【ホラー】なぜ?「ショートヘアの先輩」の影がロングヘアに…夜の体育館で部員たちが凍りついた“違和感”【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
「怖かったら一杯無料」を謳い文句に、実録ホラーを語ってくれる客を待つスナック店主兼シナリオライターのエミ。彼女の元には、なぜか続々と恐ろしい話が集まってくる。
1話完結で展開する漫画「丑三つ時、コワい話はこのBarで」は、フジテレビ「ほんとにあった怖い話」や「呪怨 THE LIVE」を手がけた脚本家・穂科エミさんが集めた実録エピソードがもとになっている。今回は、第4話「夜の体育館」のストーリーとともに、制作の舞台裏を紐解いていく。
夜の体育館で起きた、不可解な「影」の正体
エミの店を訪れたのは、若手売れっ子女優の優(ゆう)。霊感体質だという彼女は、学生時代の不気味な体験を語り始めた。
演劇部に所属していた優はある日、遅くまで体育館で練習をしていたが、徐々に寒気と耳鳴りがひどくなっていったという。そんなとき、音響担当の生徒が「奇妙な影を見た」と言い出し、現場は凍りつく。ショートヘアのはずの先輩が、なぜかロングヘアに見える。それは果たして、単なる見間違いなのだろうか。
学校という場所が引き寄せる「モノ」
原作者の穂科エミさんは、このエピソードを初めて聞いたとき、自身の経験と重ねて非常に身近に感じたという。穂科さんの通っていた学校も、もとは大きな沼だったといういわくがあり、数々の噂が存在していた。そのため、自分の学校でも同じような出来事が起きていたのかもしれない、と強い恐怖を感じたと振り返る。
作画を担当した近原さんも、学校や病院といった多くの人が集まり、さまざまな感情が残る場所では、異質なモノを見る機会が多いという持論を持つ。特に「思春期×霊」という組み合わせは物語としての相性がよい、と制作上の魅力を語った。
世代によって異なる「恐怖」のインパクト
学校を舞台にしたコワイ話は数多いが、穂科さん自身も人生で初めて恐怖体験をした場所は学校だったと明かす。常に人が集まる場所であるからこそ、不可解な現象も集まりやすいのかもしれない。
近原さんは、学校系ホラーの原点として「地獄先生ぬ~べ~」(集英社)の見開きシーンのインパクトを挙げている。大人は心理的な恐怖に惹かれる傾向があるが、子どもにとっては視覚的なダイレクトさが最も強く印象に残るものであり、それがよい思い出になっていると語った。
穂科さんの実体験や丹念な取材に基づいたエピソードは、「本当にこんなことが!?」と考えながら読むと、より一層深く惹き込まれるはずだ。近々、本作の書籍も発売される予定とのことで、さらなる恐怖体験に期待が高まる。
取材協力:穂科エミ(@hbdg1999)、近原
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