「新車はいりません」自動車販売店に現れた小学生の女の子…売るだけじゃない本当のセールスとは?少女の涙が刺さる!!【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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ある日の自動車販売店に、小学生3年生の女の子がたったが一人で現れた。画像提供:みこまる(@micomalu)

小学3年生の女の子が、自動車販売店にひとりで現れ、「新車の契約を破棄したい」と申し出る。あまりにも突拍子のない導入から始まる漫画「新車の契約破棄にやって来た少女の話」は、その意外性と静かな感情の積み重ねによって、多くの読者の心をつかんだ作品だ。本作を描いたのは、漫画家を目指すみこまる (@micomalu) さん。クニエ漫画グランプリの「共感」をテーマに制作された本作は、“新車が欲しくない理由”を通して、誰もが一度は経験した感情を丁寧にすくい上げていく。

トップセールスマンの前で小学生の少女が口にした「新車はいらない」という本音

不機嫌な面持ちで購入した新車の「契約破棄」を訴えてきたさやかちゃんを前に…画像提供:みこまる(@micomalu)

フルタカーズの中でもトップの成績を誇る若手のエース、風間創画像提供:みこまる(@micomalu)

突然、小学3年生の女の子、中条さやかちゃんがたった1人で販売店に現れる画像提供:みこまる(@micomalu)

トップセールスマンの風間が対応したのは、小学3年生の中条さゆり。少女は落ち着いた様子で、「新車の契約を破棄したい」とはっきり告げる。話を聞くうちに、風間は1カ月前に新車を購入した中条夫妻の顔を思い出す。夫妻は娘のことを思い浮かべながら、色や使い心地を選び、納車を心待ちにしていたはずだった。その契約を、なぜ娘が取り消しに来たのか。違和感を抱きつつも、風間は彼女の言葉に耳を傾ける。

思い出が詰まった「今の車」を手放したくなかった

少しずつ語られるのは、家族で出かけた夏の日の記憶や、何気ない日常の中にあった愛車との思い出だった。新しい車が嫌なのではない。大切だったのは、これまで一緒に過ごしてきた「時間」だったのだ。その思いがあふれ、さゆりはついに涙をこぼす。子どもなりに必死に守ろうとしていた気持ちに、風間は胸を打たれる。

売ることではなく、寄り添うことが“本当のセールス”

少女の話を聞き終えたとき、風間は気づく。車は単なる商品ではなく、家族の歴史や感情が積み重なった存在なのだと。売ることだけが仕事ではない。相手の気持ちを理解し、寄り添うことこそが、本当のセールスなのだと知る瞬間だった。

本作は、新車を手に入れる喜びと、手放す寂しさを子どもの視点で描き切り、読み終えたあとに静かな余韻を残してくれる。コメント欄にも「自分も同じ気持ちだった」「全部代弁してくれた」といった共感の声が相次いだ。

画像提供:みこまる(@micomalu)

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