平洋戦争の開戦直前、女学生の松乃と、海軍の戦闘機パイロットの虎次は出会う。お互い惹かれながらも、時は戦時中の大変な時期。手紙のやりとりにも検閲が入ってままならぬ中、少しずつ距離を縮め、想いを通わせていく。これは戦争の悲しい話ではなく、そんな時代にもしっかりと芽吹いた小さな恋の物語である。

本作「切なに刹那く」を描いたのは、「コミックDAYS」で『波うららかに、めおと日和』を連載している西香はち (@24hachi1) さん。『波うららかに、めおと日和』は2025年春にドラマ化された話題作である。今回、西香はちさんに「切なに刹那く」について話を聞いてみた。

自分のためだったんだ…無口な軍人の笑顔から少女の恋が動きはじめる!

切なに刹那く_第1話_P001西香はち(@24hachi1)

切なに刹那く_第1話_P002西香はち(@24hachi1)

切なに刹那く_第1話_P003西香はち(@24hachi1)

戦時中という重くなりがちな時代を背景に、ピュアすぎる恋を描いた本作、「切なに刹那く」。作者は、会社員と兼業で活動する漫画家の西香はちさん。「戦時中の話は重くて読めない」という声を受け、当時を生きた人々の物語を届けられるように工夫をして描いた作品だ。

主人公・松乃の家に、父を訪ねて現れた軍人の虎次。言葉数少なく目も合わさない彼に苦手意識を持つ松乃だが、実は彼の額には大きな傷があり、それを気味悪がらせないよう距離を取っていたのだった。自分のためだったと知った松乃は、帰り際に「戦って生き残った証です」と声をかける。その言葉に、はじめて見せた虎次の笑顔。ふたりの間に小さな恋が芽生え始めた瞬間だった。

やがて戦争は、容赦なくふたりを引き離す。松乃は「負けてもいいから帰ってきてほしい」と願い、虎次は「松乃が見上げる空が青くあるなら自分は死んでもいい」と思う。交わらない願いのなかで、それでも想い合うふたりが切ない。

作品について西香さんは、「描いた当時は、海軍のことも当時の生活風景についても、まともに調べずに描いてしまった」そうで、「軍服や階級のことはもちろん、舞台背景もきちんと調べたうえで描き直したい」と語った。また、シベリア抑留された兵士と女性の恋も描いてみたいそうで「戦前のヒリヒリした空気のなかでも、穏やかな暮らしがあったことを味わってもらえれば」と、作品に対する思いを教えてくれた。悲しい歴史のなかにも、静かに輝く恋があった。そんな物語に心を寄せてみてほしい。

取材協力:西香はち(@24hachi1)

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