「婦人服売り場で子ども服を売るな」1時間も説教された理不尽クレーム。店員を震え上がらせた「歪んだ正義感」の正体【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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戦慄のクレーマー〜歪んだ正義感〜P001ゆき蔵(@yuki_zo_08)

「お客様は神様」という言葉が独り歩きし、過剰なサービスが求められがちな日本の接客業。販売員にとって「クレーム」という言葉は、聞くだけで血の気が引く恐怖の対象だ。ブログで接客業の闇を描くゆき蔵さん(@yuki_zo_08)の漫画『戦慄のクレーマー〜歪んだ正義感〜』に登場するのは、怒鳴り散らすタイプではなく、静かに、しかし執拗に「正義」を振りかざす厄介な客だった。

戦慄のクレーマー〜歪んだ正義感〜P001ゆき蔵(@yuki_zo_08)

戦慄のクレーマー〜歪んだ正義感〜P002ゆき蔵(@yuki_zo_08)

戦慄のクレーマー〜歪んだ正義感〜P003ゆき蔵(@yuki_zo_08)


不妊に悩む夫婦への配慮がない?


ある日、隣の店舗でトラブルが発生していることに気づいた販売スタッフ。客は怒鳴ってはいないものの、店長は延々と平謝りしており、ただならぬ雰囲気が漂っていた。聞き耳を立てると、客は信じがたい主張を繰り返していた。「婦人服売り場で子ども服を売るなんて無神経ですよね?」近年、ファミリー向けに婦人服と子ども服を同じ売り場で展開する店は珍しくない。しかし、その客の理屈はこうだった。「あなたは不妊に悩む夫婦の割合をご存じですか?5、6組に1組です。つまり、このデパート内には不妊に悩む夫婦がいるんです」客は自身の考える「配慮」を盾に、1時間以上にわたって店員を詰め続けていたのだ。

百貨店には「冷静なクレーム」が多い


本作は、ゆき蔵さんのもとに届いたフォロワーの実体験をベースに描かれている。ゆき蔵さん自身もアパレル業界で約10年の接客経験を持つが、「百貨店では感情的にならず、ボソボソと続く冷静なクレームが多い印象」だと語る。感情的ではない分、話が通じず、事態が長期化しやすいのが特徴だ。ゆき蔵さん自身も過去に、「有効期限切れの割引券を使わせろ、さもなくばクレームを入れる」と脅された経験があるという。もちろん断固として拒否したが、理不尽な要求を突きつけられるストレスは計り知れない。

本作にはさらに驚くべきオチがあり、最後に判明する女性客の正体に読者は戦慄することになる。「本人にとっての善意」から来る忠告ほど、タチの悪いものはない。きらびやかな百貨店の裏側で起きている、怪異よりも恐ろしい人間ドラマに寒気を感じてみてはいかがだろうか。

取材協力:ゆき蔵(@yuki_zo_08)

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