SOPHIA松岡充主演舞台で初共演の小林亮太「目で心を射抜かれた」人気シリーズで主従関係を演じた先には「長い付き合いになれそうな予感」
東京ウォーカー(全国版)
松岡充さんと小林亮太さんが出演するミュージカル『キルバーン』が2025年9月13日(土)に開幕する。本作は、末満健一さんが手がける人気舞台TRUMPシリーズの最新作。“脳天突き破るヒャッハーミュージカル”というキャッチコピーを掲げる本作は、観客没入型のステージという新たな試みにも挑戦する。そんな本作で初共演を果たす二人に、お互いの第一印象や主従関係という役どころへの思いなど、本格的な稽古が始まる前(取材時)の今について聞いた。

ドナテルロとグスタフの主従関係にある真実も楽しみに
――お二人は『仮面ライダー』や舞台『私のホストちゃん』といったシリーズ作品にすれ違いでご出演されていたことはありますが、本作で初共演、そして本日が初対面になるとのこと。実際にお話をされてみて、お互いの印象はいかがしょうか?
【松岡充】とても真っすぐですてきで、見た目通りの好青年だなと感じました。恐縮しすぎるわけでもないし、裏がなくナチュラルな居方をする方だなと。僕ぐらい長く生きていると、少しお話ししただけですぐわかります。でも、もしかしたらどこかに闇を抱えているかもしれないし、人には見せていない一面があるかもしれないですけど(笑)。
【小林亮太】松岡さんの目がすてきすぎて…。初めましてのご挨拶をしたときに、目で心を射抜かれました。松岡さんが出演されていたドラマ『人にやさしく』が本当に大好きだったので、そんな憧れの方と共演できてとてもうれしく思っています。
【松岡充】そう言ってもらえると、僕としてもうれしいですね。

――本作で松岡さんが演じるのは、不老不死の吸血種《TRUMP》不死卿ドナテルロ。そして、彼に絶対的な忠誠を誓う執事・美少年グスタフを小林さんが演じます。主従関係にあたる役どころになりますね。
【松岡充】ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、ドナテルロとグスタフの関係性も見どころのひとつになるのかなと。主従関係?という部分も楽しみにしていてほしいですね。
――詳しくは明かせないということですが、隠された部分も含めて、そういった間柄を演じる相手としてはどう感じていますか?
【松岡充】心配することは何もないですね。僕たち二人の関係性は、絆、つながりという部分を表現する役割もあると思っているのですが、たぶん、小林くんも役者としてそういう道を通ってきている気がします。もともとグループ活動もされていたとのことですし、若いですが、たくさんの人とのつながりを大事にされてきたのかなと。
【小林亮太】見抜かれていますね。僕からすると、松岡さんは俳優でもありアーティストでもあり、ふたつの肩書きがある方。ほかの現場でも、俳優業をされているアーティストの方とご一緒すると、俳優一本でやってきた方とはまた違う表現方法があると感じますし、僕は軸に音楽がある方のお芝居に惹かれることが多いんです。だから、松岡さんと主従関係という役柄でお芝居できるのはすごく楽しみです。松岡さんのことを、兄貴として慕わせていただけたらと思っています。

ミュージカル『キルバーン』は「末満健一の本気」
――脚本を読んでの印象についても教えてください。
【小林亮太】「ぶっ飛んでいるな」と。TRUMPシリーズってこんな感じだったっけ?と思うほどでした。
――今までのTRUMPシリーズとはガラリと変わるような?
【小林亮太】僕個人としてはそう感じましたね。シーンによっては、これを劇場でどのように展開するんだろう?と想像がつかない部分もあったので、稽古に入るのがより楽しみになりました。
――松岡さんはいかがですか?
【松岡充】まだ稽古前なので、これから脚本の行間に末満健一さんが込めた想いを探っていくという段階ではありますが、これまでのさまざまな作品の中で、末満さんはどこかで自分を制御されていたのかなと思うんです。それが本作では一気に解放されているように感じました。
――どのような部分から、それを感じたのでしょうか?
【松岡充】『キルバーン』は当初、2020年に上演予定でしたが、コロナ禍の影響で全公演中止となってしまい、その代替作として音楽朗読劇『黑世界』が上演されました。『黑世界』を含め、これまでのTRUMPシリーズは白、黒というイメージだったと思うんです。
だけど、僕が末満さんと最初にお会いしたときに見えていた色は、とてもカラフルで。色彩を千変万化できる方だなという感覚でした。そして今回、まさに僕が感じていたカラフルさが本作のメインビジュアルにあったので、末満さんが本気を解放されたように感じましたね。

