勉強も運動もできる娘がADHD?母親が「発達障害とは無縁」という思い込みを捨てた瞬間【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
ブログで公開された漫画『娘のADHD疑惑・検査診断していない理由』が、子育て世代の間で静かな波紋を広げている。作者は早乃あかりさん(@akari238ffm)。本作で描かれるのは、学校の成績も良く運動神経も抜群な長女・サユミさんに対し、母親があるきっかけからADHD(注意欠如・多動症)を疑い始めるエピソードだ。「一見して問題のない子」に見える娘のどこに発達障害の兆候を感じたのか。早乃さんに制作の背景と、家族のリアルな日常について話を聞いた。
文武両道でも「2秒とじっとしていられない」
本作が生まれたきっかけは、早乃さんがInstagramでのエッセイ漫画執筆に関心を持ったことだった。自身の育児を振り返ると、子どもが幼い頃は「記憶が抜け落ちるほど大変だった」という。そこに近年学び始めた発達障害の知識を織り交ぜ、実体験をベースにしたフィクションとして構成したのがこの作品だ。
長女のサユミさんは小学生になると勉強も運動もこなし、周囲からは優等生に見えた。しかし、家庭内での様子は違った。1歳の頃から2秒とじっとしていられず、常に走り回っていたサユミさん。就学後も忘れ物や不注意が頻発し、注意しても改善されない日々に、早乃さんは「なぜ言われたことができないのか」と疲弊していたそうだ。当時は「勉強ができるなら発達障害ではない」と思い込んでいたが、数年かけて知識を深める中で「成績優秀なADHD児もいる」という事実を知り、長年の違和感がようやく腑に落ちたという。
ドラマと音楽と勉強を同時進行?カオスな集中法
サユミさんのADHDらしさは、独特な日常行動にも表れている。例えば、散らかり放題の部屋の中で、iPadでドラマを流し、同時にスマホで音楽を聴きながら勉強に取り組むことがあるという。ひとつのことに集中するのが苦手ゆえの、カオスなマルチタスクだ。また、「雨が降るから傘を持って行って」と声をかけた直後に忘れて家を出たり、鍵を失くしたりすることも日常茶飯事。かつてはこうした行動にイライラしていた早乃さんだが、特性を理解した現在では「また出た!」と笑って受け止められるようになったと語る。
「私も同じかもしれない」親子の特性と向き合う
実は早乃さんには、ASD(自閉スペクトラム症)の息子・リクさんもいる。おとなしいタイプのリクさんの診断を機に、早乃さんは「自分も同じかもしれない」と気づいたそうだ。自身にもASDやADHDの傾向があり、子ども時代を振り返るとリクさんとそっくりな部分が多いという。「発達障害は、誰にでもある人間の特性が強く出ているもの」そう捉えるようになった早乃さんは、自身の経験を息子への接し方に活かしている。「私も大人になれたし、なんとかなる」と前向きに語る彼女の言葉は、同じ悩みを抱える親たちの背中を力強く押してくれるだろう。
取材協力:早乃あかり(@akari238ffm)
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