北海道ゆるっと鉄道旅~宗谷本線2:全駅制覇は至難の業!? 宗谷本線の秘境駅詣で
北海道ウォーカー

第二回となる今回は、宗谷本線の音威子府駅から稚内駅を目指して北へ向かいます。普通列車に乗ると、見渡す限り牧場と森しか見えない無人駅や、駅前に人家が見当たらないひっそりとした駅にも停車していきます。その中には秘境駅と呼ばれ、全国からファンがやってくる駅も。
音威子府駅~稚内間にある注目の無人駅の数々を紹介します。
昔の姿が蘇った、特急が停まる無人駅「天塩中川駅」

はじめに訪れたのは、音威子府駅から3駅目の天塩中川駅。中川町の中心駅です。
2014(平成26)年にJR北海道から中川町へ駅舎が譲渡されたのを機に、駅舎は町の情報発信と地域の人たちや旅人の交流の場となる「中川町交流プラザ」へ生まれ変わりました。
柱や梁など骨格部分は旧来の駅舎のものを活かし、外観は1953(昭和28)年に建築された当時の姿を模して改修。外壁と待合室などの椅子には町有林で間伐されたトドマツを使用し、木の温もりを感じられる駅舎になりました。
待合室横の旧駅事務室はイベントスペースに生まれ変わり、イベントが開かれることも。なかでも月に一度、約1週間オープンするカフェ「oto cafe」はハンドドリップコーヒーを味わえる本格派。ナカガワブレンドでほっとひと息つきましょう。
無人駅ながら木の温もりと人の温かさを感じる駅舎。見た目だけではなく中身も古き良き駅の佇まいを感じることができます。



周囲に人家が見当たらず…。懐かしい木造駅舎が健在! 「雄信内駅」

次に紹介するのは、天塩中川駅から4駅目、幌延町にある雄信内(おのっぷない)駅。天塩中川駅と同様、上りと下りの列車が行き違う設備があります。
列車を下り。ホームに立つと昭和時代にタイムスリップ! 駅舎は1953(昭和28)年11月に建てられたものが今も現役。半世紀以上の歴史を刻んできた“味がある”木造駅舎なのです。
駅舎を出て駅前の通りを歩いてみました。道路沿いに建物が数軒あるものの、朽ち果てた家やシャッターが閉まった商店など、どれも生活の気配を感じません。線路と平行して流れる天塩川を渡ると対岸には集落がありますが、それは数キロ先。なぜここに駅が!? と感じてしまうロケーションです。
今は駅の周囲に人影が見当たらない静かな環境ですが、半世紀以上この地を見守る駅舎はかつての駅前の賑わいを見てきたのかもしれません。
昔の映画やCMに出てきそうな、ノスタルジックな風情がある木造駅舎。ひとり静かに駅に下り立つと、きっと誰もが主人公になれる駅です。



“ぬまひきょん”が現れる!? カワイイ秘境駅「下沼駅」

最後に紹介するのは、雄信内駅と同じく幌延町にある下沼駅。
列車の行き違い設備がなく、ホームは1本。駅舎は北海道各地の無人駅で時折みかける、余剰となった車掌車を改造したもので、老朽化した駅舎を撤去した跡に置かれました。昭和時代後期に設置された駅舎はだいぶ傷んでいましたが、2017年夏に町民と有志の人たちが手を入れお色直し。下沼駅×秘境駅から名づけた下沼駅のイメージキャラクター「ぬまひきょん」があしらわれた、可愛らしい駅舎へと生まれ変わりました。
「ぬまひきょん」は下沼駅に住みつく妖怪で、誰も見ていない間にひっそりと動き出し、人が来るとこっそり隠れてしまうのだとか。秘境駅ブームとともに愛らしい駅舎でより注目され来訪者が増えれば、「ぬまひきょん」はなかなか動き出せず、隠れてばかりになるかもしれませんね。



同じく幌延町内にある南幌延駅と糠南(ぬかなん)駅も、ぜひ訪れてみてください。




あなたならどの駅を訪れてみたいですか? 音威子府以北の宗谷本線は日に数えるほどしか列車が走っていないので、途中駅で下車しても次の列車は数時間後ということも珍しくありません。訪れる時はしっかり事前に調べて計画的に。
次回は下沼駅の隣、豊富(とよとみ)駅で途中下車して、美肌になるというウワサの豊富温泉を紹介します。
※駅や列車、お店の紹介内容は2017年10月現在の情報です。
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