――小林さんは舞台『鬼滅の刃』で末満さんとお仕事をされていますが、小林さんから見た末満さんはどんな方なのでしょうか?
【小林亮太】末満さんと初めてお会いしたのは20歳ぐらいの頃でしたが、原作がある舞台だったということもあり、作品作りをしながら、なんとなくですが末満さんの本当のフィールドではないのかなと感じていたんです。だからこそ、本当の部分に何があるんだろうと気になっていて。
【松岡充】そうなんだ。
【小林亮太】僕にとって末満さんは、たくさんのことを叩きこんでくださった方。末満さんのことが知りたくて、過去のインタビューを見漁ったりもしていました。その際に、末満さんの死生観や日々感じていることに少し触れて、やっぱり末満さんの人生においてTRUMPシリーズは外せないものなんだなと思ったんです。
だから、本作に呼んでいただけたというのは本当にうれしいですし、松岡さんがおっしゃっていたように、行間の部分にどんな思いを込めてどのように表現していくか、それが観てくださる方たちにどのように届いていくのかというところを、しっかり考えていきたいと思っています。

「何も言われなくなると寂しい」と話す松岡に小林も共感
――本作は“脳天突き破るヒャッハーミュージカル”という、インパクトのあるキャッチコピーがついています。
【松岡充】演劇というのは基本的に、舞台上で展開している誰かの人生模様を、観客が壁越しに穴から覗き見ているということが大前提だと思うんですね。ですが『キルバーン』では、それをぶち壊しているんです。観客がいることを、僕らキャストが認識しているというか、客席の一人ひとりもキャストの一人になっているというか。だから、脚本もセリフもあるけれど、毎公演違うものになると思います。そして、それに対応できるポテンシャルのある人たちをキャスティングしているのかなと感じますね。
――演劇・ミュージカルの既成概念を壊す観客没入型の作品を目指しているとのことですが、お二人にとっても新しい挑戦になるのでしょうか?
【小林亮太】観客を巻き込むという点では、少し『ホストちゃん』に近いものを感じています。とはいえ、『キルバーン』ではキャストとお客様の距離感が少し独特で、薄い幕越しに観ていただく感覚がありますね。
【松岡充】すいません、急で…語弊があるかもしれないけど、僕は基本的に稽古が嫌いなんです(笑)。
【小林亮太】(笑)。
【松岡充】というのも、同じことを繰り返したくない、という意味で。稽古場では、とにかく試してチャレンジしたいと考えていて。稽古だけではなく本番もそうで、セリフを変えるということではなく初日にやったことを翌日の公演で絶対になぞらないようにしています。だから、今回、毎公演挑戦ができるという意味ではとても楽しみです。僕の考えを受け入れてもらえるカンパニーや演出家さんばかりではないですから。
――末満さんとこのカンパニーはそれを受け入れてくれそうだなと。
【松岡充】そうですね。ただ、僕も『黑世界』でご一緒しただけなので、本作ではどうなるか現時点ではわからないです。『黑世界』の稽古を振り返ると、末満さんから何も言われなかったんですよ。
【小林亮太】僕も、舞台『鬼滅の刃』其ノ参 無限夢列車のときには何も言われなくなりました…!
【松岡充】やっぱりそう?でもそれは興味がないわけじゃなくて、信頼を勝ち取ったということだと思うんだよね。舞台上で生きていて心が動いていれば、右手を出すのか左手を出すのかなんてどっちでもいい。たぶん、末満さんはそういう方なんだと理解しています。でも、何も言われなくなると僕も寂しくなっちゃうから、自分からあえて確認しに行ったりしていました(笑)。
【小林亮太】僕もそうだったので、めちゃくちゃわかります(笑)。

――これから稽古期間や本番期間で密に関わっていくことになるかと思うのですが、本作が終わる頃にはどのような関係性になっていそうですか?
【松岡充】なんとなく長い付き合いになるんじゃないかなと。僕はあまり交友関係が広くないのですが、人によっては本当に長い付き合いになるんです。小林くんともそうなれそうな予感がしますね。
【小林亮太】そう言っていただけてうれしいです。15歳の頃に地元から上京してきたので、東京で仲良くなった方たちは家族のような感覚なんです。だから、松岡さんともそんな関係性を築けたら、なんて思ってしまいますね。僕は変に遠慮をしてしまうことがあるので、松岡さんとはそうならずに素直に向き合っていきたいです。それが作品にもよい影響を及ぼすのかなと感じています。
撮影=大塚秀美
取材・文=榎本麻紀恵
ヘアメイク=戸倉陽子<松岡>/田中宏昌<小林>
スタイリスト=石橋修一<小林>
衣装協力=Lord Camelot<松岡>/ベスト、Tシャツ、パンツ(以上すべてNEPHOLOGIST)、アクセサリ(Sunku/HIRAKU PR)、その他スタイリスト私物<小林>
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