【たかつきDAYS】メイド・イン・高槻。

2017年12月4日 18:47更新

関西ウォーカー

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 高槻には、時代と共に移り変わるものもあれば、変わらずに作り続けられるものもある。そんなこのまち生まれの銘品を、じっくりと探してみた。

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歴史深き銘醸地、高槻富田の酒造り

池田、伊丹と並ぶ「北摂三銘酒」の一つに数えられる銘醸地・摂津富田郷。富田台地に産する酒造りに適した良質米と清らかな伏流水の恵みを受け、丹後・丹波・但馬の農閑期の労働力を背景に、江戸時代に大いに発展した。江戸にも聞こえた「富田酒」。最盛期には24軒の酒蔵が軒をつらねたというこの地には、今もなお、その歴史と伝統を受け継ぎ、地酒の味を守り伝えている2軒の酒蔵がある。

まず訪れたのは、創醸1822年の「壽酒造」。この酒蔵で杜氏を務める富田祐介さんに、富田の酒造りについて聞いてみた。「日本酒は、お米の醸造酒。原料となる蒸し米、麹、水を3段階に分けて仕込むのが昔ながらの手法です。1日目は添え(そえ)、翌日は酵母をゆっくり増殖させるためのお休み。3日目には添えの倍量を仕込む仲(なか)。そして最後の4日目がさらに倍量を仕込む留(とめ)。4日間かけて、だんだん仕込む量を増やしていきます」。

一般的な清酒であれば17~18日間、大吟醸クラスになると35~40日ほどの発酵期間を経て新酒が誕生するという。こうして冬に仕込んだ酒は、春先に火入れをして貯蔵。そこから熟成が始まり、夏を越し、秋が近付くにつれて角がとれてまろやかになり、仕込みから約1年を経て飲みごろを迎える。「富田の酒は、水がいいんです。酒造りに適した中硬度の水質で、米をしっかり発酵させるからキレがよく味わいが深い」と富田さん。米の味がしっかりのった、高槻が誇る伝統の味がここにある。

これまでもこれからも高槻の地で愛される酒を

寺内町として発展し、江戸時代には酒造の町として栄えた歴史を刻む、富田地区の風情ある小路。歩み進むと現れる焼杉が美しい日本家屋。ここは、創醸1856年の「清鶴酒造」だ。「富田酒の伝統を守り、量産を図ることなく、手づくりによる酒造りを地道に続けています」と語るのは、6代目蔵元の石井清祐さん。

江戸時代の酒造りを踏襲し、仕込みが始まる季節になると、但馬(兵庫県北部)より杜氏を迎えるのが、現在も続く習わし。

酵母の働きで育てるように醸かもす日本酒はいわば生き物。米のできも天候に左右されるため、毎年変わらぬ品質を保つのは至難の業であるからこそ、杜氏の豊かな経験と職人気質が生かされる。

時代と共に変わるニーズに呼応しつつも流されすぎることなく、少量でも多彩な酒を仕込めるのが地酒の強み。160余年もの長きにわたりこの地で酒造りを続けてきた酒蔵には、地元への愛と誇りが満ちていた。

【関西ウォーカー編集部/PR】

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