股に二つのスイカを持つ男! 幕末救世主伝説~西郷隆盛
東京ウォーカー
幕末の志士や偉人は食べ物・お酒のエピソードに事欠かない。来年のNHK大河ドラマの主人公・西郷隆盛にももちろん、食べ物の逸話や伝承がたくさんあるが、その中でも特にスイカにまつわるエピソードが多い。一見関係なさそうな話でも、なぜかスイカと結びついてしまう。
もちろんスイカが好物だったことは第一の理由だろう。現在は高級フルーツの老舗として知られる千疋屋は西郷さんのご贔屓で、スイカを買いに来た際のこんな話が語り継がれている。

明治のはじめ、現在の東京都中央区人形町に住んでいた西郷さんは、近所の「水菓子安うり処」千疋屋にやって来ると、店頭からこう呼ばわってスイカを買っていったという。「おっかあ、でっかな西瓜持ってこお」。おっかあとは店のおかみのむらさんのこと。豪快に見えて実は人に接する時には礼儀正しかったという西郷さんが、「おっかあ」と甘えたり店頭に呼びつけたり、さらに並のスイカじゃなくおっきなヤツをねだったり、むらさんとはずいぶん気やすい間柄だったのだろう。

その後、いわゆる征韓論争に敗れて郷里の鹿児島に帰る時には、2600坪もあった広大な屋敷をむらにあげよう、なんて言い出したりもしたそうだ。さすが大西郷、「でっかな西瓜」のお礼もまたデカいというお話。

デカいスイカといえば、西郷さんの体にもスイカがあった。しかも2個。生涯に二度、島流しに処されている西郷さんは、島で風土病のフィラリアに罹患した。そのせいで、男性の股間に2個あるアレが腫れ上がり、そのサイズは「スイカ大」もあったという。イギリス人医師ウィリスは、西郷さんの肥満解消に本当は乗馬を勧めたかったが、スイカ大の股間のアレのせいで馬に乗れないため、代わりに散歩を勧めたほどだ。
明治天皇の西国巡幸でも、西郷さんとスイカとのエピソードが生まれた。ある部下に不手際があり、帝への無礼になると激怒した西郷さんは、思わず手近にあった果物を叩き斬った。もちろんその果物がスイカ。あるいはそれは明治天皇がちょうど巡幸の御座船から桟橋に降りる時の出来事ともいわれ、西郷さんは叩き斬ったのではなく、桟橋で出迎える部下にスイカを投げつけたというバージョンも伝わっている。

その後、西郷さんは西南戦争に敗れて生涯を閉じるが、この戦争最大の激戦地となったのが田原坂のある熊本県の旧植木町(現熊本市北区)。ここは日本一のスイカの産地で、かつて西郷さんが買い求めた千疋屋の現在のブランド商品『VSすいか』もまた植木で栽培されている。西郷さんとスイカには不思議と縁がある。
【ボクらの維新通信社2018/ロバート・ウォーターマン(KUROFUNE-United)】
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