人力で作られた幽玄壮大な世界! 群馬県の人気観光スポット「洞窟観音」
東京ウォーカー(全国版)

群馬県の観光スポットとして、四季を通じて人気の「洞窟観音」。約400メートルの洞窟は、すべて人力で彫られおり、その幽玄壮大な世界に圧倒される。今回、洞窟観音の歴史とともにその魅力について紹介しよう。
洞窟観音は、高崎市田町の呉服商として成功した山田徳蔵が、大正七年から昭和三十九年の約50年の歳月をかけて作った観光大霊場である。
約400メートルの洞窟は、観音信仰の理念「現世利益」を普及しようとした徳蔵が私産を投じ、43体もの仏像を配置している。
また、戦時中には「模範的民間防空壕」としての称号を得て、高崎市民4000人をかくまう機能を有したとの資料も見つかり、その価値が見直されているという。洞窟内には、貯水池の跡も残っている。

「400メートルの洞窟は、すべて人力で彫られています。機械などない時代に、つるはしやスコップで山を抜き、石を運び、この洞窟観音が作られました」。
そう語るのは洞窟観音山徳公園維持会 代表理事の荒井宏介さん。荒井さんは洞窟観音の歴史を伝えるため、ガイドとして多くの観光客を案内している。
また、隣接する徳明園のリニューアルを手掛け、ライトアップ時などは、郊外から訪れた多くの観光客を喜ばせている。

一見、鍾乳洞にも思える空間だが、全て人の手で彫られており、表面のでこぼこした石も浅間山の溶岩を細かい石で組み、貼り付けているそうだ。

御影石で彫られた観音様を中心とする仏像は、新潟県魚沼市出身の仏師、高橋楽山が一人で手がけている。

実際に洞窟を進むと、50年もの歳月をかけて彫られた仏像の作風の変化に気がつく。特に聖観音は、楽山の傑作とも言われる作品で、今ではパワースポットとしても人気だ。
また、洞窟内は通年の平均気温が17度とかなり涼しい。8月のお盆頃には、著名な華道家の作品を仏像と共に展示するイベントも行われ、多くの人で賑わうという。
御影石の観音像が石彫群と共に安置され、神秘的な雰囲気の漂う「洞窟観音」。人力で作られた壮大な世界に、あなたも一度足を運んでみてはいかがだろうか。
やどかり
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